腕橈骨筋と言えば…

その名の通り、上腕骨から橈骨までつく筋肉でしょ?とか

前腕で一番外側に付くの筋肉?とか

腕橈骨筋のイメージと言えば、大体このような内容のことがあがってくるのではないでしょうか。

確かに間違った内容ではありませんが、これだけでは治療へ生かすことができません。

そこで今回は腕橈骨筋の基礎的な解剖学の復習からストレッチ方法、そして臨床で役立つ3つの特徴について解説していきたいと思います。

是非これを読んで腕橈骨筋の治療に生かせる知識を得てほしいと思います。

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腕橈骨筋の解剖

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画像引用(一部改変):Anatomography

腕橈骨筋(brachioradialis)
起始 上腕骨外側上顆、上腕骨外側縁下部、外側上腕筋間中隔
停止 橈骨茎状突起上方
作用 肘関節屈曲、外転
神経支配 橈骨神経(C5、6)
トリガーポイント 腕橈骨筋の筋腹上で橈骨頭から1~2㎝遠位
関連痛 外側上顆から前腕橈側、手背第1,2指間

 

腕橈骨筋のストレッチ

※後日、掲載いたします。

 

腕橈骨筋の特徴

特徴1 橈骨神経との関係

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画像引用(一部改変):Anatomography

腕橈骨筋の支配神経は橈骨神経であることからその支配下に置かれていることは十分理解されていると思います。

しかしその腕橈骨筋と橈骨神経の走行の関係性についてはしっかりと理解されているでしょうか?

ちょっと大まかに説明していくので復習していきましょう。

・C5~Th1腕神経叢後神経束から

⇒ 鎖骨下・小胸筋下を通過

⇒ 広背筋・大円筋の前面を通り、上腕骨後面へ

⇒ QLSを通過

⇒ 橈骨神経溝を下向

⇒ 外側上腕筋間中隔を通過

⇒ 一旦、外側上顆前方を通過

 ☓☓☓

⇒ その後、前腕で分岐して…

この後はまた次の機会に話していきたいと思います。

そしてこの【☓☓☓】部分にあたる橈骨神経通過ルートと腕橈骨筋との関係は…

橈骨神経が腕橈骨筋の下を通過するということ。

これはあまり多くの人が知らないようです。

しかしここでは触診することができないため、触診する際は…

三角筋停止部の2、3㎝下方で触診することができる

ここはよく学生時代、男子生徒同士が冗談で腕を殴り合う場所でもある。

あれは橈骨神経が一番表層に出てきている部分で見事に当たれば、軽い力でもとつもなく痛く感じる。

これを知っているあなたはあまり悪用しないようにしてくださいね。

特徴2 上腕筋・上腕三頭筋との関係

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画像引用(一部改変):Anatomography

腕橈骨筋は先ほどご紹介した橈骨神経のルートの中にある”外側上腕筋間中隔”の一部でもある。

その外側上腕筋間中隔は他にも…

・上腕筋

・上腕二頭筋

・上腕三頭筋

が関与して形成している。

腕橈骨筋はその中の上腕筋と上腕三頭筋、この2つの筋肉と外側上腕筋間中隔での繋がり、筋連結があるとされている。

特にここは想像していただければ容易にわかると思いますが、肘関節の屈筋と伸筋のちょうど境目になるところでもあります。

そのため滑走性の低下は可動域制限や筋出力低下にも関係してきます。

また上腕筋・上腕三頭筋それぞれの影響を受けることも必須です。

特に同じ橈骨神経支配である上腕三頭筋との関係についてはしっかりと押さえておいた方がいいかもしれませんね。

また腕橈骨筋停止部付近の腱線維では方形回内筋との筋連結もあるとされています。

お互いの影響度合いはどれほどまで高いのかは不明ですが、腕橈骨筋は停止部では方形回内筋とも繋がっている事実は覚えておいて損はないと思います。

特徴3 外側上顆炎との関係

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画像引用(一部改変):Anatomography

これは前回の【肘筋】のページでも解説させていただきました。

その中でも腕橈骨筋は外側上顆炎との関係が薄いとされていますが、若干の関与が予想されるため解説させていただきます。

外側上顆炎とは…肘関節の外側に痛みを訴える炎症疾患の一つです。

その主な原因は肘関節伸筋の過度な使用やオーバーワークだと言われています。

この外側上顆炎、一般的には”テニス肘”とよく言われています。

そしてこの外側上顆炎に繋がる肘関節伸筋にあたるのが…

・腕橈骨筋

・肘筋

・回外筋

・総指伸筋

・小指伸筋

・尺側手根伸筋

・短橈側手根伸筋

・長橈側手根伸筋

この8つの筋肉が上腕骨外側上顆へと付着し、ほとんどが肘関節伸筋として機能します。

ではなぜ腕橈骨筋がこの外側上顆炎と関係が薄いのか、それは…

肘関節屈筋だからです。

もちろん腕橈骨筋もオーバーワークすれば外側上顆炎となりますが、その機序は他の肘関節伸筋とは違います。

そのため腕橈骨筋は外側上顆炎との関係が薄いと言われているのではないかと推測しています。

このような知識でも違いを知っておけば必ず役に立つ時がくると思います。

 

まとめ

特徴1 橈骨神経は腕橈骨筋下を走行する
特徴2 上腕筋・上腕三頭筋・方形回内筋と筋連結あり
特徴3 腕橈骨筋も外側上顆炎の一因

 

いかがだったでしょうか。

普段、肘関節の治療をしない人にとっては忘れかけていたであろう腕橈骨筋

しかし橈骨神経との絡みから上肢の痛みを診る際は一つポイントになりえる筋肉でもあります。

是非、今回の内容を現場の臨床で生かせいていただきたいと思います。

それでは今回も最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。