腸腰筋の重要性は皆さんすでにご存じかと思います。

体幹と下肢を結ぶ筋肉であり、

姿勢保持や腰痛、内臓との関係性などその機能は多種多様です。

通常の腸腰筋としての作用としては…

股関節の屈曲・外旋筋であり、

腰椎の弯曲維持などに関わりますが、

今回はもう一歩踏み込んで”大腰筋”の機能について解説していきます。

 

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大腰筋の解剖

大腰筋の起始停止とトリガーポイント

大腰筋の起始は浅頭と深頭の2つに分かれます。

 

起始と腰神経叢の関係

結論から言いますと…

大腰筋浅頭と深頭間を腰神経叢が走っています。

これを知っていると単純に考えただけでも

大腰筋の筋スパズムがあれば

腰神経叢に影響を及ぼすことは大体推測することができます。

またそうなれば…

絞扼性の末梢神経障害にも繋がることが考えられ、

痛み・痺れ・感覚障害・筋力低下など

想像するからに色んなことにも影響を及ぼしそうです。

 

ちなみに…

脊柱管狭窄症も末梢神経障害の一つとして分類されるため、

腰部脊柱管狭窄症のような症状を呈している

患者さんの主要な病態の原因がもしかしたら…

大腰筋由来の症状であれば私たちでも十分に治療可能なのではないかと思っています。

 

 

大腰筋起始部のもう一つのポイント

先ほどの大腰筋起始部の話では2頭の起始に関して説明しましたが、

大腰筋起始部は他にも…

横隔膜と関連性があります。

大腰筋浅頭はTh12から起始しますが、そこで横隔膜との接点があります。

一部では…

大腰筋と小腰筋の起始が横隔膜の内側弓状靭帯にかかる

とも報告されており、両腰筋が呼吸との関連性もあることを示唆しています。

そのため腸腰筋は呼吸補助筋に分類されており、

下支えする意味合いで胸腰椎移行部での安定性をもたらし、

横隔膜脚に影響を与えることが考えられます。

 

 

筋機能と骨盤との関係性とは…

今までは大腰筋起始部に着目してきましたが

今度は腸腰筋全体の筋機能と骨盤帯との関係性をみていきます。

腸腰筋全体としての作用は最初にも述べましたが

股関節の屈曲と外旋作用があります。

そして大切なのは股関節が外旋すると…

骨盤(寛骨)も外旋運動を伴います。

そのため全体的に見て仙骨は相対的に…

起き上がり運動(カウンターニューテーション)を誘発します。

 

仙骨の起き上がらせる筋肉=腸腰筋

通常、脊柱の弯曲がしっかりととれていれば

仙骨底は前下方を向いています。

運動としてはうなずき運動(ニューテーション)です。

しかし同一方向への負荷だけで

は常に同じ方向のみに剪断力が働くため機能的とは言い難いです。

そのため先ほどの仙骨の起き上がり運動が必要となってきます。

そしてその仙骨の起き上がり運動を誘発する

唯一の筋肉が腸腰筋のため筋機能としても重要視されている点でもあります。

 

 

いかがだったでしょうか。

普段、腸腰筋の重要性については十分承知かとは思いますが、

今回の大腰筋の解剖学的な特徴や腸腰筋全体の筋機能からみた

ポイントをあげるとまた見方が変わってくるのではないでしょうか。

これを読んでくださったあなたの臨床が少しでも変わってくれれば嬉しく思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。