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人間の体が動くのに脊柱の動きは無視できません。

特に日常生活において屈んだり、体を前に倒したりする動作は一日に何度となくあります。

しかしそんな普段意識しない動作でも痛みが生じる方がいます。

私たちはそのような方を対象にリハビリしていくわけです。

今回は腰椎の動き、腰仙関節での動き・特徴を見ていきながら治療への足掛かりを見つけていきたいと思います。

是非興味のある方は読み進めてほしいと思います。

 

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矢状面からみた脊柱

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腰椎椎間板ヘルニアや腰部疾患では上位腰椎に比べ、下位腰椎でのトラブルが非常に多いです。

そんな脊柱を矢状面から観察すると頂椎はおよそL3椎体だと言われています。

そして水平面にほど近いL2上縁を基準にS1上縁を確認すると約45°の角度があると言われています。

(水平面からだと約40°とも言われています。)

これだけ角度が急峻であるとS1の上にあるL5椎体にはもちろん前方へのストレスが増大し、すべり症腰椎分離症へと繋がっていきます。

 

 

脊柱の動き

先ほどもお伝えしましたが、脊柱には屈んだり、前屈動作をする上で脊柱の動きはとても大切になります。

例えば立位の状態から指床間距離(FFD)を測る際、脊柱で屈曲していくときは…

L5/S1間 ⇒ 約75%

L4/L5間 ⇒ 約25%

L1~4間 ⇒ 約5%

の動きが担保されているとしています。

しかしこれだけ下位腰椎での運動が大きくても脊柱だけの動きでは指は床へはつきません。

それには股関節の屈曲角度も関与してくるからです。

ちなみに脊柱と股関節との屈曲割合はおよそ4:6~3:7の間で股関節の割合が大きくなります。

 

股関節の動きが重要!

そのため脊柱の運動を考える際にはやはり隣接関節である股関節の関与、可動性は無視できません。

むしろ脊柱の動きで補えない動きは股関節の可動性を上げることで補える可能性もあります。

出来れば脊柱を評価するときは股関節もセットで評価するのが望ましいと思います。

 

 

脊柱管について

脊柱について語るときには脊柱管のことについても触れておく必要があると思います。

最近では高齢化に伴い、腰部脊柱管狭窄症でリハビリのオーダーもよくでてくるようになりました。

話は少しそれましたが、脊柱管内は部位によって形も異なります。

脊柱管内は頚椎部が一番広く緩やかな三角形になっています。

胸椎部ではその形が円形になり、頚椎部より狭くなります。

そして腰椎部では、再び広さを取り戻しながら三角形の形へと戻っていきます。

こうやってみると脊柱前弯部と後弯部との違いがあり、頚椎部・腰椎部は脊髄膨大部でもあるためこのような構造になっていることが考えられます。

 

動きによる脊柱管内の変化

よく椎間関節性腰痛では伸展時痛、腰椎椎間板ヘルニアでは屈曲時痛などが言われています。

(こちら椎間関節が原因の腰痛!3つの特徴

椎間板性腰痛の理解も参考にされてください)

ここでは脊柱の動きに伴う脊柱管内の動きについてみていきます。

 

脊柱屈曲時

脊柱管内直径:19%UP  脊柱管内容積:11%UP

脊柱管内の圧力は軽減されるため、腰部脊柱管狭窄症の方のように前屈位で安静にすると楽になるのもうなずけます。

しかし脊柱屈曲すると髄核は後方へ押しやられるため、場合によっては度重なる負荷で髄核が脱出し、腰椎椎間板ヘルニアへと発展する可能性があります。

また椎間関節症については伸展時の動きに着目するよう書きましたが、背柱屈曲時も最終域では椎間関節に並進運動の圧力がかかるので椎間関節症=伸展時痛と決めつけないようにしましょう!

 

脊柱伸展時

脊柱管内直径:11%DOWN  脊柱管内容積:15%DOWN

伸展時は脊柱管内の状況悪化に加え、椎間関節にも圧迫が加わり、負担が大きいです。

しかしこれは体幹伸展を強要した場合の数値のため、常時屈曲位である猫背など比べると正常立位であることにはメリットがあるため、一概に脊柱伸展が悪いとは言い切れません。

ですが、脊柱伸展時に痛みを訴える場合には参考にされることをお勧めします。

 

 

いかがだったでしょうか。

こうやって脊柱の動きを追っていくとだいぶ見方も広がっていくと思います。

是非これらを参考に腰部疾患をみていってほしいです。

最後までよんでくださり、ありがとうございました。

 

画像引用:Anatomography http://lifesciencedb.jp/bp3d/