足底のアーチと言えば…
縦・横と合わせて3つくらいあったかな?
アーチがない人のことを偏平足って言うよね!
…と、他にもたくさん出てくると思いますが、このようなイメージを持っているんじゃないかと思います。
今回はそんな足底アーチについて解説していきます。
後脛骨筋についても後述しますが足底アーチに対して 非常に重要な役割をいくつか担っています。
そして足底のアーチも いくつかの役割があり、私たちの身体を守り、機能的に見ても大変重要な役割を持っています。
そんな足底のアーチ低下は 先天性のものや変形性関節症に伴うもの、他にも外反母趾や外傷によるものなど様々あるかと思います。
今回は後脛骨筋に着目しながら 足底のアーチ低下について考えていきたいと思います。
見出し
足底アーチとは
まずはそもそも足底のアーチがどのような役割があるか説明していきたいと思います。
・地面から受けた衝撃を吸収する
・地面を蹴りだす力にする
・足底にある神経や筋肉を保護する
大まかに説明すればこのような3つの機能・役割があるでしょうか。
そして今回は後脛骨筋の機能低下に絞って 足底のアーチ低下に着目します。
なぜ後脛骨筋が機能低下・機能不全を起こしてしまうのか その原因についてもいくつか紹介します。
後脛骨筋の復習!
画像引用(一部改変):Anatomography
後脛骨筋(tibialis posterior) | |
---|---|
起始 | 脛骨後面、腓骨内側面、下腿骨間膜後面 |
停止 | 舟状骨、内側・中間・外側楔状骨、 立方骨、第2~4中足骨底側面 |
作用 | 足関節底屈・内反、内側縦アーチ保持 |
神経支配 | 脛骨神経(L4~S1) |
トリガーポイント | ヒラメ筋深部にて下腿骨間膜近位1/4付近 |
関連痛 | 下腿中央後面からアキレス腱を経て足底、全趾まで広がる |
ここはしっかり復習して押さえておきましょう!
後脛骨筋機能低下の原因
まずはじめに後脛骨筋が機能低下を起こしてしまう原因をいくつか挙げてみたいと思います。
・年齢
・性別(多くが女性である)
・肥満(後脛骨筋機能低下を起こす40%が肥満である)
・関節リウマチ
・糖尿病など…
これらが一般的に後脛骨筋の機能が低下してしまう主な原因になります。
上記で紹介しました原因でももちろんリハビリの適応になるものもあると思います。
しかし今回は解剖学から見た後脛骨筋機能低下を招く原因を見ていきたいと思います。
解剖学から見た3つの後脛骨筋機能低下
解剖学の観点から見ると後脛骨筋が機能低下・機能不全を起こす3つの理由が考えられます。
1、後脛骨筋腱は腱鞘がなく、血流に乏しい
画像引用(一部改変):Anatomography
後脛骨筋は後脛骨筋腱が通過する足関節内下方部分において、腱鞘が存在しないとされています。
そのため腱鞘がないことによって血流循環が乏しいため、後脛骨筋自体が線維化を招く形になりかねないと考えられます。
2、屈筋支帯でも圧迫から機能低下を招く
画像引用(一部改変):Anatomography
後脛骨筋は屈筋支帯を通過する組織の中でも最前列に位置します。
これは屈筋支帯部分で圧迫を受ければ一番影響が出やすいと言えることができます。
例えば…今回のタイトル通りに足底アーチ(ここでは内側縦アーチ)が低下し、踵骨の外反が強くなると屈筋支帯は伸張されます。
するとその伸張が圧迫になり、後脛骨筋機能低下に繋がります。
3、後脛骨筋は下腿の中心!
画像引用(一部改変):Anatomography
下腿部分の筋肉を後脛骨筋だけ色づけして、他の筋肉を透かせるとこんな感じです。
画像引用(一部改変):Anatomography
しかし、他の筋肉も通常の状態に戻すとこうなります。
前方:前脛骨筋
側方:脛骨・腓骨
後方:下腿三頭筋など屈筋群
これらのに筋肉・骨に囲まれています。
1・2に関しては、後脛骨筋腱圧迫による虚血がその後の変性から機能低下に陥る可能性を示唆していると考えます。
3に関しては、後脛骨筋を取り巻く周囲の状態に 左右されることが考えられます。
特に3に関して言えば…
前脛骨筋や下腿三頭筋が筋スパズムを起こせば 筋内圧が上がりますから後脛骨筋は圧迫されます。
このように囲まれている状態では 圧迫を受けても圧を逃がす場所がないため後脛骨筋が機能低下を起こすのではないかと考えられます。
さらに周囲筋の筋スパズムを確認すればおおよそ推測はできますが もちろんこれだけが答えというわけではなく、あくまで一つの考え方として捉えていただきたいと思います。
要するに退行変性や疾患による足底アーチの低下は 根治療を行わない限り、治療効果は乏しいものになってしまいます。
しかし今回の場合で言いますと…
後脛骨筋由来の足底アーチ低下となれば 、後脛骨筋が置かれている環境をかえてあげることで改善が見込まれるということになります。
まとめ
足底アーチには衝撃吸収や保護など様々な役割がある
後脛骨筋は足底アーチを支えるのに大切な筋肉である
後脛骨筋は様々な要因で足底アーチを保てなくなる可能性がある
周囲の環境を変えるだけでアーチを改善できる可能性もある
いかがだったでしょうか。
結果として足底のアーチ低下の現象だけに目を奪われて 根本的になぜアーチが低下したのか 。
この人の足底のアーチが低下した本当の原因は何なのか というのを考えながら見ていくとセラピストとして介入して 改善できる可能性があることを知ってほしいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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