膝関節をみるにあたって知っておくべき情報として

半月板について深い知識を持っていることは強みになります。

手術適応であってもそうでなくても

半月板の機能や特性について知ることで

膝関節の治療へ生かしていきましょう!

 

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半月板の機能

半月板の機能には大きく2つあります。

①関節の安定性

②荷重分散

それぞれ見ていきましょう。

 

①関節の安定性

元々、膝関節は強度のある靭帯や関節包があるため

半月板が単独で関節の安定性を増しているわけではないが、

他の受動組織と相まって膝関節の安定性に寄与している。

ちなみに外傷などの負荷が膝関節にかかると…

最初に負荷がかかるのは靭帯組織(十字靭帯と側副靭帯)

と言われており、その次に制動するのが…

半月板だといわれています。

 

②荷重分散

脛骨大腿関節の脛骨面は矢状面から見ると…

後方傾斜していることがわかります。

またその脛骨自体も平面でおまけに大腿骨側は球状のため

半月板なしではとても不安定な状態にあります。

本来であれば関節の接触は点であるのに対して

半月板が存在することで…

接触面積を増やし、荷重分散させることで安定性をもたらしている。

 

ここまで見てくると半月板の重要性がわかると思います。

しかし理学療法士である以上、

運動学も頭に入れておかなければ使えません。

 

 

半月板の運動学

半月板の動き

半月板は伸展位から屈曲位になると…

後方へ移動します。

その移動量は諸説ありますが…

内側半月板より外側半月板の方が大きいことは分かっています。

当然のことながら非荷重位より荷重位の方が変化が大きく、

半月板の中節部より前節・後節部の方が変化が大きいため、

やや縦長方向に形を変え、

一番変化が大きいところでは…

約1~1.2㎝ほど動きます。(荷重位の外側半月板後節部)

(ちなみに…内側半月板後角部は約6~7㎜の移動)

 

これをどう臨床に生かすか…

次の情報までのせてから考えていきます。

 

膝関節の接触割合

膝関節にかかる圧力を100とした時に

半月板にかかる圧力は約70~80%を占めると言われています。

そして内側・外側半月板それぞれでみると…

内側半月板 ⇒ 60~70%

外側半月板 ⇒ 80~95%

となっています。

 

ここまでくればなんとなくお分かりいただけると思います。

内側半月板より外側半月板の方が大事じゃない?

ということです。

よく臨床では変形性膝関節症による内側裂隙狭小化による

内側半月板の損傷や消失とか

スクリューホームムーブメントの乱れから膝内側痛と絡めたり…

とにかく内側に着目することが多いです。

しかしこのような運動学やデータから見ると

外側半月板の機能不全が内側半月板への負担増加を招いた!

とも考えられます。

これはあくまでも憶測ですが、

内側に痛みがあるから内側を触るとか

そんな簡単な理由ではない可能性もあるわけです。

 

 

いかがだったでしょうか。

少し半月板に対する考えが変わりましたか。

この情報が少しでも臨床に生かされればと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

【追記】

以前半月板については

【変形性膝関節症シリーズ7】半月板の機能・解剖と内外側の違い

でも詳細を説明していました。申し訳ありません。

重複するところも多々ありますが合わせて読んでいただければと思います。

大変申し訳ありませんでした。