長趾屈筋と言えば…

母趾以外を屈曲させる筋肉?とか

…それ以外、思い浮かびますか?

あんまり強い印象を残すような特徴はないように思えます。

でもそんなマイナーな筋肉こそ特徴を理解し、覚えることができれば臨床で生かせることができます。

そこで今回は長趾屈筋の基礎的な解剖学の復習からストレッチ方法、そして臨床で役立つ3つの特徴を解説していきたいと思います。

きっと今までより深く長趾屈筋を知ることになると思いますよ。

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長趾屈筋の解剖

page1325 - コピー

画像引用(一部改変):Anatomography

長趾屈筋(flexor digitorum longus)
起始 脛骨後面、下腿骨間膜
停止 第2-5趾末節骨底
作用 第2-5趾IP関節屈曲、第2-5趾MP関節屈曲、
距腿関節底屈、距骨下関節内反
神経支配 脛骨神経(L5~S2)
トリガーポイント 下腿後面近位1/3(起始部付近)、
腓腹筋内側頭深層に存在
関連痛 第2~5趾足底付近

 

長趾屈筋のストレッチ

※後日、掲載いたします。

 

長趾屈筋の特徴

特徴1 腱交差している

image (6)

画像引用(一部改変):Anatomography

早速何のことかわからないようなタイトルをつけていますがとても重要なことです。

長趾屈筋は似たような作用を持つ筋肉に長母趾屈筋がありますよね?当然ながら…

長母趾屈筋 ⇒ 母趾側(内側寄り

長趾屈筋  ⇒ 他4趾(中央~外側寄り

ですが、起始を見てみると…逆なんです!

長母趾屈筋 ⇒ 腓骨や下腿骨間膜など(外側寄り

長趾屈筋  ⇒ 脛骨後面(内側寄り

つまり途中で交差しているんです!

大体、交差している場所は踵骨内側付近となっています。

だから何が言いたいのかと言いますと…

筋腹へ直接アプローチしたい場合は両筋の停止部と逆の関係(交差している)であることを理解しておかなければ適切な筋アプローチはできません

ただ単にそれぞれの筋肉の起始停止を覚えるよりも他の筋肉と照らし合わせて、覚える方がよっぽど印象に残りやすく、覚えやすいです。

是非、長趾屈筋や長母趾屈筋にアプローチする際には両筋が腱交差し、起始と停止では反対方向になっていることを覚えておいてほしいと思います。

特徴2 内側縦アーチを形成している

image (7)

画像引用(一部改変):Anatomography

他の筋肉でも内側縦アーチを形成するために関与していますが、長趾屈筋もその一つになります。

参考のために内側縦アーチ形成に関与する筋肉を載せておきたいと思います。

内側縦アーチ形成 ⇒ 長趾屈筋・長母趾屈筋・前脛骨筋・後脛骨筋・母趾内転筋(補助的に虫様筋)

これらの筋肉が内側縦アーチ形成に関与していると言われています。

足部のアーチ形成は衝撃吸収能力歩行時の推進力の確保など多くの役割を持っています。

そんな足部で重要な内側縦アーチ形成に長趾屈筋も一部関与していることを覚えておくことは非常に重要だと思います。

(参照:後脛骨筋の機能低下によって足底アーチは低下するのか?

特徴3 足底筋膜炎の予防になる

image (8)

画像引用(一部改変):Anatomography

足底筋膜炎は…足底部に存在する足底筋膜が荷重負荷足趾の伸展を機転に伸張され、その伸張ストレスが痛みとなって表れる症状です。

そのため足趾伸展の拮抗筋となる長趾屈筋は非常に大きな役割を担っていると言えます。

特にMP関節での伸展は足底筋膜を助長してしまうため注意が必要です。

基本的にはオーバーユース(使い過ぎ)による伸張ストレスによって受傷するケースが多いですが、それを拮抗し、防ぐ意味でも長趾屈筋の役割は大きいと言えるでしょう。

もちろん他にも短趾屈筋や骨間筋などと協同して働くことも大事ですが、その中心的役割に長趾屈筋が存在していることを理解しておいてほしいと思います。

 

まとめ

特徴1 長趾屈筋と長母趾屈筋は腱交差している
特徴2 長趾屈筋も内側縦アーチ形成に関与している
特徴3 足趾伸展の拮抗筋で足底筋膜炎の予防筋である

 

いかがだったでしょうか。

長趾屈筋がただ足趾を屈曲させるだけの働きではないことが理解できましたでしょうか?

筋肉は単一で覚えるよりも他の筋肉との関わり・関係性などと合わせて覚える方がよっぽど理解力が高まります。

是非、臨床に繋げながら長趾屈筋を覚える意味でも活用していただければと思います。

今回も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。