足の外側、大腿部外側に痛みを訴える方は腰部疾患や股関節、膝関節など疾患名に限らず、存在します。

単純に大腿筋膜張筋(TFL)が硬いとすればそれを治療対象にしている方も多いのではないでしょうか。

今回はこの大腿外側部の痛みについて解説していきたいと思います。

この大腿外側部の痛みですが、様々な要素が考えられます。

例えば筋肉、筋膜、神経、靭帯など… 今回は特に“大腿筋膜張筋(TFL)”を中心に進めていきたいと思います。  

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大腿筋膜張筋(TFL)の解剖

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画像引用:Anatomography

大腿筋膜張筋(TFL)は上前腸骨棘(ASIS)上を起始として殿筋群との関係性を持ちながら大転子下で腸脛靭帯(ITB)に移行していきます。

この移行する際に大転子上を通過していきますが、大腿筋膜張筋(TFL)と大転子間には大転子包があり、互いの接触を軽減させるクッション役として存在しています。

しかしこの大転子包が過度な圧迫・摩擦により衝撃を受けると柔軟性を失い、股関節自体の可動域制限の一因になることも考えられます。

先ほど大腿筋膜張筋(TFL)の硬さの話をしましたがその硬さをみるのにOber testがよく用いられます。  

Ober test: 患側下肢を上にした側臥位で股関節外転位で膝関節を90°屈曲した状態から下肢を離すと股関節内転方向へ落ちていくかを見て大腿筋膜張筋(TFL)の柔軟性を評価するテスト ※最近では側臥位で下にした健側を股関節屈曲位にすることでより精度の高いテストにする方法もあるようです。

ちょっと話は逸れましたが本題の“大腿外側部の痛み”について考えていきましょう    

 

1,外側広筋との関係

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画像引用:Anatomography

解剖学の本などで大腿部を外側からみると腸脛靭帯(ITB)の下で大腿部の前後に外側広筋が存在します。

先ほどの話とも関係性がありますが、Ober testが陽性である場合、大腿筋膜張筋(TFL)と腸脛靭帯(ITB)によって外側広筋が圧迫されるのは容易に想像できると思います。  

外側広筋は膝関節を屈曲する際に大変重要な筋肉です。  

しかし大腿筋膜張筋(TFL)、腸脛靭帯(ITB)と外側広筋間の滑走性が低下することで膝関節の可動域制限のみならず、 その過度な摩擦により痛みを生じることが考えられます。    

 

2,外側大腿皮神経

外側大腿皮神経は腰神経叢から起こり、大腿外側に分布します。

この外側大腿皮神経は絞扼されることによって痛みへと繋がっていく神経になります。

もう少し細かく見ていきますと… 腰神経叢から開始した外側大腿皮神経は大腰筋外側を出て、骨盤内に入っていきます。

その後、上前腸骨棘方向へ向かい、骨盤と腸恥筋膜弓間にある筋裂孔を通ります。 (※この筋裂孔には腸腰筋と大腿神経も通過する) daitaigaisokuhisinnkei2

画像引用:Anatomography

またその後、大腿で前枝と後枝に分かれ、大腿外側の前部と後部の皮膚を支配しています。

そして大腿外側部へ分布する外側大腿皮神経の分枝はそれぞれ筋間へ入り込んでから遠位へと枝を伸ばしていきます。

そのため、絞扼されるとすれば…

  • 筋裂孔部
  • 筋間へ入り込んだ分枝

この2点であり、注目すべきポイントであるのではないかと思います。    

 

いかがだったでしょうか。

おそらく大腿外側部の痛みは他にも多くの要素が考えられると思います。

多くの症例を経験するうえでこの情報が生かされればと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。