「腰痛あるから腹横筋を鍛えて…」

「肩痛あるから腱板のインナーマッスル鍛えて…」

「Forward head posture(頭位前方変位)には頚部深層筋を働かせて…」

 

いや何も間違ったことはしていません。

しかし自分でやっていて思うことは…

 

これ本当に効果あるんだろうか…

 

あなたもインナーマッスルexをしていてこんな不安に陥ったことはないですか?

もちろん色々な研究機関やセラピストによってこれらの深層筋が与える影響についてはエビデンスが証明されてきています。

しかしいざ自分がセラピストの立場に立って患者さんに指導するとなかなかの割合で不安になります。

いくつかの原因があると思いますが、今回はそんな【インナーマッスルex】を行う時の不安をテーマにしながらあるある話を進めていきたいと思います。

SPONSORD LINK

原因1 めっちゃ地味…

「はい、深呼吸して~。息吐くときにお腹引っ込めてくださいね~」

「はい、息を吸う時は肛門を閉めながら、頭の方へ引かれるように意識して~」

「はい、力は抜いて軽い力でいいからゆっくりゴム(セラバンド)を外へ引っ張ってみて~」

 

インナーマッスルexを鍛える際は表層のアウターマッスルが働かないように気を付けるはずです。

それは鍛えるべき目的の筋肉が深層筋であるからここではアウターマッスルに働いてほしくないからです。

もしアウターマッスルが働くと、目的とする効果とは違う結果が得られる可能性もあるからです。

しかしインナーマッスルのexはホントに地味…

 

『本当にこれで良くなるのけ?』

 

と思うくらい地味…

アウターマッスルを鍛えるのとは違い、激しさもなければ息切れ感もない…

筋疲労するくらいの負荷はかかっていないし、本当にそこが効いているのかも本人からしたら怪しいくらい地味な運動…

 

原因2 即時的効果はほとんどない…

腹横筋のexして腰痛が一瞬で消えたことありますか?

腱板のインナーマッスル鍛えて肩外転時の痛みが消えたことありますか?

頚部深層筋を鍛えてすぐさま姿勢が良くなった人いますか?

 

ほとんどの人が経験したことないはずです。

それは深層筋を鍛えることが何を目的にしているかでも変わってきます。

 

・弱化している筋肉を賦活させるため?

・効いていない筋肉を働かせることで関節の適合性を改善するため?

・正しい位置で筋肉を使わせてその姿勢を維持するため?

 

これ以外にも様々あると思います。

しかし根本的に言えば、筋肉を鍛えてそれを定着させるためには数ヶ月程度の時間が必要だといわれます。

そういう理由もあって、【即時的効果を得ることは大変難しい】です。

これだと指導しているセラピストも指導されている患者さんも不安を感じる可能性は大きいですよね…

 

原因3 痛みの原因がわかってない…

”インナーマッスルexをやろう!”と決断したときの一つのきっかけ。それが…

 

全く原因をわかっていない

 

ということ。

要するに逃げの考えです。

この痛みがどこからきているかわからない…

色々やってきたけど、全然変わらない…

こんな時に思い浮かぶのが、とりあえずの”インナーマッスルex”なんです。

最近はテレビや雑誌でも健康に関する情報が溢れていますから患者さんも”インナーマッスル”くらい聞いたことあります。

そしてその”インナーマッスル”が腰痛や頸痛に効くということを知っている人もいるかもしれません。

しかしあなた自身はこのインナーマッスルを使って効果を出したことはありません

ですがもうやることが自分の中に無いんです。

このやることがないときに絞り出すのが”インナーマッスル”だったりします。

そうなると『本当に効果出るのかな…』と不安になったりします。

 

【インナーマッスルexで結果を出したことがない】⇒【だが他の治療でも結果が出ない】⇒【やることないからインナーマッスルexするか…】

 

これは不安になりますよね…これが3つの目の原因です。

痛みの原因をわかってないし、結果を出せていないということ

 

原因4 自分自身がやっていない…

自分自身がどこかに痛み、例えば腰痛を持っているとしたらあなたは何をしますか?

ストレッチ?

マッサージ?

筋トレ?

電気治療?

さぁあなたは自分に腰痛があって、インナーマッスルexをします?

恐らく、数回はしても効果が出ないから数ヶ月も続けないでしょう。

あなたは自分でもしないようなことを患者さんにさせようとしてるんですよ?

そんな治療を信用できるわけないですよね?

自分でも効果を出せない…患者さんでも効果を出したことがない…

これをもしやるのであれば、不安だらけでしょう。

これが”インナーマッスルex”をする際の最大の原因と言っても過言ではありません。

 

いかがだったでしょうか。

【インナーマッスルex】横文字を使っているだけで何となくスゴイex風ですが、多くの理学療法士はこの”インナーマッスルex”の指導をしながら不安を抱えていると思います。

もちろん効果が立証されているから世に出回っているし、話題にも上るんでしょう。

しかしそれを自分が使いこなせるかというのは話が別です。

まずは自分自身でやってみて効果を出す(自分が腰痛持ちでなくても腰痛持ちの同僚とかでもいいです)

そこからスタートしないとこれだけ地味で即時効果が得られない治療は『良くなるかもしれない』というところから抜け出せません。

このインナーマッスルexのあるあるに共感される方は是非、参考にしていただければと思います。

それでは今回も最後までご覧いただきまして本当にありがとうございました。