外反母趾と言えば…

若い女性がつま先の細い靴を履くことで外反母趾になってしまうイメージが強いですが、中高年の方、特に女性にも多いように感じます。

しかしなぜ中高年の方はつま先の細い靴を履かないのに外反母趾になってしまうのでしょうか。

時には外反母趾を手術するようなケースもある中、外反母趾だけではリハビリのオーダーはあまり来ませんが、

外反母趾で困っている方に少しでも力になれるよう知識を蓄えておきましょう!

 

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外反母趾とは

外反母趾は見た目上、母趾が示趾側へ外転しているように見えますが、その始まりは…

第1中足骨の内転から始まっているように感じます。

そして母趾MP関節において母趾基節骨が過度に示趾側に外転しています。

この時母趾MP関節は亜脱臼状態にあると言われています。

そして外反母趾をよく観察すると母趾が示趾の下へ潜り込んでいることが多いです。

これは第1中足骨に対して母趾基節骨が回外していることが考えられます。

 

外反母趾の痛み

外反母趾は外見上の変形度合いで痛みに差が出ることはあるのでしょうか。

変形が強度であるにも関わらず、あまり痛みがなかったり…

また変形は強度ではなくてもすごく痛みが強かったり…

だから変形度合いと疼痛には関連がないかもしれません。

しかし疼痛がある方はいらっしゃるため何か問題があります。

それが第1中足骨頭皮膚面が接触することによる炎症によるものや

母趾MP関節の内圧上昇による痛みなのか…もしくは母趾内転筋の伸張痛か…

考えうるものはいくつかあると思います。

 

 

横アーチの扁平化

外反母趾の方をよく観察すると…

偏平足、横アーチの低下をよく認めます。

これは先ほども出た母趾内転筋が機能不全を起こし、伸張された状態も関係しています。

そのため外反母趾を治すためによく足趾のギャザー運動を目にします。

 

タオルギャザー運動、効果のほどは…

私はあまり臨床の場でギャザー運動は行いません。

そもそも骨偏移がある中で外在筋を使うギャザー運動が適切な私たちが考えうる効果を出せるかは疑問をもってしまいます。

そのため皆さんもよく熟考してからホームエクササイズなどは指導するようにしていただきたいと思います。

 

 

外反母趾の治療

では外反母趾に対してどのような治療が効果的なのか考えながら進めていきたいと思います。

 

炎症部位へのアイシング

先ほども言いましたが、第1中足骨頭皮膚面の炎症や滑液包炎には…

まず炎症処置が大切です。

 

第1中足骨へのアプローチ

第1中足骨へは母指内転筋、短母指屈筋が付着しています。

第1中足骨が内転位にあるとそれらの筋肉はより内転位を強めてしまいます。そのため…

第1中足骨へ付着する筋肉の筋スパズム解消から

第1中足骨回内と母趾基節骨回外を意識して中足骨モビライゼーションを行い、横アーチ改善を目指します。

 

外反母趾周囲の神経アプローチ

外反母趾周囲には…

深腓骨神経、浅腓骨神経、内側足背皮神経の3つの神経が関与してきます。

なぜ神経による症状が出現する可能性があるかというと

先ほどの外反母趾による炎症が神経にも波及することもありうるからです。

そのためには痛みを軽減するために神経へのアプローチも必要になってくるのではないかと思います。

 

深腓骨神経と内側足背皮神経

深腓骨神経と内側足背皮神経は…

第1、2中足骨間を走行しているため第1、2中足骨間への神経滑走アプローチが有効とされている

 

浅腓骨神経

浅腓骨神経へのアプローチに関しては

足関節捻挫の新しい考え方

ここでも紹介しました

長・短腓骨筋の筋腱移行部からアプローチすることができます。

 

 

どうして外反母趾になるのか

最後に大きな問題を持ってきました。

しかし今の私にはこの問題を解決するに至っていません。

最初にお話ししましたようにつま先の細い靴を履くことも一つの要因ですが、中高年の方が外反母趾になるケースはおそらく原因が違います。

それが遺伝的なものかホルモン的なものか筋力的なものか

未だに答えは見つかりません。

ぜひ皆様の中にこれに関して思うところがあればお聞きしたいです。

よろしくお願いします。

 

 

今回の内容はいかがだったでしょうか。

外反母趾は変形や拘縮度合いによっては十分に治療対象になると考えています。

是非皆さんもこれを参考に外反母趾で悩まれている方を救っていただきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。