膝関節の伸展制限に対しての考え方は 今までもいくつか紹介してきましたが、

(参考までに…

【変形性膝関節症シリーズ2】膝が伸びない!こんな時に考える3つの要因

【変形性膝関節症シリーズ3】膝窩筋による膝関節伸展制限?

【変形性膝関節症シリーズ4】下腿三頭筋による膝関節伸展制限) 今回は“大腿二頭筋”に焦点を当てていきたいと思います。

  大腿二頭筋も膝関節後面に付着する筋肉として 伸展制限にかかる可能性としては 簡単に考え付くかと思いますが、 そんな大腿二頭筋の特徴から 治療へ繋げていけるために紹介したいと思います。

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大腿二頭筋の解剖

皆さんご存知かとは思いますが、 大腿二頭筋は半膜様筋、半腱様筋と共に ハムストリングスを形成しています。

  そのハムストリングスの外側を担うのが 大腿二頭筋であり、最外側は大腿二頭筋長頭になります。  

そんな大腿二頭筋長頭は坐骨結節から起始しており、 仙結節靭帯との連結を認め、 骨盤帯との関係性から 対側との繋がりもあるとされています。

  ちなみに大腿二頭筋は 坐骨神経の横切り、そののちに坐骨神経の外側を横走します。

あまり聞いたことはありませんが、 大腿二頭筋が坐骨神経に与える影響も 少なからずあるような構造にはなっています。  

大腿二頭筋の解剖に関してもう一点、 大腿二頭筋長頭は脛骨神経支配であり、 短頭は総腓骨神経支配であるため 同じ神経であっても支配神経が違いますが、 出所は仙骨神経叢であるため、 梨状筋など骨盤帯からの影響を受ける可能性も 十分に考えられるため 頭に入れておいてほしいと思います。    

 

膝関節伸展制限

では本題に入っていきたいと思います。  

大腿二頭筋による膝関節伸展制限を裏付けるためには 股関節の位置を変えてみることが大切です。

・股関節屈曲位:長頭・短頭両側の制限

・股関節伸展位:短頭のみの制限 になります。  

これは大腿二頭筋の構造から想像できます。

長頭は二関節筋であるため股関節の影響を受けますが、 短頭は単関節筋であるため股関節の影響を受けません。  

そのため股関節の位置を変えて評価することが肝要です。

・股関節の角度を変えて膝関節伸展角度が変わる  → 長頭・短頭両側の膝関節伸展制限

・股関節の角度を変えても膝関節伸展制限が変わらない  → 短頭単独の膝関節伸展制限

であると言えます。  

もちろん大腿後面の筋肉には二関節筋が他にも 半膜様筋と半腱様筋があるため 考慮は必要ですが、 膝関節伸展を触診しながら 行うことで筋組織のテンションを 感じることでも内外側の差を鑑別していきます。    

先ほどもお伝えしましたが、 ハムストリングスの最外側は長頭になるため 大腿二頭筋にアプローチする際には…

長頭が最外側、短頭は長頭の内側に存在することを 忘れずにアプローチしてほしいと思います。    

 

いかがだったでしょうか。

もちろん膝関節伸展制限も 筋肉だけの影響ではないため、 これも一つの参考としていただきたいと思います。  

たくさんの選択肢の中から 少しでもお役にたてる情報があれば 今後も書いていきたいと思いますので 是非ご活用してください。  

最後まで読んで頂きありがとうございました。