「足関節って難しい…」

 

私もそう思ってました。

いや今でもそうです。

 

足関節は難しい…

 

では何がそうさせているのか?

 

単純に、

解剖が難しい…

 

これって上肢疾患で

「手関節が難しい…」

と思うのと一緒ではないか?

 

それは単純に、

骨や筋肉・腱、靭帯などが

小さいからではないか?

 

”小さい = 触りづらい = 難しい”

 

私の思考回路ではこうなっています。

 

そしてもう一つ。

 

”何がどこにあるのか確認しづらい…”

 

という事は、確実に…

100%解剖です。

 

解剖が理解できていないから

苦手意識が増幅している!としか

考えられません…

 

ということで今回は一緒に足関節の解剖から

復習していきましょう!

 

そのために最適な動画も準備してあります!

(引用ですが…)

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足関節・足部の解剖動画

早速解説していきましょう。

 

0:06~0:30 各骨の名称・位置関係

0:30~0:40 各関節の名称・位置関係

0:40~1:32 各靭帯の名称・位置関係

1:37~1:59 前方区画の構造

2:00~2:25 内側区画の構造

2:26~2:49 後方区画の構造

2:50~3:15 外側区画の構造

 

動画の中ではこのような解説がされています。

 

難解なのが水平断解剖!

この動画を見てわかると思いますが、

骨とか関節とかはまだ分かる。

靭帯もまぁ何とか…(ちょっと怪しいけど)

 

しかし本当に難しいのは水平断!

 

要するに1:37~始まる区画ごとの構造で

解説されている水平断解剖。

 

これが難しいんです!

 

この位置関係が理解できていないから

触診が上手くできない…

 

逆に言うと、この動画を見て学習すれば

ある程度の触診はイケる!ということ。

 

前方区画の特徴

ここでの特徴と言えば、

前脛骨動脈と深腓骨神経でしょうか。

 

水平断図を見ても分かるように

この2つの動脈・神経は、

前脛骨筋腱と長母̪趾伸筋腱に挟まれるようにして

下降し、足関節レベルを遠位に超えたところで

長母趾伸筋腱の下側に潜り込んでいます。

 

そしてこの深腓骨神経の特徴として、

感覚領域が母趾と示趾間のみの

小さい範囲を担っていることが知られています。

 

内側区画の特徴

ここでは長母趾屈筋と長趾屈筋の関係について

述べておきたいと思います。

 

長母趾屈筋腱(FHL)は

水平断ではより内側から遠いものの

付着部で見ると最内側へ位置します。

 

そして長趾屈筋(FDL)は

水平断では後脛骨筋腱(TP)の後方に

位置していますが足底部で先ほどの

長母趾屈筋腱と交差し、各趾へ付着します。

 

これは長母趾屈筋腱(FHL)が

唯一距骨後方の長母趾屈筋腱溝を通過するため

このような構造になっています。

 

詳細は、

【長母趾屈筋】解剖学、ストレッチ方法と臨床で役立つ3つの特徴

ここでも解説しているのでご覧ください。

 

分かりやすいように図解だけ載せておきます。

画像引用(一部改変):Anatomography

 

そしてもう一つ注目しておきたいのが…

伏在神経(SN:Sapenous Nerve)

 

何で注目しないといけないかと言うと、

ここまで下降してくる腰神経叢由来の神経は

他には無いからです。

 

腰神経叢と言うと、大腿神経の他にも

外側大腿皮神経、閉鎖神経、腸骨下腹神経、

陰部大腿神経、腸骨鼠径神経などの

神経が混在しています。

 

その中において伏在神経は、

大腿神経から分岐し、膝関節内側を通過する

ということはよく知られていますが、

より遠位に下降して足部内側まで

感覚領域を伸ばしているのは知らない方も

いるかもしれません。

 

是非これを機会に伏在神経の末端は

足部内側まで伸びている!

腰神経叢領域の神経ではこの伏在神経しか

ここまで伸びていないと覚えておいてください。

 

後方区画の特徴

ここには先ほど紹介した長母趾屈筋腱が

再度紹介されています。

 

内側・後方区画共にこの長母趾屈筋腱が

重要な役割を担っているから他なりません。

 

またここで注目しておきたいのが、

神経脈管系でしょうか。

 

アキレス腱を中心に

内側には、腓腹神経(SN:Sural nerve)と

小伏在静脈(SSN:Small saphenous vein)

外側には、脛骨神経(TN:Tibial nerve)

後脛骨動脈(PTA:Posterior tibial artery)

後脛骨静脈(PTV:Posterior tibial vein)

 

このように分布されています。

 

外側区画の特徴

ここでは長腓骨筋腱と短腓骨筋腱の位置関係

着目したいと思います。

 

水平断で確認した時に

短腓骨筋腱(PBT:Peroneus brevis tendon)が

長腓骨筋腱(PLT:Peroneus longus tendon)

より腓骨近くを走行している点。

 

この2つの筋肉は外側の動的支持機構の

最重要筋肉であることは言うまでもなく、

足関節内反捻挫のストップ筋として

知られています。

 

しかしこの水平断を見る限り、

強力な内反負荷がかかると長腓骨筋腱の方が

脱臼しやすいのではないかという仮説は

容易に立てれると思います。

 

しかし足関節の内反捻挫と決定的に違うのは

腓骨筋腱脱臼はより背屈位でなりやすい!

という特徴。

 

是非この特徴まで覚えておいてください。

 

 

さぁここまで足関節・足部を

各方面から観察してきましたが、

少しは苦手意識を払拭できましたか?

 

実際には患者さんの治療を介して

触ってみないと十分に理解することは

難しいかもしれませんが、これが

足関節の苦手意識を少しでも緩和できる

きっかけになればと思っています。

 

毎日ちょっとずつちょっとずつでも

成長していきましょう!

 

それでは今回はここまでです!

 

最後までお付き合いいただき、

ありがとうございました!