前回のについて解説しました。

若干順番に違和感を感じるでしょうが、今回は”正中神経”に焦点を当てたいと思います。

(書こう!と思ったことを書くので申し訳ありません)

 

正中神経は腕神経叢を構成する中でも

最も大きな枝であり、そのため呈する症状も多彩です。

そんな正中神経を言葉のみの解説から

どのような症状を呈するのかというところまで見ていきたいと思います。

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正中神経のルート

始まりはC5~Th1神経根の腕神経叢内側・外側神経束から分岐しいています。

⇒ 内側・外側神経束として鎖骨下・小胸筋下を通過

⇒ 内側神経束の外側枝外側神経束の内側枝は腋窩神経を挟んで結合し、正中神経になる。

⇒ 上腕二頭筋の内側に沿って縦走(ここでは上腕動脈の外側)

⇒ 上腕中央部より遠位にて上腕動脈を上を乗り上げ交差する

⇒ その後、上腕動脈内側に沿って走行し、肘窩まで達する

⇒ 前腕に入ってからは上腕二頭筋腱膜の背側から円回内筋2頭(上腕頭・尺骨頭)間を通り、浅指屈筋腱弓の下に入る

⇒ 前腕表層筋である深指屈筋、長母趾屈筋間を通り、手関節では手根管を通過

⇒ 手掌に出た枝は掌枝と総掌側指神経に分かれる

ここで支配するのは以前手根管症候群の回でも説明しましたが、

母指球筋(母指対立筋、短母指外転筋、短母指屈筋浅頭)と

母指から第4指の縦半分までの感覚支配になります。

 

 

正中神経絞扼 3つのポイント

①円回内筋2頭間(円回内筋症候群)

②浅指屈筋腱弓下(前骨間神経麻痺)

③手根管部(手根管症候群)

これらが正中神経を絞扼する3つのポイントです。

 

手根管症候群に関しては前回説明したので詳細を省き、

今回は円回内筋症候群について解説していきます。

(前骨間神経麻痺はまた次回にさせていただきます)

 

 

円回内筋症候群

まずはじめに正中神経の95%は円回内筋上腕頭と尺骨頭間を貫いています。

ここでの正中神経の絞扼の症状としては…

罹患筋の運動麻痺による祈祷手

肘関節付近から前腕近位部までの疼痛

手掌側の母指から第4指縦半分までと手背側の同指指尖の知覚障害

が症状として現れるとされています。

 

近位での正中神経圧迫を起こす円回内筋症候群では

円回内筋はもちろん橈側手根屈筋、長掌筋、浅指屈筋、深指屈筋(示指・中指)の運動麻痺を引き起こし、祈祷手を呈します。

(祈祷手:上記の罹患筋で手指の屈曲が第4、5指でしか行えない状態)

 

また円回内筋症候群では円回内筋が正中神経支配であるが

比較的筋力は保たれていることから円回内筋部に一致した

圧痛や徒手抵抗をかけることで筋収縮による疼痛再現性を確認したりします。

 

そのため円回内筋症候群は円回内筋を酷使するスポーツ(野球など投てき種目)や

デスクワークをされる方にも多いとされています。

 

 

いかがだったでしょうか。

正中神経から円回内筋症候群まで少しは理解が深まりましたか?

解剖から確認しながら進めていくとやはり理解度が違うと思います。

次は前骨間神経について書いていこうと思いますので

是非次回も読んでいただきたいと思います。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。