上腕二頭筋に関しては以前も…
などで触れてきましたが、調べを深めていくとまだまだ色んな情報が出てきます。
以前までは動きの中の上腕二頭筋の役割を解説してきましたが今回は静的状態の上腕二頭筋長頭の解剖について解説していこうと思います。
興味がある方は是非読み進めてほしいと思います。
見出し
上腕二頭筋の解剖復習
起始:長頭:肩甲骨関節上結節
短頭:肩甲骨烏口突起
停止:長頭:橈骨粗面
短頭:橈骨粗面、上腕二頭筋腱膜(前腕筋膜に移行)
作用:肘関節屈曲、回外
長頭単独では肘関節外転、短頭単独では肘関節内転
神経支配:筋皮神経(C5、6)
血管分布:前上腕回旋動脈
トリガーポイント:上腕二頭筋遠位1/3
関連痛:三角筋前部線維付近から上腕前面、肘内側、肩甲骨上部にも出現
関節包との関わり
上腕二頭筋は関節包との強い繋がりを持つ。
そのため上腕二頭筋の炎症は関節包へと伝わるし、関節包の炎症は上腕二頭筋にも伝わります。
特に上前方関節包との関連性が深く、解剖学的に見ても長頭と短頭の通過点であることがわかる。
上腕二頭筋長頭の特徴
上腕二頭筋長頭は以前も説明したように機能的にも肩関節の運動に対してとても重要な役割を担っている。
そんな上腕二頭筋長頭の解剖学的特徴を4つご紹介します。
特徴1 鋭角に曲がっている
上腕二頭筋長頭腱は起始から停止に向かう際、急激に角度を変え、上腕骨頭を上から支えています。
その角度がおよそ100~110°の鋭角だと言われています。
思っていたより急な角度じゃないですか?
でもこれにより、上腕二頭筋長頭腱がしっかりと上腕骨頭を抑え込み、Depressor機能が十分に働くわけです。
特徴2 腱鞘に包まれている
近位の筋肉としては唯一と言っていいほど上腕二頭筋長頭腱のみ腱鞘が存在します。
手関節などの外在筋によくみられる腱鞘ですが、上腕二頭筋長頭腱はその機能上、酷使されることが多く、結節間溝を通る部分にこの腱鞘が備わったのではないかと思われます。
しかしそのため他の筋にはないような形をしていても円滑な運動を遂行できるのだと思います。
特徴3 3つの靭帯との繋がり
3つの靭帯とは上腕横靭帯、関節上腕靭帯、烏口上腕靭帯になります。
先ほども説明したように上腕二頭筋長頭腱は結節間溝を通過します。
そこに逸脱しないようにと上から上腕横靭帯が覆いかぶさっているように存在します。
そんな上腕横靭帯を補強するかのように腹側を関節上腕靭帯、背側を烏口上腕靭帯がついていると言われています。
このようにして上腕二頭筋長頭腱が通る結節間溝をトンネル状に形成しています。
特徴4 2つの筋肉との繋がり
2つの筋肉は肩甲下筋と棘上筋になります。
役割は3つの靭帯と似ており、上腕二頭筋長頭腱の逸脱を防ぐように2つの筋肉が上腕横靭帯に付着しており、筋肉の緊張を伝え、補強しています。
肩甲下筋は前内側から、棘上筋は頭側から上腕横靭帯へ付着し、上腕二頭筋長頭腱を結節間溝内へ収める役割を担います。
いかがだったでしょうか。
今回の多くは上腕二頭筋長頭の話になりましたが、臨床へと繋げられる内容だったのではないでしょうか。
まずは解剖を知り、そこから自分で考え、アプローチすることで可能性はいくらでも広がります。
そのためにもまずは色々な知識を吸収していきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
画像引用:Anatomography http://lifesciencedb.jp/bp3d/
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