自分の答えは”まだまだ理解できていません”
梨状筋といえば梨状筋症候群という診断名があったり、
患者さんからは押したらすごく痛気持ちいいからよく”ここ押してー”と言われたり…
でも調べていったら逆にどんどん分かんなくなってきます。
前回お伝えした…
ですけど、もう気づいてる方はいらっしゃるとは思いますが、
私は結構内臓との関係とかPTOTにはあんまり必要のないような知識を知るのが好きです。
好きというか知らないといけないなと思って勉強しています。
別に筋骨格系を極めたわけでもないのですが、
色々なセミナーに顔を出していると勉強しないと思ってきました。
今現在は臨床ですぐすぐ使える知識ではないのですが
問診などでは大いに役立っています。
かなり話が脱線したので梨状筋に話を戻します。
今回も梨状筋に絡めて内臓や解剖の話をしていきますので
興味がある方は是非読んでみてください!
梨状筋周囲の解剖
念のために梨状筋の解剖から載せておきます。
梨状筋の起始は
仙骨前面上方にある3つの前仙骨孔間周囲となっていますが、
この前仙骨孔には仙骨神経叢の神経が通っており、
梨状筋へのアプローチはこの仙骨神経叢へ間接的に影響が及びます。
骨盤帯での特徴
骨盤帯と梨状筋だけで見れば…
梨状筋は大坐骨切痕に重なっています。
そして大坐骨切痕を梨状筋上孔と梨状筋下孔に分けています。
梨状筋上孔 ⇒ 上殿神経、上殿動・静脈
梨状筋下孔 ⇒ 坐骨神経、坐骨神経伴走動脈、下殿神経、下殿動・静脈、陰部神経、内陰部動・静脈、後大腿皮神経
上孔、下孔にそれぞれが通過しています。
この時点でかなり複雑なことがわかると思います。
坐骨神経との関係
梨状筋と坐骨神経はよくセットで出てきます。
それは坐骨神経に対して梨状筋が上側に位置し、
圧迫することで症状を誘発する可能性があるからです。
また坐骨神経のルートはいくつか存在し、
通常梨状筋下にありますが、梨状筋内を貫通したり、
いくつかのルートがあると言われています。
ここで言いたいのは…
梨状筋は坐骨神経の上側に位置するのに対して、
大腿方形筋が坐骨神経の下側に位置することです。
これにより坐骨神経は柔軟性がある筋肉に守られているともいえますし、
逆に筋スパズムや筋の線維化などで
両方から圧迫を受ける可能性もあるため知っておくとよいかもしれません。
角度による役割
多くの方がすでに知っている情報かもしれませんが
知らない方のために記載しておきます。
梨状筋は股関節屈曲角度により役割、作用が変わります。
股関節屈曲60°以下 ⇒ 外旋筋
股関節屈曲60°以上 ⇒ 内旋筋
通常の股関節外旋のMMTでは座位でテストを行うため
股関節屈曲90°では梨状筋は内旋筋として扱われるため、
除外するなどいくつか注意することがあります。
梨状筋に刺激を入れる(筋収縮やストレッチ)場合は
十分に考慮して行わなければいけません。
内臓との関係
梨状筋の関連臓器は膀胱、S状結腸、直腸、子宮、卵巣、前立腺があります。
さきほど解剖のお話をした際も書きましたが
坐骨神経以外にも陰部神経や内陰部動・静脈など骨盤内臓器との関係性もあるため、
陰部神経痛はもとより骨盤内の血液循環不良が起これば
月経前症候群や骨盤底筋群弱化などによる腹圧性の尿失禁など起こす可能性もあります。
以前…
でも子宮について書きましたが、
梨状筋も生殖器や泌尿器系との関係性が非常に深いといわれています。
いかがだったでしょうか。
梨状筋は坐骨神経痛や股関節痛はもちろん、
内臓との関係性から起こる症状もあり、多種多様ですが
その分、大きな可能性を秘めている筋肉でもあります。
もっとたくさん知っている方もいらっしゃるでしょうが、今回は以上になります。
少しでもあなたの知らない情報があり、臨床に役立てたら嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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