「踵が痛いです…」

 

患者さんがそう言って来たら

あなたは何を想像します?

 

もちろんしっかり問診をして、

疼痛を誘発している原因が無かったか

聞くと思います。

 

しかし特別な誘因が無ければ?

 

さぁ今回はそんな”踵の痛み”

フォーカスして話を進めていきたいと思います。

 

というのも毎回の事ながら

良い動画を見つけてきました!

 

他の人の力に頼りすぎるのも良くないですが、

これ良い!と思ったのものはシェアして

一緒にステップアップしていきましょう!

 

という事で、動画を見て頂き、

私なりの解釈や説明も含めて進めていきます。

 

『自分の患者さんも踵、痛がってたな…』

『そういえば自分もたまに踵痛いな…』

『何で踵が痛くなるんだろ?』

 

さぁ色んな疑問があると思いますが、

それらを頭に入れながら読み進めてもらえると

嬉しいです!

 

それではまず動画からご覧ください。

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踵の痛み!5つの原因

では紹介されている5つの原因を

それぞれ見ていきましょう!

 

1、外側足底神経

一発目から…

あんまり聞きなれない神経かもしれません。

 

この外側足底神経は脛骨神経からの分岐する

神経の一つです。

 

脛骨神経が屈筋支帯を通過後、

内側足底神経と外側足底神経に分かれ、

外側足底神経は足底の前外側面へと走りながら

周辺筋肉に神経の枝を送り、

更に浅枝と深枝に分かれていきます。

 

と、細かい解剖はここら辺にして

この外側足底神経、痛みを誘発する

神経になると、疾患名として

”Baxter神経”と呼ばれます。

 

ネットで検索すれば数件臨床例などが

報告されています。

 

ちなみに上記の動画内でも

”Baxter Nerve Compression”となっています。

 

外側足底神経:Baxter Nerve 

この臨床的特徴と言えば…

①屈筋支帯通過後足底外側のラインに従い、

痛みが誘発される

②脛骨神経支配の領域にも症状を呈する

可能性がある

③脛骨神経伸張肢位ならより症状を

呈しやすい可能性がある

 

これから紹介する他の踵の痛みの原因とも

見比べながら進めていくとより明確になると

思います。

 

2、足底筋膜炎

これはよく耳にする疾患系だと思います。

足底腱膜炎とも言います。

 

単純に足底に位置する足底筋膜が

起始部に強い牽引の力をかけ続けることに

よって生じる痛みの代表です。

 

場合によっては足底筋膜の付着部に

骨棘が生じる事もあるとされています。

 

この痛みの特徴は…

①踵骨のより内側に痛みを生じやすい

②足趾伸展をかけながら足関節背屈を

強制することで痛みが生じる場合がある

 

3、脂肪体の萎縮

これは読んでそのまま踵部分にある脂肪体が

萎縮することで歩行時などに床から受ける

反力がダイレクトに踵骨に伝わることによって

生じる痛みを言います。

 

萎縮と言ってもただ単に安静にしていた事に

よるものだけではなく、

長距離ランナーなどが起こしやすい踵部脂肪褥や

高齢になるにつれ、柔軟性の無くなった脂肪体が

踵骨骨膜との摩擦・剪断力により生じるものも

あります。

 

その場合、脂肪体自体に柔軟性を持たせる方法や

インソールなどを処方される場合など

治療法は様々です。

 

4、アキレス腱炎

下腿三頭筋による強くて繰り返される牽引力が

原因になっている可能性の多いアキレス腱炎。

 

ただこのアキレス腱炎。

アキレス腱周囲にある滑液包炎と間違えられる

ということもあります。

 

アキレス腱炎はアキレス腱実質の痛み。

アキレス腱皮下滑液包炎は踵骨後方の滑液包の

痛み。

またアキレス腱と踵骨間にある滑液包にも

炎症並びに痛みを起こす可能性があります。

 

一概に踵周囲のアキレス腱関係の痛みと言っても

最低この3つは存在します。

 

もちろんアキレス腱炎と滑液包炎は違います。

 

①アキレス腱炎の方が滑液包炎より高位。

②レントゲン上でもアキレス腱炎は肥厚あり

③下腿三頭筋の筋スパズムが予想できる

 

患者さんは、

「踵の後ろが痛い」

と言うかもしれませんが、

これらを混同しないように注意してください。

 

5、踵骨骨折

いやーそりゃそうでしょ!

って言いたくなる最後の5つ目…

 

骨折ですからね。

踵骨の痛みを訴えるのはよく分かります。

 

と言ってもこの踵骨骨折。

レントゲンではよく分からない事が

多々あるそうです。(Dr.談)

 

もちろんSever病とは違います。

Sever病は就学期の男児に起こりやすい骨折で

踵骨骨端症と言われ、骨端線部分に起きる

骨折の事を言います。

 

話は戻りますが、踵骨骨端症ではなく、

踵骨骨折がなぜ分かりにくいのか…

 

それは他の骨でも言える事なんですが、

骨梁の連続性を完全に崩されない為です。

 

要するに完全に骨折線と分かるほど

離開したり、亀裂が分かる場合は良いのですが

それが分からない場合、骨癒合した後の

仮骨形成~骨硬化像が見えてきて

初めて気づく場合があるそうです。

 

だからこの場合には問診や視診・触診が

とても重要だという事。

 

 

という事で上記の動画を中心に

”踵の痛みの5つの原因”

を見てきました。

 

おさらいしておくと…

1、外側足底神経

2、足底筋膜炎

3、脂肪体の萎縮

4、アキレス腱炎

5、踵骨骨折

 

もちろんこれだけではないと思います。

途中に出てきたSever病やアキレス腱下の

滑液包炎など他にも様々存在します。

 

しかしこれが一つ、踵の痛みを勉強する

足がかりにでもなってもらえれば

嬉しく思います。

 

是非これを機に一緒に学んでいきましょう!

 

それでは今回も最後までお付き合いいただき、

本当にありがとうございました。