長趾伸筋と言えば…
母趾以外の4趾を挙げる筋肉?とか
養成校時代に習う長趾伸筋と言えばこれくらいしか出てこないと思います。
私も勉強してなければこれくらいしかパッと思い浮かばないです。
そこで今回は長趾伸筋の基礎的な解剖学の復習とストレッチ方法、そして臨床で役立つ3つの特徴について解説していきたいと思います。
見出し
長趾伸筋の解剖
画像引用(一部改変):Anatomography
長趾伸筋(extensor digitorum longus) | |
---|---|
起始 | 脛骨上端外側面、腓骨前縁、下腿骨間膜、下腿筋膜 |
停止 | 第2~5趾背腱膜 |
作用 | 第2~5趾背屈・外反 足部固定で下腿を前方に傾ける |
神経支配 | 深腓骨神経(L4~S1) |
トリガーポイント | 腓骨頭8㎝ほど遠位で長腓骨筋と前脛骨筋間付近 |
関連痛 | 下腿遠位外側から足背を通り、2~4趾背まで |
長趾伸筋のストレッチ
※後日、掲載いたします。
長趾伸筋の特徴
特徴1 下腿伸筋で唯一、腓骨頭に付着
画像引用(一部改変):Anatomography
長趾伸筋と言えば、下腿伸筋(前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋)の3筋の中で唯一、腓骨頭に付着します。
腓骨頭は各方面から筋肉や靭帯が付着しているターミナルのような働きをしています。
(参照:腓骨骨折からみる腓骨の重要性)
上記のリンク先でも解説していますが、腓骨頭は4つの筋肉と2つの靭帯が付着しています。
そしてこの腓骨頭はそれぞれの組織が集まることによって固有感覚受容器としての働きを果たします。
そのためどれかの組織が損傷なり、ダメージを受けると腓骨頭を介して影響が蔓延する可能性もあります。
その影響も視野に入れながら理解していただきたいと思います。
特徴2 長趾伸筋と前脛骨筋間を神経・血管が走る
画像引用(一部改変):Anatomography
厳密に言うと…前脛骨動静脈と深腓骨神経が長趾伸筋と前脛骨筋間を走っています。
下腿から足背への栄養血管となる前脛骨動脈とその血液を回収し、心臓へと送り返す前脛骨静脈の両血管。
そして下腿伸筋群の神経支配を行っている深腓骨神経。
これらは先ほども述べたようにこの動静脈と神経が長趾伸筋と前脛骨筋間を走行しています。
この血管と神経は筋肉間を走行しているため筋スパズムや下腿のコンパートメントなどが起こると容易に圧迫を受けてしまいます。
そのため筋力低下や足背動脈の拍動が弱く感じられることがあります。
ちなみに…
両筋肉の筋スパズム ⇒ 足背動脈のみ拍動減少
下腿コンパートメント ⇒ 足背・後脛骨動脈、両方の拍動減少
原因が違えば起こる症状にも違いがあるため注意してください。
特徴3 足関節背屈の代償運動
画像引用(一部改変):Anatomography
長趾伸筋は作用が2つ存在しています。
・母趾以外の4趾を伸展させる作用
・足関節を背屈させる作用
しかし2つの目の足関節背屈作用に関しては関与が弱く、足関節背屈の主動作筋は前脛骨筋でほとんど行われています。
ですが、前脛骨筋が何らかの原因で機能不全を起こすと長趾伸筋や長母趾伸筋も足関節背屈の作用があるため駆り出されます。
そんな時に見てい欲しいのが”足趾の動き”です。
前脛骨筋での背屈 ⇒ 足趾の過剰な伸展なし
長母趾・長趾伸筋での背屈 ⇒ 足趾の伸展あり(代償運動)
こうやって足関節背屈動作を確認すれば何が主導して動作を行っているか、また代償動作を行っているか確認することができます。
是非参考にされてみてください。
まとめ
特徴1 下腿伸筋で唯一、腓骨頭に付着している
特徴2 長趾伸筋と前脛骨筋間を前脛骨動静脈と深腓骨神経が通る
特徴3 長趾伸筋は足関節背屈を代償する可能性あり
いかがだったでしょうか。
少しは長趾伸筋について理解が深まりましたか?
実際にはあまり単体で見ることは少ないと思いますが、知識・情報は多いほど考える幅が広がります。
ずっと覚えておく必要はありませんが、必要なときはこれをまた再度検索してみていただければと思います。
今回も最後までご覧いただき、本当にありがとうございました。
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