嫌な後輩嫌な後輩

先輩~さっき何の治療してたんですか?

教えてくださいよ~

理想の自分理想の自分

(何だよいきなり気持ち悪い…)別に何も特別なことしてないよ。

嫌な後輩嫌な後輩

そんなもったいぶらなくていいですから~

何か初めて見るやり方でしたもん~

理想の自分理想の自分

(しつこいな…)いや別にそんな教えるほどでもないから…

可愛い後輩可愛い後輩

せんぱ~い♪私も知りたいです♪

理想の自分理想の自分

(デレデレ…)全くしょうがないな~照

嫌な後輩嫌な後輩

男女差別じゃん…(ボソッ…)

 

見事なまでにしょうもない寸劇でしたが、あなたにも経験ありませんか?

 

・自分の患者さんを治療中なのに他の人がやっていることが気になる…

・新しいやり方をみるとついつい気がそっちへ向いてしまう…

・結果的に自分の患者さんの治療が適当になってしまう…

 

理学療法士のあなたなら一度や二度は経験したことがあるでしょう。

そしてそれを真似てみたことはありませんか?

私は大いにあります。

よく人の治療をパクっていました…白状します…

しかしそういう治療は大体が上手くいきませんでした。

まぁ当たり前ですよね。そんな付け焼刃感が丸出しの治療でうまくいけば誰も苦労しません。

では何で『他の人の治療が気になってしまうのか?』

ここをちょっと掘り下げて考えていってみたいと思います。

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隣の芝生は青く見える

この言葉の意味を知っていますか?

簡単に言うと…他人が持っている物ややっていることに対して羨ましさや妬ましさを感じることを言います。

要するにここでは、

 

・隣の理学療法士のしている見たことない治療法に驚きながら感じる焦燥感

・自分の知らないことを知っているという劣等感

・相手が自分より先を走っているような敗北感

 

これらを感じることによって【隣の芝生が青く見えている】ということです。

ではなぜこのようなことが起きるのか考えてみましょう。

① 自分の治療に自信が無いから

自分が人のやっている治療を羨ましく思ったり、真似していたころを思い返してみるとこれが当てはまりました。

そう、結局は【自分のやっている治療に自信が無かったんです】

だから他の人の見たことない治療法が”良さそう”に見えていました。

ここでのポイントは”良さそう”に見えていたこと

必ずしも決して”良い”治療ではなかった可能性があります。

その証拠としてその治療を真似ても全く効果はありませんでした。

(いやもちろん患者さんが違うことや施術者が違うことでの結果の違いもあるとは重々承知してますが…)

逆に言えば、自分の治療に自信があれば他の人がしている治療にも目もくれず、自分の治療に専念出来るはずだということです。

② 完璧主義者なのかも?

これは特によく勉強している人やセミナーなんかに足しげく通い、お金を使っている人にありがちなことだと思います。

要するに…【完璧主義者】であるかもしれないという可能性です。

 

『自分はいつも最新の新しい情報を手に入れているはず』

『セミナーへ通うことで誰よりも多くの治療法を知っているはず』

 

しかし医療の世界で完璧になれる人はほとんどいないでしょう。

各分野でのスペシャリストはいたとしても全てにおいて完璧になることは不可能です。

ですが、なまじ勉強を頑張っている人なら自分より勉強していない人が自分の知らないことをしていたら『えっ!?』と思うかもしれません。

多くのテクニックが存在するということは完璧な状態はないということと同じです。

だからあなたは他人に左右されることなく、そしてまた見果てぬ完璧を追い求めてすぎて自分を追い込まないように気を付けなければいけません。

【完璧】は存在しません

しかし自分の信念を持つことで、相手に左右されず、自分の考えをもって治療に当たることが大事になると思います。

③ テクニックばかりに目がいっているから

確かにテクニックって大事です。

それ自体が痛みを消したり、可動域を広げる治療になる可能性があるからです。

しかし本当に重要なのはその前の【評価】じゃないですか?

どんな評価をして、得られた結果をもとに考え、結果的にテクニックを駆使して治療をする。

ですが、テクニックにばかり気を取られていたら結果、どんな状態にあるからこのテクニックを使ったのかが全く分からないということ十分にあり得る。

だからあなたがまず学ぶべきは【評価】ではありませんか?

表面的なテクニックを真似るより、原因を導き出せる評価に力を注ぎ、それからテクニックは論理的に考えればいいと私は思う。

 

嫌な後輩嫌な後輩

そっか!じゃ先輩の治療は”良さそう”に見えてただけで、小手先のテクニックだけ真似ても意味ないってことですね!

じゃ先輩から教わることなかったんですね!

理想の自分理想の自分

お、おぅ…(何かいちいち気に障るやつだな…)

嫌な後輩嫌な後輩

まぁだけど一応、どんなことしてたかだけ教えてください!

理想の自分理想の自分

(一応って失礼な奴だな…)あれはね、だから…

 

嫌な後輩嫌な後輩

たったそれだけですか?ふーん。

ありがとうございました。

理想の自分理想の自分

…(次からは絶対教えてやらねーぞ!!!怒

 

あなたも治療中、他のPTがやってる治療が気になったことありますよね?

それ自体、全く普通なんです。

しかしそれをどう受け止めて解釈するかの問題だと思います。

まぁ自分を戒めるためにも”他人の治療より自分の患者さんの治療を優先しないといけない”ですね。

それでは今回も最後までご覧いただきまして本当にありがとうございました。