足関節内反捻挫は

スポーツ障害などでよく目にする機会のあり、

時折、日常の怪我で損傷するケースもあります。

 

そんな足関節内反捻挫に関してですが、今では

多くの文献や研修会でも見受けられるようになっています。

 

今回はそんな足関節捻挫の基本的な知識に加え、

足関節捻挫による夜間時痛のメカニズムと

悪化させないための対処法に関して説明をしていきたいと思います。

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捻挫とは…

足関節が通常の可動範囲を超え、

靭帯や関節包が伸張されて損傷した状態を指します。

 

受傷機転の多くは内反捻挫であり、いくつかの原因があります。

1、底屈位での安定性低下:

距骨の骨形態上、底屈位は背屈位と比べて

安定性が急激に落ち、不安定性が高くなります。

2、内外果の高さによる影響:

内果は外果に比べて高さが低いため、

外反より内反を起こしやすくなります。

3、筋肉による制限弱化:

内反を制動する腓骨筋群は底屈位により

その機能が低下するといわれています。

4、靭帯による強度:

内側には三角靭帯があり、強靱であるのに対し、

外側は前距腓靭帯や踵腓靭帯などで強度が落ちる。

まだ他にも内反捻挫を引き起こす要因があるとは思いますが、

これらが多く見受けられます。

 

皆さんもご存知かと思いますが

内反捻挫の大部分は前距腓靭帯になります。

 

前距腓靭帯の特徴

以下が前距腓靭帯の特徴になります。

  • 長さは約15~20㎝、幅は約5~10㎝、厚さは約2~2.5㎜
  • 外果前縁から距骨頚部へ付着する
  • 踵腓靭帯と連続性がある
  • 前方・底屈の制動靭帯である
  • 関節包靭帯である

 

もちろん足関節捻挫の急性期はRICE処置が重要です。

そしてそれ以外にも知っていていただきたいのが

今回着目する“夜間時痛”です。

これは特に夜間時だから発生するというわけではないのですが、

臥位の状態で痛みが発生する。

ということで夜間時痛と書きました。

 

 

夜間時痛の原因と対処法

前距腓靭帯の単独損傷の場合、

重症度によりシーネ固定をされたり、テーピング固定されると思います。

しかし重要なのは損傷度が低く、安静処置を勧められた時です。

何も固定しているものがない状態で

背臥位になった状態を想像してみてください。

おそらく膝を伸ばした状態では

踵が布団についていると思います。

つまり踵が布団から押されている格好です。

 

前距腓靭帯は前方への制動靭帯です。

このまま普通に背臥位で寝てしまうと

常に踵が押し付けられ前距腓靭帯が

前方への制動をし続けるため負荷がかかることになり、

これが夜間時痛に繋がり、

もちろん前距腓靭帯の治癒を妨げる原因にもなりかねます。

 

普段は寝具の硬さなどの指導はすることがあっても

寝るときの姿勢についてまで

指導することは少ないかと思います。

 

しかしこのような場合においては

長時間の背臥位姿勢、もしくは長座位は避け、

少しでも損傷部位への刺激を避ける必要があります。

 

 

いかがだったでしょうか。

今回の足関節の捻挫に関しては

前距腓靭帯だけではなく、

内側靭帯で言えば前脛距靭帯・脛舟靭帯も

同様の対処法が必要だと思います。

 

臨床では前距腓靭帯の単独損傷などは

あまりないかもしれませんが、

足関節捻挫の患者さんがいらした際には

是非参考にしていただければと思います。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。