治療の方法や手技は会得するまでに数年から数十年かかると言われます。
自分の中では方法論や手技よりまずは情報を多く仕入れ、どんな場面においても患者さんを手技にあてはめずに一人一人あるであろう個別性を読み取ることに力を入れてきました。
そのためこのリハ局ではトリガーポイント以外はほとんど治療に関する情報だけ載せてきました。
しかし最近はどんな治療法が効果的ですかなどの質問が多いため今回は特別によく使わせてもらっている”カウンターストレイン”を紹介させていただこうと思います。
カウンターストレインの始まり
カウンターストレインはローレンスH.ジョーンズの提唱した手技であり、圧痛点に対して患者が最も楽な姿勢をとることで痛みを軽減させるテクニックである。
もともとこのカウンターストレインを発見した経緯はジョーンズ氏がある患者と一番痛みを感じない姿勢を探すことから始まったそうです。
患者はその姿勢をとり続けたあとゆっくりと元の姿勢に戻った時に全く痛みを感じない体になっていたということがのちのカウンターストレインのきっかけになったと言われています。
カウンターストレインの定義
カウンターストレインの定義は
”機能障害を継続的で異常なストレイン反射と考える診察と治療の体系であり、真逆の方向へ中程度のストレイン(張るや引っ張る)を加えることで異常なストレイン反射を抑制することができる。また圧痛点に対しては特定のポジショニングを維持することで望ましい治療結果を達成できる”
としています。
圧痛点を生み出すメカニズム
ここでは筋肉に圧痛点を形成する流れが一通りあります。
1、急激に筋肉が伸張される
2、筋肉が伸張されることにより筋膜の損傷を起こす
3、筋膜の損傷を最小限にするため損傷筋の収縮が起こる
4、そのため拮抗筋が伸張される
5、主動作筋の過剰収縮と拮抗筋の伸張により拮抗筋は異常反応による圧痛点を形成する
上記の説明は筋肉に急激な伸張刺激が入ったことが拮抗筋への圧痛点を形成する流れになっていますが、他にも長時間同じ姿勢をとってた後に急激に姿勢を戻す時も同じようなことが考えられます。
例えば…背もたれ椅子に猫背姿勢で腰かけていた姿勢から急に立ち上がろうとする行為
これは先ほどのメカニズムにあてはめると…
1、持続的に身体背部筋が伸張される
2、背部筋が伸張され筋膜の損傷を起こす
3、筋膜損傷を最小限にとどめるため背部筋の筋収縮が起こる
4、立ち上がった際に腹部筋が伸張される
5、背部筋の過剰収縮と腹部筋の伸張により、腹部筋に圧痛点が形成される
上記のような流れになり、治療対象は腹部筋の圧痛点になります。
カウンターストレインの目的
一言でいうと拮抗筋スパズムの解放でしょうか。
見た目上は関節の位置が正常に見えても拮抗筋は筋スパズム状態から抜け出せずに収縮状態が続いていればその拮抗筋が伸張されたときに痛みを生み出す原因になります。
そのため圧痛点を見つけ、それに対して筋スパズムの解放を試みることで悪循環を断ち切り、疼痛軽減を図るのがこのカウンターストレインの目的なのではないかと思っています。
それでは次回もカウンターストレインについて実施方法などをお伝えして行きたいと思うので楽しみにしておいていただきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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