よく変形性膝関節症の患者さんはレントゲンをみてきたときに
“関節が狭くなってて、軟骨がすり減っている”などとおっしゃってきます。
おそらく仮説ですが…
関節が狭い
→ 軟骨同士がぶつかってすり減っている
→ 骨と骨がぶつかっている
→ 膝が痛い
と、このような感じで想像しているのではないかと思います。
それが本当に痛みと繋がっているかはさておき今回はそのすり減っている軟骨へ行きつく前の半月板について説明していきたいと思います。
見出し
半月板の機能
1、圧力分散
膝関節は足部から上がってくる体重負荷を受け止める必要があるため他の関節半月よりも吸収力が高いです。
膝関節の半月板はおよそ50~70%の衝撃を吸収されて、どこか1ヵ所へ圧縮応力がかからないように接触面積を広げることで関節軟骨の摩耗を未然に防いでいます。
2、力の伝達
膝関節の半月板はもちろん関節包内に含まれているため周りは滑液により満たされています。
滑液は関節を保護する役割もあることから力の伝達にも一役買っています。
荷重がかかり、半月板に負荷がかかると滑液はうまいこと分散され、他の部位へと力を伝達する役割も兼ねています。
半月板の解剖
1、中心部と辺縁部の違い
半月板はいくつかの線維によって構成されています。
水平線維や垂直線維、斜走線維などです。
これらの線維は半月板の部位ごとに比重が違い…
中心部ほど弱く、辺縁部ほど強い(丈夫)線維が走っています。
それに加え、半月板は辺縁が脛骨に付着しているため中心部の可動性が大きく、辺縁部は可動性に乏しい。
2、血管分布
半月板の血管分布は辺縁部にしかないというのは周知の知識であると思いますが、出生後は半月板全体に血管分布があります。
しかし次第に中心部は血管分布が減り…
20歳になるまでに辺縁部の1/3ほどになります。
しかもその幅は半月板最外側からおよそ20%の範囲だとされています。
またその血管は関節包の動脈神経叢から受けています。
3、内側と外側の違い
内側半月板はC型
外側半月板はO型
というのは皆さんご存知かと思います。
しかしこれ以外にもたくさんの違いがあります。
①呼び名
内外側の半月板はその部位ごとに呼び名が違います。
内側半月板は…前角、前節、中節、後節、後角とありますが、
外側半月板は…前節、体節、後節で構成されています。
そのため文献などを読まれる際はその違いについて知っているとよいと思います。
前角、後角は内側半月板のみで体節は外側半月板のみです。
②動き
これも周知の事実かもしれません。
内側半月板に比べて外側半月板の動きは大きいです。
その動きの差はおよそ2倍です。
外側半月板は円形で荷重分散しやすく、動きも内側の2倍と大きいため損傷頻度も内側比で1/20だとも言われています。
③側副靭帯との関係
側副靭帯での回でもお話ししましたが、
内側半月板は内側側副靭帯と付着しているが、外側半月板は外側側副靭帯とは付着しません。
内側半月板に関してはその固定性がゆえに損傷を多く受ける要因になっています。
逆に外側側副靭帯は自由度が大きいため内側半月板に比べ損傷が少ないです。
いかがだったでしょうか。
今回は膝関節の半月板に焦点を当てて説明してきました。
しかし今回だけでは書ききれない内容もあったためまた次の機会にも書いていこうと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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