前回の

圧痛点に効く!カウンターストレインの原理

ではカウンターストレインの起源とそのメカニズムについて学びました。

今回はそのカウンターストレインの圧痛点をとる方法と適応と禁忌までお伝えしたいと思います。

 

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カウンターストレインの実施方法

最も顕著な圧痛点を探す

1、まずは患者を中間位で楽な姿勢に保持したところで母指か指腹によりゆっくりと押圧し、体性機能障害と関連した圧痛点を見つける(1ヶ所でなく複数見つかる可能性もある)

2、圧痛点が複数ある場合においては原則として最も圧痛点が強く、近位部にあるものを優先的に治療対象とする。

3、治療対象とする圧痛点にNRSやペインスケールなどで指標を立てておく。

 

最も楽な姿勢にする

1、圧痛点のある部位を短縮位に持っていき、その周囲でも一番緊張の抜ける患者が一番楽な姿勢を探す。

2、そこで圧痛点を確認し、70~100%圧痛が軽減されていればそこを治療対象部位と肢位とする。

 

90秒間保持する

1、最も楽な姿勢で最も強い圧痛点を押圧し、90秒間保持する。(一度指を離してしまうと同部位への押圧が難しくなるため離さないようにする)

2、圧痛点を押圧しながら痛みレベルを患者に確認する。

(※ジョーンズ氏の文献によると90秒程度が最も効果的で適切な時間であるとされているが部位によっては120秒程度必要な部位もあるとされています。)

 

ゆっくりと姿勢を戻す

ここが最重要ポイント!

1、90秒間の押圧により患者もセラピストも組織の解放を感じられたら姿勢を中間位に戻すが、決して急いで戻さずに緊張が入らないようにゆっくりと姿勢を戻す。(この時に患者自身が自分で姿勢を戻そうとする筋収縮により効果が激減してしまうため要注意!

2、姿勢を戻してから再度圧痛点の痛みレベルを確認する。70~100%痛みが軽減していたらOK。

3、痛みの軽減が70%以下なら再度実施。しっかりと軽減されていたら後日再検査を行うか治療部位を変えて治療し、治療の効果判定を行う。

 

 

 

カウンターストレインの適応と禁忌

【適応】

・関節もしくは筋膜の起始停止の急性期から慢性期における体性機能障害

・体性機能障害から生じた全身性疾患など

 

【禁忌】

・リラックスポジションがとれない重症例

・ポジショニングによって損傷した部位を再度損傷させてしまう可能性があるもの

・動脈系や神経系がポジショニングによって悪化する可能性があるもの

・強度の脊椎変形があるもの

・痛みを認知できない場合

 

【相対禁忌】

・痛みの度合いを認知できない(痛みを認知できるがポジショニングの変化に痛みの変化を感じられないもの)

・セラピストの指示を理解できない者(乳幼児を含む)

・セラピストの指示を理解しようとしない者

・他部位に関節炎などを抱えている者(施術によって他部位でも悪影響が起こりそうなものは避ける)

 

 

基本的には禁忌、相対禁忌に当てはまらないものは治療対象になると考えていいと思います。

しっかりと効果を出すためにはまず最低限のルールと禁忌を守ることから始まります。

少しでもあなたの治療に生かされることを期待しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。