今回のテーマであるスカルパ三角、覚えていますか?

筋肉と靭帯で作った三角形なんだけど、その筋肉なんだったけ?

確かその中を血管とかも通ってたっけ?

なんてことありませんか? 人はあまり重要でない事柄に関して忘れがちになります。

今回もう一度スカルパ三角について復習するついでにスカルパ三角由来の股関節痛について考え、ご紹介していきたいと思います。

これを読めばスカルパ三角についての理解が深まり、また臨床で股関節痛の方に出会った時に一つの引き出しとして治療に臨むことができると思います。

そして治療で効果を出すことができればそこからスカルパ三角についての理解が強固になり、忘れることはなくなるでしょう。

また後輩や実習生に教えてあげる際にも一歩踏み込んだ説明をしてあげるとよりわかりやすくなると思います。

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スカルパ三角の解剖

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画像引用(一部改変):Anatomography

スカルパ三角を構成する3つの組織

縫工筋』『長内転筋』『鼠径靭帯この3つです。

縫工筋の詳しい解剖学はこちら…

【縫工筋】解剖学と臨床で役立つ3つの特徴

長内転筋の詳しい解剖学はこちら…

【長内転筋】解剖学、3つのストレッチ方法と臨床で役立つ3つの特徴

スカルパ三角を通過する3つの組織

大腿動脈』『大腿静脈』『大腿神経この3つです。

国家試験なんかでもこのスカルパ三角の構成と通過する組織に関しては問われる可能性があるため覚えておいた方がいいと思います。  

そんなことで今回は… スカルパ三角周囲の解剖を見直して股関節痛を取りに行きましょう!  

 

股関節痛の鍵は大腿動脈関連!

今回はっきり言って伝えたいのは…

大腿動脈関連だけです!(まだまだ引き出しが少なくてすみません。)

元々脈管系は理学療法士や作業療法士はあまり対象とする 治療組織ではないのですぐに効果は期待できないかもしれません。

しかしまずは知識だけでも詰め込んでおきましょう。  

大腿動脈の流れ

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画像引用(一部改変):Anatomography

まずは大腿動脈に至る経緯までを簡単に説明していきます。

最初は脊柱の前面を通る 腹大動脈から発生します。

その腹大動脈はまず…外腸骨動脈内腸骨動脈とに分かれます。

その後、外腸骨動脈の延長が大腿動脈となります。

ここまでは大体、覚えていらっしゃる方も多いのではないかと思います。

そして股関節痛に関係してくるのはこの後です!

それは大腿動脈から分岐するもう一本の動脈!

それが…

大腿深動脈です!

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画像引用(一部改変):Anatomography

聞きなれない動脈名かもしれませんがこれが股関節痛と関係してくる重要な動脈なんです。

 

大腿深動脈とは…

この大腿深動脈は大腿動脈がスカルパ三角通過後に 大腿動脈から分岐したものになります。

さらにこの大腿深動脈は分岐を繰り返します。それが…

内側大腿回旋動脈外側大腿回旋動脈です。

内外側回旋

画像引用(一部改変):Anatomography

内側大腿回旋動脈は少し小さくて見にくいですが、後方に回っています。

外側大腿回旋動脈は股関節前方に2本になって分かれていますが、細かく言えば上行枝と下行枝に分かれていきます。

ここまでを一旦整理しましょう

腹大動脈

外腸骨動脈・内腸骨動脈

大腿動脈

     ↘

大腿深動脈・大腿動脈

       ↘

内側大腿回旋動脈・外側大腿回旋動脈

 

文章で説明すればこのような流れになります。

でもしっかりと記憶にとどめておきたい場合は図で覚えた方が覚えやすいかもしれませんね。

 

股関節痛の原因は…

これは先ほども説明しました…

内側大腿回旋動脈と外側大腿回旋動脈が股関節痛の原因となります。

それはこの二つの動脈が股関節への栄養血管となっているからです。

この股関節への栄養血管の流れが滞ると股関節痛へと発展する可能性があるわけです。

そのためこれも先ほど説明したように…

内側大腿回旋動脈  股関節後方

外側大腿回旋動脈  股関節前面

とそれぞれ役割を持っていることを理解することが必要です。

いくら股関節にアプローチしても良くならない場合はこの内外側大腿回旋動脈へのアプローチが股関節痛解消へのヒントになるかもしれません。

これは…

続・股関節痛に効果あり?スカルパ三角周囲の解剖

ここに続いていきますので是非ご覧になっていただきたいと思います。

 

いかがだったでしょうか。

今回は今まであまり馴染みのなかった知らない名称が多く出てきたのではないかと思います。

頭を整理し、また続編を読んでいただきたいと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。