中間広筋と言えば…

大腿四頭筋の中の一部!とか

大腿直筋の下に隠れてる?とか

中間広筋に対してこのようなイメージを持っていらっしゃる方が多いのではないかと思います。

そこで今回は中間広筋の基礎的な解剖学の復習からストレッチ方法、さらに臨床で役立つ〇つの特徴について解説していきたいと思います。

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中間広筋の解剖

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画像引用(一部改変):Anatomography

中間広筋(Intermediate vastus muscle)
起始 大腿骨体前面
停止 膝蓋骨底
作用 膝関節伸展
神経支配 大腿神経(L2~4)
トリガーポイント 筋腹中央部より近位で、
大腿直筋のトリガーポイントよりは遠位
関連痛 大腿前面全体に放散.特に中央部に強い

 

中間広筋のストレッチ

※後日、掲載いたします。

 

中間広筋の特徴

特徴1 膝関節筋との関係

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画像引用(一部改変):Anatomography

膝関節筋…聞いたことない人も多いのではないかと思います。

膝関節筋は中間広筋の深部と繋がりのある小さな筋肉で、起始は大腿骨前面に付着していると言われています。

この膝関節筋は膝関節包の上嚢とも繋がっており、中間広筋の収縮が膝関節筋を伝い、膝関節包(上嚢)の働きにも影響します。

特に膝関節疾患のOpe後や炎症が起こることで滑液包自体が肥厚や線維化してしまうと膝関節の屈曲制限にもなってしまうようです。

また滑液包自体が線維化してしまうということは滑液循環にも悪影響となり、滑液の生成や吸収のバランスが崩れ、滑液の質や量にも影響が起こり、膝関節に”きしみ感”を感じたりすることもあります。

そのため中間広筋の深部に存在する膝関節筋に関しても治療することが必要です。

・一つは中間広筋の選択的収縮で伸張刺激を伝える

・大腿骨前面筋(特に深部)をつまみ上げるようにして各方向へ動かす

このようなやり方が一般的なようです。

是非、参考にされてみてください。

特徴2 大腿直筋との違い

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画像引用(一部改変):Anatomography

大腿四頭筋の中でよく同等に扱われやすい大腿直筋との違いを簡単に説明したいと思います。

と言って専門職の人ならわざわざ説明する必要もないのかもしれませんが、特徴の一つとして解説します。

簡単に言うと…

中間広筋 ⇒ 単関節筋

大腿直筋 ⇒ 二関節筋

そのため…

中間広筋 ⇒ 股関節の影響を受けない

大腿直筋 ⇒ 股関節の影響を受ける

要するに同じ膝関節の伸展作用がありますが、股関節をまたいでいるかまたいでいないかでその影響を受けるか受けないかが決まってきます。

例えば…

・股関節屈曲0°の状態では膝関節伸展-10°なのに、

 股関節屈曲45°の状態では膝関節伸展0°の場合…

⇒ 大腿直筋が膝関節伸展制限になっている可能性が大きい!ということになります。

これは二関節筋を緊張させた状態か否かという評価方法です。

股関節がより伸展位に近い場合、大腿前面を通る二関節筋は緊張するため、膝関節を屈曲することで代償し、膝関節伸展制限が起きます。

それを解消するために股関節を屈曲位にすることで二関節筋が緩めば膝関節の伸展制限がなくなるということです。

もちろんそれ以外の要素も多いとは思いますが、分かりやすく説明すればこのような感じになります。

 

まとめ

特徴1 中間広筋は膝関節筋との関係がある
特徴2 中間広筋は単関節筋、大腿直筋は二関節筋

 

いかがだったでしょうか。

前回の外側広筋と比べるとちょっと特徴が少ないように感じますが、膝関節の中でも重要な筋肉の一つになっています。

また今後中間広筋の新しいトピックスや思い出したことがあれば随時、追加していきたいと思います。

今回も最後までご覧いただきましてありがとうございました。