『失敗すればいいのに…』
『患者さんや上司から怒られればいいのに…』
何でもうまくこなす同僚にがいる人の中には、いつもその人の事を妬み、相手に不幸なことばかり起こることを期待している人がいます。
もしかしたらあなたもその人と同じように他人の成功が素直に喜べず、相手の失敗を期待していることはありませんか?
しかしそう思うことは絶対に悪いことではありません。
じゃなぜ人は相手の失敗を期待するのか?
そう期待し続けていいことはあるのか?
何となく良いことはないと感覚的にわかると思いますが、”人の成功を素直に喜べない”自分と決別しつつある私の考え方で今回はお伝えしていきたいと思います。
見出し
自分がうまくできなかったから
”人の成功を素直に喜べない”人の多くの原因として『自分がうまくできなかったから』ということが挙げられると思います。
自分も挑戦したが、うまくできなかった。
だからあの人も失敗してほしい…
あの人が成功したら私の失敗が際立ち、私のやり方が否定されることになる…
だからあいつも失敗すればいいのに!!
そしてその思いに乗じて相手が失敗すると、ほくそ笑んでしまうのです。
自分もできなかったんだからあの人に出来てたまるか。
自分の失敗は仕方がない失敗だったんだ!と自分を正当化してしまうんです。
性格が悪いのではない
しかし後からになって思い返すと…
『自分ってホント嫌な奴だ…』
『相手の成功も喜べないような小さい人間なんだ』
こんなことを思います。
すると自己嫌悪感を感じ、なおさら深い闇へと入り込む一つのきっかけになってしまいます。
しかし悪いのはあなたの性格ではないんです。
実は人に言わないだけで多くの人も”他人の成功を素直に喜べません”
自分がこれ以上傷つかないために
人は自分が出来なかったことで憔悴し、また相手が出来たことに対して怒りに似た感情が生まれます。
すると二重の苦しみを味わうことになるんです。
だから相手の失敗を望んでしまうような心理が働いてしまうのです。
自分の行いが否定される、うまくいかない…
こんな時に人間は平常心ではいられません。
人は自分を守ること、これ以上自分自身が傷つかないように相手の失敗を願い、相手の失敗を喜ぶようになってしまうのです。
相手の失敗を願い続ける末路とは…
ここまで来れば何となくわかるでしょうが、相手の失敗を常に願い続けると…
『努力しなくなり、相手が失敗するよう仕向けるようになります』
毎回勉強会やセミナーへ行っても治療技術が上がらず、うまくいかない日々があるとします。
しかしそれに対して勉強や練習をしていない人が結果を出したり、患者さんとうまくやっている人もいます。
そんなところに見ていると…
「勉強してもしなくていいんだ。勉強しなくて結果出す人もいるんだから」
「毎回高いお金払って効果ないんだから辞めよ」
しかしこうなるとお互いの差は広がる一方になり…
『なんであいつばっかりうまくいくんだ!』
『あいつも俺みたいに失敗すればいいのに』
と相手の足を引っ張るような気持ちが働いてきます。
すると先ほどお話ししたように…
『自分自身が努力することなく、さらに相手が失敗するよう仕向ける』ような行動をとることになります。
実際ここまで来るとなかなか厄介です。
ですが、大事なのはそれは性格の問題ではなく、あなたが自分自身を守る防衛反応という考え方だということなんです。
タイガー・ウッズの逸話
タイガー・ウッズをご存知ですか?名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?
最近ではめっきりテレビで見かけることが無くなりましたが、”ゴルフ界の生きる伝説”的な人物です。
彼には大変有名な逸話があります。
それは、大変驚くべきことです。
タイガー・ウッズは試合中、相手がパットを打つ瞬間に心の中で…
『入れ!』と叫ぶそうです。
…
普通、逆ですよね?
自分と一打一打を争う相手のパットを『入れ!』とは願わないですよね?
普通は「入るな!」「外れろ!」「遠くへ転がっていけ!」と願いたくなる所だと思います。
しかしタイガー・ウッズは違うんです。
脳は単語ごとにインプットされる
この話はグリーンベレーと言ってエリート兵士であった父の影響を強く受けていると言われています。
『最高の相手に勝ってこそ真の勝者である』
『ライバルの失敗によって勝者となる者は、真の勝者ではない』
という考えに基づいているようです。
しかしここでさらに付け加えたいのが『入れ!』という単語です。
脳は言葉を単語ごとにインプットしていきます。
そのため自分がパットを打つ前に相手のパットの時に「外れろ!」「入るな!」と心の中で叫ぶと…
その後の自分のパットにも直前にインプットした単語が作用される可能性があるからです。
だから相手の失敗を願うことは自分の失敗も招きかねないんです。
世の中が発展するために必要なこと
少し大きく言い過ぎかもしれませんが、この世の中が発展していくためには…
『自分以外の誰かのために』という思いを強くしていかないといけないと思っています。
物作りの職人でも大企業でも、自分の作る者が消費者の生活を向上させることによって世の中が発展してきます。
私たちセラピストも一緒です。
自分が治療を施すことで少しでも治療を受ける方が痛みない状態、治癒に向かう状態に導いていければその人の生活水準は高くなります。
だから「相手の失敗を願うことより先に目の前の患者さんに尽くす」ことが大事です。
実際には全く意識しないことは不可能ですが、相手の失敗を願うことで自分の心を痛め、また自分自身の失敗をも引き寄せていることを理解しておいた方がいいです。
まとめ
人の失敗を願う最大の原因は「できなかった自分」にある
「性格の問題」ではなく「防衛反応」
相手の失敗を願い続けると「努力を避け、失敗を仕向けるようになる」
脳は心で発した言葉もしっかりインプットしている
「相手」を意識するよりも「目の前の患者さん」を意識する
いかがだったでしょうか。
耳の痛い言葉かもしれませんが、誰もが経験する可能性のある話です。
この記事が少しでも多くの方に気付きを与えられる影響があれば嬉しく思います。
それでは今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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