現在、高齢化が進むにつれて
脊椎圧迫骨折や大腿骨頚部骨折など
骨粗鬆症を起因とする疾患が多くみられるようになってきたように感じます。
今回はそんな骨粗鬆症の中でも…
骨梁に焦点を当てて解説していきたいと思います。
是非興味がある方は読み進めていただきたいと思います。
そもそも骨粗鬆症とは…
簡単に骨粗鬆症を説明すると…
椎体内の骨量が減少したため海綿骨がスカスカになっている状態。
と言えばわかるでしょうか。
骨量が減少するということは…
骨を形成する速度よりも骨が吸収されていく時間の方が速いため
など諸説あるようです。
ちなみに骨粗鬆症の進行は胸椎・腰椎からが多く、
自覚症状にも乏しいため、
身長が低くなったかな?とか、前傾姿勢になったかな?
などの気づきから始まるかと思います。
もちろんそれに気づかない間に進行していて転倒してしまった際に
骨折してしまうケースも多いかと思います。
今回のテーマである”骨梁”とは…
結論から骨梁というのを説明すると…
海綿質内にみられる骨の梁のようなもの。
梁というのが家を建てる際にかかる荷重を伝える
大切な役割を担う木材のことで、
それに似たものが椎体内の海綿質内に張り巡らされています。
この骨梁には規則性があり、
特に骨盤と大腿骨の関係性において説明されることが多いのですが、
長管骨(上腕骨や大腿骨)に多くみられるそうです。
骨梁の役割とは…
先ほども簡単に説明しましたが、骨梁の役割は…
荷重分散、力の分散が主になります。
一般に長管骨はその特性上、他の骨と比べて
圧力を受けやすい構造となっているため
その力の分散を骨梁が担っていると考えられています。
骨折好発部位における特徴
一番最初にも書きましたが骨折の多い部位として
大腿骨頚部骨折があげられます。
そしてこの大腿骨頚部には
たくさんの骨梁が張り巡らされている一方で…
好発部位である大腿骨頚部中央部において
”ward’s triangle”といい、唯一骨梁構造が疎な部分が存在します。
これも大腿骨頚部骨折が好発する要因になっていることを
覚えておくことも重要だと思います。
いかがだったでしょうか。
今回は骨粗鬆症の中でも骨梁に焦点をおいて解説を進めてきました。
このような情報を知っているだけで
大腿骨頚部骨折の見方も少し変わってくるのではないでしょうか。
次回は今回の骨粗鬆症について
また違う視点で解説していきたいと思いますので
是非読んでいただきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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