変形性膝関節症などでリハビリにくる患者さんで膝の曲げ伸ばしがしにくくなったとか正座ができなくなったとかそんな患者さん多くないですか?
確かに変形も進んでるし、曲げない方が膝のためにいいのかな…なんて考えたことありませんか?
他にも…
- 手術して痛みは引いたけど全然曲がらなくなってる…
- 何かまだ曲がりそうなんだけど曲げると痛がるな…
- あの人の方がレントゲンでは変形が強いのに結構、膝が曲がるな…
なんてこと思ったことありませんか?
変形性膝関節症に限らず、膝の色々な疾患で曲げ伸ばしが制限されることは多々あります。
今回はこの“膝が曲がらない”ことに着目して3つの要因からみていきたいと思います。
これらを知れば…
- 曲がりそうになかった膝が少し曲げることができるようになった
- 膝を曲げた時の痛みが軽減できた
- 変形の強さに限らず、膝の屈曲を考えることができる
などの可能性があるため、あなたの膝関節をみる治療の幅を広げてくれます。
もし患者さんの“膝が曲がらない”ことに関して困っている方は是非読み進めていただきたいと思います。
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要因1 外側大腿筋間中隔
外側大腿筋間中隔は膝関節の屈筋と伸筋を隔てる膜になります。
要するにここでの滑走障害が膝関節の可動域制限に繋がります。
ここでの屈筋は大腿二頭筋になり、伸筋は外側広筋にあたります。
外側大腿筋間中隔における滑走障害を改善することで膝の曲がりが改善されるケースも多くあります。
要因2 膝関節筋
一般にというか養成校時代の学生でもあまり知ることのない筋肉の一つかと思います。
この膝関節筋は膝蓋上包と脂肪体との関係性が密接であるため小さい筋肉ではありますが膝関節の可動域に影響を及ぼします。
ここでの制限をなくすことで膝の曲がりを改善することも多くあります。
要因3 膝蓋骨の動き
我々が膝蓋骨を評価する時はおおよそ膝関節伸展位で膝蓋骨が上下左右に動くかを確認します。
もちろんこれもとても大事ですがこれでは前額面上での画一的な動きの評価しかできていません。
人の動きは平面上での動きではないため各方向からの動きをみることで動きの評価をしていきます。
ここでは膝関節が屈曲するに従い、
- 前額面上での膝蓋骨の外旋運動(屈曲130°で約7°外旋)
- 矢状面上での膝蓋骨の内旋運動(屈曲115°までに約11°内旋)
これらをみることでより膝蓋骨の制限を確認し、改善を図ることで膝の曲がりが改善されるケースもあります。
変形性膝関節症シリーズ 膝が曲がらない!こんな時に考える3つの要因は以下になります。
要因1 大腿二頭筋と外側広筋間の外側大腿筋間中隔による制限
要因2 膝関節前面の組織と繋がりのある膝関節筋による制限
要因3 動きの中での膝蓋骨の動きによる膝関節の制限
いかがだったでしょうか。
これら3つの要因が“膝の曲がり”を制限しているのかもしれないことは理解していただけましたか?
もちろん膝関節の変形や関節包内の動きの制限により曲がらないケースも多々あります。
しかし改善できる膝の屈曲があるなら積極的に評価して改善をさせていくべきケースも多くあります。
今回お伝えした内容が皆さんの臨床で生かされればとても嬉しく思います。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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