腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、

腰椎すべり症・分離症など

腰部疾患をみる際に特に着目されやすいのは

第4、5腰椎、腰仙部などの

下位腰椎から仙骨への移行部に多いような

気がします。

 

もちろん上記部位は特に腰部~下肢症状を

きたしやすく、剪断力などの力がかかりやすい

ということからも容易に想像できますが、

今回は下位腰椎の上にある、

第3腰椎

に着目したいと思います。

 

『えっ!?第3腰椎って大事なの?』

『あんまり気にしてみてなかった…』

『特別、重要な印象がない…』

 

多くの人はこんなイメージだと思います。

私だって最初はそうでした。

 

しかし調べてみると意外と奥が深い…

 

今回は第3腰椎の3つの機能的役割として、

かなり端的にまとめてあります。

 

しかしこれを知っているだけで

腰椎の見方が変わり、隣接する腰椎についても

さらに理解を深めるきっかけにもなるはずです。

 

是非、L3についてあまり知識をもっていない…

と感じている方は続きをご覧ください。

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腰椎の解剖動画

まずは第3腰椎に直接行く前に、

腰椎の基本的な解剖の知識を再度確認します

 

そうすることでここから先の説明が

より理解しやすくなるはずです。

この動画を見るだけでもいい勉強・復習に

なるため、是非最初にご覧ください。

 

第3腰椎の機能

結論から先に申しあげると第3腰椎は…

 

腰椎前弯の頂椎として身体重心の中心となり

体重負荷を受けやすいがその反面、

可動性も兼ね備えた部位であるため」です。

 

いくつか大事なところは太字にしていますので一つずつ見ていきます。

 

1、腰椎前弯の頂椎

まず脊柱は仙骨まで含めて、

4つの弯曲を形成しています。

 

その中でも腰椎の前弯に着目すると…

第3腰椎が前弯の頂点にきます。

 

5つの椎体しかないため考えれば

わかることかといわれるかもしれませんが、

皆さん必ずしも第3腰椎が頂椎になるわけではありません。

 

straight neckは頚椎前弯が消失した時の用語です

 

斜角筋の筋スパズムや何らかの影響により

頚椎の前弯がなくなるわけです。

 

そのため腰椎においても前弯の形を

変えてしまう要因があれば

頂点も変化すると考えられます。

 

例えばよく見た目から、

「猫背」とも言われるCカーブを描く

脊柱の頂点は第4、5腰椎と下がっていきます

 

2、身体重心の中心

第3腰椎は身体重心の中心を表す位置に

配置されていますが…

頂椎の位置が下位へ移動することで

身体重心も後方へと移動します

 

すると骨盤後傾位の見た目が

「猫背」のようになってしまうと考えます。

 

もちろんその理由については諸説あるかと思います。

 

考えれば外傷から先天性含め多種多様な

その個人にある要因から考えられますが、

若年者に関しては座っているときのみの

猫背ではまだ脊柱自体に柔軟性があるため

それを意識的に解消する事ができると思います。

 

しかし意識的に行うことで

背部筋に筋スパズムを引き起こすようなら

腸腰筋など前面の腰椎前弯を促すような筋肉に

私は着目してみています。

 

しかし高齢になり脊柱の柔軟性が乏しい方に

関しては体力の問題もあるかと思います。

 

脊柱がCカーブで変形してしまうのは…

それが「楽」だからなのだと考えます。

 

体力が落ちてくると体重を支える

筋持久力も落ちてしまいますので

体を猫背にして脊柱の後方靭帯、

また背部筋に体を預けることで、

無駄な体力消耗を減らすことが習慣化し、

猫背が完成するなら体力的な側面から改善を

図るのも一つではないかと考えています。

 

3、第3腰椎の可動性

最後に第3腰椎の可動性の話をします。

第4、5腰椎には腸腰靭帯が付着し、

骨盤同様動きの制限が大きく、

あまり可動性は要求されてはいません。

 

しかし第3腰椎においては…

腸腰靭帯の付着がないため

動的要素が大きくなります。

 

そして腰椎の頂椎にあるため腰椎における

機能的軸としての要素も受け持つため

大きな可動性が要求されるのです。

 

 

まとめとして、第3腰椎は…

腰椎前弯の頂椎として身体重心の中心となり

体重負荷を受けやすいがその反面、

可動性も兼ね備えた部位であるため」

ということになります。

 

ここまで第3腰椎の

3つの機能的役割についてみてきましたが、

ご理解いただけましたでしょうか。

 

ですがこれは第3腰椎に限らず他の関節でも

要求されることとのギャップで

障害をきたすことは多々あります。

 

今回第3腰椎に限定して説明したのは

そのギャップが大きく障害をきたしやすい

関節・椎体だと臨床上で感じるからです。

 

もしよろしければこれをヒントに

臨床での治療に生かしていただければと

思います。

 

今回も最後まで読んでいただき、

本当にありがとうございました。