腋窩神経って肩関節疾患では

皆さんが知ってるような割と

メジャーな神経の一つだと思います。

 

でも…

腋窩神経ってどこ走ってる?

肩峰からどれくらい下にあるか分かる?

 

って聞かれたときに即答できる人は

少ないと思います。

 

今回、腋窩神経の事を調べていて

すごく良い動画も一緒に見つけたので

後ほどご紹介したいと思います。

 

肩関節疾患をみる機会がある

理学療法士は必ず知っておいた方が

いい内容です

 

自分が確認するときも、

後輩や同僚に教える時も

理論的であればあるほど信頼性が上がります。

 

是非、あなたの一つの引き出しとして

知っておいてほしいと思います。

 

では続きをご覧ください。

SPONSORD LINK

腋窩神経に関する動画

この動画は三角筋に筋内注射を行う際の

ガイドとなる動画です。

 

その中で腋窩神経が通る

Danger Zone(危険区域)について

解説してあります。

(大体2:35過ぎです)

 

もうすでにここに答えが書いてあるのですが、

腋窩神経は肩峰から約7cm下に存在します

 

指で言うと、大体3~4横指くらい下

当たるはずです。

 

これを知っているのと知らないのとでは

腋窩神経へのアプローチも変わってきます。

 

腋窩神経は〇〇している!

また意味深な〇〇が出てきましたが、

言いたいことは簡単な事です。

 

腋窩神経は横走しています

 

どこを横走しているのかと言うと、

外側腋窩間隙(QLS)からです。

 

腋窩神経と言えばQLS!

ですよね。

 

簡単に復習しておきますが、QLSとは…

大円筋、上腕骨(外科頚)、上腕三頭筋、肩甲骨

(小円筋の場合も)を含むもので構成されている

肩関節後方にある間隙(スペース)です。

 

このQLSに関しては今までもいくつか記事を

あげてきたので、是非参考にされてみてください

肩・腕の痛みの原因?肩関節周囲の4つの間隙

肩じゃなくて腕が痛い!? 腕に痛みを引き起こす4つの要因

上腕外側の痛みは本当にQLSによるもの?もう1度再考してみる

 

少し話は逸れてしまいましたが、

何が言いたいかと言うと、

QLSから出る腋窩神経が横走しているという事は

Danger Zoneに並行してQLSは存在している!

ということ。

 

だから同じように肩峰から3~4横指下だと

いう事になるんです。

そうするとQLSも探しやすいと思います。

 

QLSの秘密…

秘密って程でもないかもしれませんが、

新たに学びがあったので共有したいと思います。

 

私たちがQLSを観察するときって大体、

後方からですよね。

 

だから大円筋とか上腕三頭筋、小円筋の名前が

出てくるのですが、実は前から見ると…

肩甲下筋の下を通ってるんです!

 

…当たり前っちゃ当たり前の話かも

しれませんが、私にとっては盲点でした。

 

【QLS = 後方】

という勝手なイメージから全然想像すること

なかったのですが、新たに発見できました。

 

もちろん臨床での経験上、肩甲下筋に

アプローチして痛みが緩和したケースは

まだありませんが、知らずに治療するのとでは

全然意味合いが変わってくると思います。

 

腋窩神経・QLSとの関係を

より深く理解するためにも、

QLSを前方から観察すると…

肩甲下筋の下を通っている!

 

という事は知っておいてください。

 

腋窩神経を最も苦しめる運動と筋肉は?

苦しめるって何か理学療法士の私が使うのは

何だか適切ではないような気がしますが…

 

要するに負荷がかかるとか応力を受けるとか

そんな意味合いで捉えてもらえると

助かります。

 

先に答えをお教えしますと、それは…

肩関節外転運動と上腕三頭筋長頭です。

 

何故か?

理屈は簡単です。

 

肩関節外転運動による上腕三頭筋長頭の収縮が

一番QLSを狭くするからです

 

上腕三頭筋長頭はQLSの内側壁

上腕骨はQLSの外側壁

に当たりますが、これらが一番接近する運動が

肩関節外転運動です。

 

そうすることでQLS自体が狭まり、

腋窩神経並びに腋窩動脈を締め上げます。

 

もちろんこれは三角筋がある程度、

正常であることが肝要です。

 

腋窩神経支配である三角筋が効かない場合

純粋な肩関節外転運動が阻害されるため

この理論は成り立ちません。

 

特に上腕骨近位端骨折、外科頚骨折などを

起こすと、近位を走る腋窩神経が被害を受ける

可能性は非常に高いです。

 

そうした場合、外傷による

肩関節運動の制限だけをみるのではなく、

三角筋の萎縮なども同時に確認することが

重要です。

 

その際、感覚障害まであるか確認してください

 

腋窩神経は混合神経です。

運動障害だけでなく、感覚障害も併発します。

 

ただ肩が挙がらないから腋窩神経麻痺だ!

と決めつけないよう気を付けてください。

 

と、こうやって見ると腋窩神経もまだまだ

結構深いですよね…

 

勉強していると自分の未熟さを思い知ります…

特に肩関節疾患は難しい…

 

いやどの疾患も難しいのですが、私の中では

肩関節疾患はとても厄介な部類に入ります。

 

だからこそ逃げ出さずにもっともっと

色々な事を吸収しながらここで発信していこう

 

そう考えています。

腋窩神経に関してはまだまだ記事に

できそうな事があるのでまたの機会に

お伝えしたいと思います。

 

まず今回伝えたかったのは…

・腋窩神経は肩峰から約7cm下にある!

・指だと大体3~4横指下!

・腋窩神経はQLSから横走している!

・QLSを前から見ると肩甲下筋の下を通る!

・腋窩神経は肩関節外転運動で

上腕骨三頭筋長頭に挟まれる!

 

この5つを覚えておいてほしいと思います。

今見返すと、結構多いですね…

 

それではあなたの臨床に

是非生かしてみてください!

 

最後までお付き合いいただき、

ありがとうございました。