以前…

肩甲骨って重要…肩甲胸郭関節と肩甲上腕関節の4つの違いからみる肩甲骨

ではリハビリでは肩甲骨、肩甲胸郭関節に 目を向ける重要性をお話ししました。

今回はその中でも…

前鋸筋に焦点を当てながら肩甲胸郭関節の動きを どうすれば促していけるか考えていきたいと思います。

興味のある方は是非読み進めてください。  

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前鋸筋の解剖

前鋸筋の起始停止とトリガーポイント 前鋸筋は肩甲骨と胸郭を結ぶ筋肉として とても重要な役割を担っていると感じています。  

前鋸筋の筋連結

・前鋸筋上方部において…

菱形筋、肩甲挙筋の両筋と筋連結しています。 これは肩甲骨自体の動き、または固定性にも寄与していると考えられています。

・前鋸筋下方部では…

外腹斜筋と筋連結しています。 そのため運動は体幹にまで及び肩甲骨と体幹を結ぶ重要な役割を担っています。  

前鋸筋の治療対象

前鋸筋は起始部から発生する筋束が…

10~11束に分類されており、その中でも…

前鋸筋下部線維(第4肋骨以下から起始し肩甲下角に停止する)が 最も触診しやすく、また上肢拳上の制限になります。

しかし…

今回注目したいのは肩甲骨下角周囲ではなく…

矢状面から上肢拳上の動きをよく観察すると…

肩甲骨は上肢拳上の最終域前に後傾運動を行います。

そのため肩甲胸郭関節における 肩甲骨上面が胸郭から離れる動き

要するに関節の遊びの中でも下角周囲はもとより… 上角周囲も重要になってくるわけです。    

 

Tippingという動き

ちょっと話は変わりますが肩関節内旋運動には…

Tippingという動きが重要だと言われています。

Tippingとは結帯動作時などに…

肩甲骨下角が浮き上がってくる状態のことを指します。

このTippingには肩甲胸郭関節の柔軟性はもとより、 結帯動作に必要な…

小胸筋の収縮と前鋸筋中・下部筋束の柔軟性も必要となり 結帯動作を完遂させます。  

Tippingの評価

Tippingの評価方法は簡単です。

患側を上にした側臥位で… 肩甲骨内側に手を入れるだけです

どれだけ手が入れば柔軟性良好で、 どれだけ入らなければ柔軟性不良という指標はありません。

しかし少なからず肩関節に障害を持っている方は 肩甲骨の柔軟性が低下している可能性があるため 評価しておくべき項目だと思います。

肩甲骨上角の柔軟性評価

最初にお話しした 上肢拳上における肩甲骨の後傾運動を確認するためにも Tippingを確認するときには肩甲骨下角だけに手を入れるのではなく、 少々手を入れにくい上角の方まで確認してすることをお勧めします。

そうすることでまた新たな治療対象を見つけることができるかもしれません。    

 

いかがだったでしょうか。

皆さんも側臥位で肩甲骨内側に手を入れて 柔軟性を確認したり、肩甲骨を動かしたりすると思います。

しかしそれがどんな意味をもち、実施することが どんな動作を改善するために必要か考えるために必要な知識になると思います。

臨床で生かしいける情報になれば嬉しいです。

最後まで読んでくださりありがとうございました。