足関節での運動において
距骨は非常に重要な役割を担っています。
まず足関節は底背屈、内・外返しに加え、
足部の内外旋など多種多様な動きを担っており、
捻挫のように挫いたり、強い衝撃を受けた時などによる
外傷・骨折などでの損傷が多いとされています。
今回は特に距骨に焦点を当てて、
臨床上での評価、関節可動域のチェックなどで使われる
足関節の底背屈運動を解説していきたいと思います。
距骨の特徴
- 筋肉の起始停止をもたない
- 表面積の60%程度は関節軟骨に覆われている
- 足関節運動時の中心的役割を担う
- 足底から入った荷重刺激を伝達する
- 脛骨天蓋面側の距骨の骨形態は前方に比べ後方が狭い
などが挙げられるでしょうか。
ここでお伝えしたいのは
足関節底背屈時の軸になります。
足関節底背屈時はそれぞれ異なった軸のもとに
運動を遂行します。
それは距骨の骨形態による運動軸の変化であるため
これからそれぞれを説明していきます。
まずは前提として…
・前額面からみた脛骨軸との底背屈運動軸はおよそ85°
→ これは内側が外側に比べておよそ5°ほど高い。
・距骨滑車外側:
弯曲は円形に保たれており、底背屈時も運動軸は一定
・距骨滑車内側:
前1/3は曲率半径が小さく、後2/3は曲率半径が大きい
このような特徴を持ち合わせています。
これを元に底背屈運動を観察していくと…
足関節背屈時:
距骨滑車の内側と外側の曲率半径に
大きな差はないため先ほど説明しました
脛骨軸との底背屈運動軸に酷似している
(内側が高く、外側が低い軸)
要するに
後外側方向へと動いていきます。
足関節底屈時:
距骨滑車において外側が内側に対して
曲率半径が小さいため内側の動きが大きく、
底背屈運動軸が逆転する
(内側が低く、外側が高い軸になる)
こちらは
前外側方向へ動いていく。
しかし足関節底屈時には骨形態上、
脛骨と距骨の接触面積が減り、不安定性になります。
そのため先ほど説明しました
底屈運動軸の通りに動いていないように
見えるかもしれません。
しかし大切なのは
距骨滑車の内外側における
骨形態の違いを理解し、評価すること
なのでそこから治療へと繋げることになります。
臨床で足関節底背屈運動の可動域改善や
運動時痛改善のために必要な知識となるため
しっかりと理解していただきたいと思います。
いかがだったでしょうか。
距骨の特徴から
足関節底背屈時の運動の違いが少しは
理解していただけましたでしょうか。
図での解説がないため
少々理解に苦しむかと思いますが、
内側と外側の違いだけでも理解していただければ
治療へも生かしていけるのではないかと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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