何の診断もついていない自分の首でもたまに反ると痛いときないですか?

外来のリハビリに来られる方はもっと多様な症状を持ってこられる患者さんも多いですが頚部の伸展動作は制限されている方がとても多く感じます。

元々が非外傷性なのか外傷性なのかにもよりますがまずは解剖と運動学はしっかりと頭に入れるべきでしょう。

普段あなたは頚部の伸展動作をみるときにどんなところに着目していますか?

今回は頚部伸展の見るべきポイントも説明します。

 

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頚椎伸展可動域

頚椎をC0-2までを上位頚椎、C2-Th1までを下位頚椎としたときに…

上位頚椎 ⇒ C0-1間で伸展の90%以上を占める

下位頚椎 ⇒ 各関節でほぼ均等に可動域が分散されている

上位頚椎と下位頚椎では椎間板の有無の差があるためこの可動域の分散にも差が生じているとも考えられます。

 

 

上位頚椎

環椎後頭関節(C0-1)は鞍関節であり、椎間板もないため比較的自由な関節である。

それゆえ動きを阻害してしまうとすぐに可動域の制限や痛みとして出現してしまう可能性がある。

頚椎だけで見れば屈曲・伸展の動きの約50%はC0-1で起こっている。

そして肝心な伸展可動域は約15°がC0-1間で完遂される。ちなみにC1-2間は1°しかない。

そのため上位頚椎での伸展はC0-1間を先にみるのが適切だと思います。

 

運動学的な動き

C0-1での伸展の動きは後頭顆が環椎上を前方方向に移動し、環椎前方が上方へ回転し、後頭骨は後弓に接近するように動く。

その頚椎自動伸展する際はほぼ後頭直筋群によって行われる。

 

観察ポイントは顎先!

ここが今回の最重要ポイントにもなります。

頚椎全体で伸展動作をみる時には必ず下位頚椎より先に上位頚椎が動きます!

これは必ず押さえておかないといけません。

よく考えれるのは下位頚椎~頚胸椎移行部まで含めた可動性が低いため上位頚椎が過可動性になり、頚部伸展時痛が生じるというもの。

しかしこの観察ポイントさえ押さえれば憶測することもなくなります。

だから頸椎伸展をみる際は横から顎をみればいいと思います。

全体像よりまずは顎が先に動き出すか…そして顎先はどちらに動くか。

顎先が上方への移動 ⇒ 上位頚椎が先導

顎を引くような動き ⇒ 下位頚椎が先導

上位頚椎、すなわち環椎後頭関節が動く、それは頭蓋(ここではわかりやすく顎としています)が初動ということになります。

これだけで見方が全然違ってくると思います。

 

 

下位頚椎

下位頚椎の動きは先ほどもお伝えしたように伸展に関しては各分節がおおよそ平均的に動くといわれています。

そんな中でも下位頚椎を触る際に私が重要視しているのは椎間関節の角度です。

骨運動を誘発するには必ず押さえておかなければいけないと思います。

その角度がおよそ45°と言われています。

この角度は後方からだと斜め上に45°の角度をもっているため下位頚椎を扱う際はおよそですが”鼻に向かって”とか”顔面方向”にモビライゼーションすることがよいとされています。

 

 

いかがだったでしょうか。

顎先の動きをみることで治療ポイントの大筋を決める方法をお伝えしましたが、これで頚部伸展時痛に対する見方が少し広がったのではないでしょうか。

一人でも多くの患者さんの悩みを解決できるように一緒にがんばりましょう!

最後まで読んでくださりありがとうございました。