「腰の椎間関節の問題で…」
「広背筋のリリースをしておきました…」
「腋窩神経領域に痛みが出ているので…」
隣でリハビリしていたら私がよく聞く言葉です。
患者さんから問診をしていざ治療を始め、治療中や治療が終わった後にリハビリしていた人から発せられる言葉です。
はっきり言ったら、相手は理解できていません。
そんなことをしていて患者さんからの評価がガタ落ちした職員の本当の話をご紹介します。
もちろん私ではないため個人情報に留意して話しますが、是非自分にも置き換えて考えてみてください。
自分はこんなことしてないか…
もし思い当たる節があるならこれを読んでからでも十分に間に合います。
あなたが誰とどんな会話をするか、それだけで患者さんの評価は変わることがあります。
是非、参考にしてみてください。
見出し
実際にあった会話
「あなたの腰痛はL5から出る神経が問題ありそうだったので、神経滑走と神経モビライゼーションをしておきました。
また同様の症状が出てきたら右の椎間関節の治療も必要になるかもしれないのでその時は椎間関節の離開と滑りを出す治療を行いますね。」
一語一句同じではありませんが、隣で同様のことを話していました。
これ患者さん分かりますかね?
てか専門職の私でも急に言われたら「あ、あぁ…」としかならないように感じます。
はっきり言うと、すぐには理解できません。
逆にあなたが会話を受け取る側なら…
例えば、あなたがパソコンのことをほとんど知らないとしてこんなこと話されたらどうですか?
「このパソコンがよくフリーズするのはCPUがCeleronであることが原因かも。
この問題を解決するならCPUがCORE i7のものを選び、買い替えるべきだ」
意味わかります?
結構簡単に書いたのでパソコンのことに詳しい人ならわかるかもしれませんが、ほとんどパソコンのこと知らないならわからないですよね?
こんなことが日常のリハビリの場面でも起きているんですよ。
会話を原因に2つの現象が起こる…
1、専門用語を頻発することですごい人だと思われ、指名される
2、全然話の内容がわからないから、他の担当者に変えられる。もしくは来院しなくなる。
どちらの現象が多くみられると思いますか?
私の職場に限ったことかもしれませんが、【2】の方が圧倒的に多いです。
そしてその担当セラピストの悪評は瞬く間に広がってしまいました。
このセラピストはもう一つ癖があったことが原因にもなっていましたが、少なくともこの会話をもとに影響したことも考えられます。
当たり前ではないですよ…
普段、私たちセラピスト同士で会話をするときにはいいのかもしれません。
専門知識を生かして、より詳細な会話をすることで実際の患者さんの治療にも生かせる可能性があるからです。
しかし普段、私たちが使っている言葉が患者さんの中では”当たり前ではありません”
患者さんにとっては意味の分からない言葉であることが考えれるうえ、本来の痛みが全然解消されないなら不信感がつのるのは目に見えています。
その担当セラピストは良かれと思って言っていることでも相手に伝わっていなければ、結果的に逆効果になってしまいます。
コミュニケーションの基本は…
私たちは専門職であると同時に説明する側の立場にあることから常に相手に合わせて話をする必要があります。
だからコミュニケーションの基本は、【相手】です。
こちらかのコミュニケーションを受け取る患者さんのことを考えて話すことが求められます。
それは、患者さんが理解できる言葉で、理解できる速さで、理解できる内容を話さなければいけません。
それを怠ると、私の同僚のような悲惨な状態になります。
だからいくら勉強して、いくら知識・技術があっても患者さんから信頼されていなければリハビリが進まないことがよくあります。
あなたも同じような失敗をしないように自分のことを振り返る必要がありますよ。
あなたに心がけてほしいこと
コミュニケーションの基本は、受け取る【相手】にあるということ。
それを念頭に置いたうえで2つのことを心がければさらに相手に共感することができます。
1、聞き手に回ること
医療従事者なら患者さんの話を傾聴することくらい当たり前だと思っている人が多いですが、周りを見渡してみると結構できていない人が多いです。
最初は傾聴していても話の流れがわかってくると省略するために話にかぶせて遮断し、結論を言ってみたりすることは相手のことを全然考えていません。
そんな中でもしっかりと最後まで話を聞いて、時には相槌を打ったり、相手が言ったことを繰り返す(ミラーリング)ことによってしっかりとあなたの話を聞いていますよ。と伝えることができる。
話を聞き終わった最後にあなたが傾聴してきた内容の総括を話せば、相手も気持ちよく話すことができるでしょう。
2、立場を逆転させて考える
結局自分本位で話を進めてしまう人は相手の気持ちがわかっていないということになります。
そんな時は自分が患者さんになったつもりで考えてみましょう。
医療のことは何もわからず、無知な人ならどんな言葉を使えば理解できるか、自分が相手側の立場に立った気持ちで考えることが重要です。
すると、相手側の話を聞く難しさや大変さが想像できると思います。
なまじっか知識があるため、全く反対の立場になることは難しいかもしれませんが、気持ちの面だけでも変えることが重要です。
また自分の専門外である所へ受診しに行ったり、買い物をしに行くときにはどんな言葉や話し方で好感を受けるか考えながら接客を受けるのもいいかもしれませんね。
まとめ
自分本位な専門用語乱用は評価を落とす
コミュニケーションの基本は、【相手】である
傾聴する・相手の立場に立つ。この2つを守る
いかがだったでしょうか。
最初にご紹介したこの私の同僚は未だにこのことを直すことができていません。
というかもう自分で気付かないくらい習慣になってしまっています。
そんな彼を反面教師に、私は気を付けています。
もちろん注意は促しました。しかし簡単には変わらないのが習慣の怖さです。
是夫あなたも自分自身を振り返り、悪習慣が身についていないかチェックしてみた方がいいですよ。
それでは今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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