まず初めに言っておかなければいけない事が
あります。
これは私がみた患者さんの症例ではありません。
私と同じように臨床で悩み、それを全力で
解決しようと努力する私の同志である方が
わざわざ送ってきてくださった情報です。
もちろん個人情報などプライベートな部分は
割愛させていただきますが、きっと臨床で
悩んでいる若手セラピストにはとてもためになる
臨床報告だと自負しています。
私のブログを拝見してくださったことを
きっかけにこのように個人的に臨床報告して
いただけるまでに至った事を深く感謝しています
是非、このブログを見て…
『こんなところが変わった!』
『これがためになった!』
『あの部分がちょっと臨床で役に立った!』
些細な事でもいいです。ご連絡ください。
最近ではブログの更新が頻繁ではないですが、
色んな意味で私のモチベーションになっています
是非ご一報いただければ幸いです。
ではでは!
ちょっと話が横道にそれましたが!
本題へと入っていきましょう!
今回は左腰部~殿部痛を呈した40代女性の
症例報告です。
是非続きをご覧ください。
基本情報&経過観察
年齢:40代後半
性別:女性
職業:事務職
趣味:バレーボール 右利き
※週に1日平日に練習 大会等の試合は土日
経過:
デスクワーク中に左腰部~左殿部に疼痛と重だるさ(+)
同部位に痺れも時々併発。
症状が強いときは夜間痛もあり、夜中に何度も起きてしまう。
起居動作時痛(+)
バレーボール中にしゃがみ込みが出来にくく、また左右ステップが思うように出ないためボールを拾う事が出来ない(レシーブ)。試合中腰痛により、途中で休憩を入れ、試合中は早めに選手交代するか欠場している。
評価
① 立位姿勢
前後屈での疼痛(-)
前屈では立位の方が座位より左PSISの動きが大
⇒ 左腸骨機能障害か?
FFD -10㎝ ⇒ 腰椎下部の動きが小さく胸椎部での動きが大きい。
バレーボールの打ち手は右側であり、右肩甲骨下がり(+)
バレーボール選手に多い打ち手側の肩甲骨下がり。スパイク動作時に下がっている肩甲骨を挙上してから動作を行うため、スパイク動作の遅れや力みが生じると考えられる。そして打ち手と対側の腰部に負担がかかっていると考えられる。
② 背臥位
左下肢長 +1.5㎝
左ASIS下がり 左PSIS上がり ⇒ 左寛骨前方回転(+)
足部の著明な外転はみられないため梨状筋の短縮(-)
③ 腹臥位
骨盤の高さ 左側PSIS(+)
左トーマステスト陽性 ⇒ 左大腿直筋短縮(+)
左股関節伸展で同側の脊柱起立筋が先行して収縮してしまう。
右股関節伸展では対側の脊柱起立筋が先行して収縮がみられる。
④ 側臥位
Ober test 左側陽性 ⇒ 左側大腿筋膜張筋短縮(+)
⑤ しゃがみ込み、構え姿勢(レシーブ)
しゃがみ込みや、レシーブの際に骨盤後傾位から前傾位への変動がなく胸椎部での体幹屈曲が大きい。
レントゲン上の異常はなく、Dr.指示でリハビリ開始。
治療
左寛骨前方回転(うなずき)に対して、
カウンターニューテーション方向への
アプローチを実施。
骨盤の歪みの要因と考えられる左大腿直筋、
大腿筋膜張筋の伸張ストレッチを実施。
右肩甲骨下がりに対して広背筋等の
ストレッチを実施。
動作訓練として構え動作での骨盤後傾位からの
前傾位への動きと前傾を保った状態での
ステップ動作を実施。
構えの重心が膝前方、第一足趾ではなく
踵重心になっていたためフォームチェックを実施
途中、高校時代に右膝を痛めていた事を
聞き取りました。
右膝関節外反動揺あり、内側側副靭帯の圧痛、
腓腹筋の筋緊張亢進がみられました。
右膝への荷重に恐怖心があり、
後方重心になっていました。
右膝へのアプローチを実施後、フォーム調整により
右膝での荷重に対する恐怖心を減少できました。
徐々に腰部痛減少傾向にあり。
FFD-10cm ⇒ -3cm 左下肢長+1.5cm→0.5cm
経過としては夜間痛が消失、その後日常生活での
疼痛も消失。
試合中の疼痛は休憩中や試合後に出現していたが、
現在は完全に消失しリハビリ終了となりました。
いかがでしょうか。
正直、最初みた時は本当に涙が出るくらい
嬉しかったです。
自分の発信してきた情報が本当に意味があったのか
自己満足になっていないか?
そんな風に疑心暗鬼になっていたので、
この臨床報告を受けた時は本当に嬉しかったです。
実際に私が同じ患者さんをみたところで
これだけしっかり評価・治療まで行えるのか
自信はありません…
しかしこうやって私の発信した情報を少しでも
活用し、このような形で還元してくださる事は
何事にも代えがたい喜びでもあります。
是非今回の【臨床報告】を読んで触発された方は
私までご連絡ください!
そしてこのブログで学んで実践できたことを
他の臨床で悩んでいるセラピストに教えてあげて
ください!
それは自慢とかではなく、誰かの役に立つ為に。
それでは今回この臨床報告をしてくださった
Hさんに最大の敬意を表して締めさせて下さい。
「きっとあなたのおかげでまた一人、
臨床に悩むセラピストが救われたはずです。
本当にありがとうございます。」
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