kokansetu股関節と言えば変形性股関節症を代表とする疾患から先天的、後天的なものも含めてたくさんの疾患が存在する。

そんな股関節をもう一度解剖からしっかりと理解するために今回は股関節の解剖についてまとめ上げていきたいと思います。

疾患に対する治療より患者さん個人を診れるようにするために、また自分もなれるように股関節について理解を深めていきたいと思います。

是非興味がある方は読み進めていただきたいと思います。

 

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大腿骨頭の形状

股関節を形成する大腿骨頭と寛骨臼蓋は球関節(臼状関節)に分類される。

大腿骨頭は球体の2/3を形成し、直径は4~5㎝程度と言われている。

また大腿骨頭の軟骨でおおわれている部分は前上方が一番厚く、辺縁にいくにつれて薄くなる。

 

 

頚体角と前捻角

頚体角は正常でおよそ120°~135°

それより角度が小さくなると内反股、大きくなると外反股と呼ぶ。

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前捻角は正常でおよそ10°~15°

それより角度が小さくなると後捻股、大きくなると前捻股と呼ぶ。

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寛骨臼蓋の形状

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股関節の寛骨臼蓋は下があいている月状面の寛骨臼窩とそれを下支えする寛骨臼横靭帯によって成り立っている。

そして寛骨臼蓋は腸骨、坐骨、恥骨の癒合部にもあたる。

また寛骨臼蓋には関節唇が付着しており、関節面を臼蓋のみと比べておよそ25%も増大させている。

 

 

股関節周囲の靭帯

股関節には腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯という股関節を結合させるために強固な靭帯が関節包と交わりながら付着している。

また他にはない特徴として大腿骨頭靭帯が存在する。

それぞれ説明いたします。

 

腸骨大腿靭帯

人体の中でも最も強力な靭帯として有名で300㎏以上の力にも耐えることができるとされている。

厚さはおよそ10㎜もあり、2本の線維に分かれて逆Y字型をしている。

また腸骨大腿靭帯は小殿筋と大腿直筋によって補強されているとされる。

股関節伸展時に最も緊張が高くなり、外転・外旋も制限する。

 

恥骨大腿靭帯

腸骨大腿靭帯とは違い、強力な力はないが関節包を補強している。

しかし恥骨大腿靭帯は起始部で閉鎖膜との関連性があり、閉鎖神経をはじめ、閉鎖動・静脈にも影響を与える可能性があるとされている。

運動制限は外転時に制限因子となる。

 

坐骨大腿靭帯

坐骨大腿靭帯は3本の線維束がそれぞれ頭方では腸骨大腿靭帯中間・尾方では関節包と付着している。

運動制限は股関節の外転と内旋を制限する役割がある。

 

大腿骨頭靭帯

大腿骨頭靭帯は特徴的な靭帯で関節包内にある靭帯で大腿骨頭と臼蓋とを結んでいる。

長さはおよそ5㎝、太さはおよそ1㎝である。

中では大腿骨頭動脈と直接繋がっており、軟骨部への栄養血管として機能している。

そのため股関節骨頭壊死との関係性も指摘されている。

股関節内転時と内旋・外旋時に伸張され、外転の運動制限因子になる。

 

 

股関節運動に関する筋肉

屈筋 ⇒ 腸腰筋、縫工筋、大腿直筋、恥骨筋、大腿筋膜張筋、薄筋、長内転筋、短内転筋、大内転筋前部線維

伸筋 ⇒ 大殿筋、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋長頭

内転筋 ⇒ 長内転筋、短内転筋、大内転筋、恥骨筋、薄筋

内旋筋 ⇒ 中殿筋、小殿筋前部線維、大腿筋膜張筋

外転筋 ⇒ 中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋

外旋筋 ⇒ 外閉鎖筋、内閉鎖筋、双子筋、梨状筋、大腿方形筋、大殿筋

これだけ多くの筋肉が股関節運動に関与している。

今回はまとめのため筋肉の名称だけ記載し、今後詳細については解説していく予定。

 

 

股関節周囲の血管分布

大腿動脈、上殿動脈、下殿動脈、閉鎖動脈の4つが股関節に関連する血管になる。

細かく見ていけば…大腿動脈は大腿深動脈を分岐し、内側大腿回旋動脈と外側大腿回旋動脈に分かれ、その後さらに上行枝、下行枝と分岐していく。

しかしここで覚えておいてほしいのが全て腹大動脈から内・外腸骨動脈と来て始まっていることである。

あまり細かい部位に目が行き過ぎてどこからきているのかわからなければ本末転倒である。

まずは外腸骨動脈から大腿動脈が分岐。

内腸骨動脈からは上殿動脈、下殿動脈、閉鎖動脈が分岐することを覚えておいてほしいと思います。

 

 

神経分布

神経系に関しても血管系と同じ考え方である。

股関節には坐骨神経、大腿神経、閉鎖神経、上殿神経、外側大腿皮神経の神経が関わってくるがおおもとは腰神経叢と仙骨神経叢である。

腰神経叢からは股関節前面に関わる神経が出ており、これが大腿神経、閉鎖神経である。

(ちなみに大腿外側に関わる外側大腿皮神経も腰神経叢から出ている)

仙骨神経叢からは股関節後面に関わる神経が出ており、これが坐骨神経、上殿神経である。

 

 

いかがだったでしょうか。

まずは股関節の細かな解剖より大まかな解剖を知ることも大事かもしれません。

木を見て森を見ずという言葉もある通り、ちょっと離れて俯瞰的な目で見ることも大切かもわかりませんね。

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

画像引用:Anatomography http://lifesciencedb.jp/bp3d/