すごいややこしいタイトルでごめんなさい！

いろいろ書きたくて詰めて書いたらこうなりました。。。

もう少し説明すると膝関節内側の痛みは鵞足部の痛みじゃないですか？

そして養成校時代に習った鵞足部につく筋肉って3つでしたよね？

あれ実は4つみたいです！ということ言いたかったんです。

非常にわかりにくくてごめんなさい。

ということで今回は鵞足について解説していきます。

是非興味がある方は読み進めてほしいと思います。

 

 

 

今までに習ってきた鵞足。

鵞足とは脛骨前内側面にある複数の筋肉の停止部である。

まずは養成校時代に習ってきた鵞足についての復習からしていきたいと思います。

 

鵞足につく筋肉

通常よく習う鵞足につく筋肉は縫工筋、薄筋、半腱様筋の3筋になります。

それぞれ作用もですが、神経支配も異なります。

簡単に説明していきます。

 

縫工筋

起始：上前腸骨棘下方

停止：脛骨粗面内側（鵞足）

作用：股関節屈曲、外転、外旋

膝関節屈曲、脛骨内旋

神経支配：大腿神経（L2,3）

 

薄筋

起始：恥骨結合外側縁

停止：脛骨粗面内側（鵞足）※縫工筋停止部後方

作用：股関節内転

膝関節屈曲、脛骨内旋

神経支配：閉鎖神経（L2～4）

 

半腱様筋

起始：坐骨結節内側面

停止：脛骨粗面内側（鵞足）、下腿筋膜

作用：股関節伸展、内旋

膝関節屈曲・内旋

神経支配：脛骨神経（L4～S2）

 

とありますが、これらは浅鵞足と言われています。

よく言われる鵞足炎というのはこの3つの筋肉で構成される浅鵞足と脛骨間にある滑液包（鵞足包）とが摩擦により、炎症を起こすことを鵞足炎と言います。

 

鵞足炎に対するテスト

ちなみにこの鵞足炎を引き起こす3つの筋肉それぞれに対してどれが一番関与しているか、筋を伸張させて調べるストレステストがあります。

このストレステストは当該筋の作用に反して筋肉の伸張肢位を取り、鵞足部に疼痛が生じるか確認するテストになります。

縫工筋　⇒　股関節伸展・内転＋膝関節伸展

薄筋　⇒　股関節外転＋膝関節伸展

半腱様筋　⇒　股関節屈曲・内転＋膝関節伸展

とここでまでは養成校時代に習った復習になります。

本番はここからです！

 

 

実は半膜様筋も…？

そうです！

冒頭にもお話しした鵞足につく4つ目の筋肉は半膜様筋になります！

半膜様筋

起始：坐骨結節

停止：脛骨内側顆、斜膝窩靭帯、内側半月板、下腿筋膜

作用：膝関節屈曲、内旋

神経支配：脛骨神経（L4～S2）

 

 

半膜様筋は深鵞足！

この半膜様筋は深鵞足と言われています。

先ほどの浅鵞足の3筋より文字通り深いところに位置します。

そしてとにかくこの半膜様筋は停止部が多いですよね。

鵞足部につくのは一部の屈曲頭腱と呼ばれる線維です。

この半膜様筋の屈曲頭腱はわざわざ内側側副靭帯の下を通り、鵞足部に至ります。

このようなケースは他の関節を見渡しても極めて稀なケースと言えます。

そのため互いの損傷、炎症症状が影響し合うことも考えられます。

 

深鵞足の痛みの原因は？

これも鵞足炎と同じ滑液包炎が主症状となりますが、深鵞足の滑液包は先ほどの滑液包とは違います。

深鵞足の滑液包は半膜様筋と腓腹筋内側頭間にある滑液包のため先ほどよりやや後方になります。

 

半膜様筋屈曲頭腱の評価法

半膜様筋屈曲頭腱は内側側副靭帯を滑車のように使い、およそ90°の角度をもって鵞足部へと向かいます。

そのため膝関節屈曲90°にすると起始から屈曲頭腱が一直線になります。

その状態で股関節を外転位に持って来れば半膜様筋屈曲頭腱の伸張肢位となるため…

股関節中間位　⇒　膝関節屈曲90°　⇒　股関節外転位

と、伸張していけば半膜様筋屈曲頭腱の伸張ストレステストになります。

 

 

滑液包炎の治療

炎症を起こしている滑液包は滑液の吸収と産生のバランスが崩れているため炎症処置が第一である。

（過去記事参照：痛みがあるときは温湿布？冷湿布？）

その上で、当該筋と脛骨間で起こる鵞足部の滑液包炎は当該筋の緊張緩和に努めることで滑液包にかかるストレスを減らすということが目標となる。

 

 

いかがだったでしょうか。

鵞足に対する新しい知識を得られましたか？

まずは膝関節内側の痛みをしっかりと問診で聞き出し、鵞足炎と疑わしいときは今回の内容を参考にしていただきたいと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

画像引用：Anatomography　http://lifesciencedb.jp/bp3d/