以前お話しした
では簡単にQLS(Quadri lateral space)部位での絞扼について述べました。
最近ではこのQLSでの絞扼をQLSS(Quadri lateral space syndrome)と呼ばれていたりします。
要するに肩関節後方の間隙での絞扼が症状として上腕外側部の痛みとして出現するのですが前回の記事を投稿してから臨床で疑問に感じたことがあり、また新たに考え直した部分がありますので、今回はこのQLSに関連した間隙について考えていきたいと思います。
ご興味ある方は是非読み進めていただきたいと思います。
QLS構成から内容物
以前の復習にもなるかもしれませんがQLSは肩関節後方の四角形の間隙で外側腋窩間隙とも呼ばれています。
画像引用(一部改変):Anatomography
一般的には大円筋、上腕骨(外科頚)、上腕三頭筋で構成(小円筋を含む場合も)され、肩甲骨を含むとの考え方も存在します。
そしてこのQLSを通過する内容物は腋窩神経と後上腕回旋動脈に加えて、後上腕回旋静脈と腋窩動脈、腋窩静脈になります。
ここで重要なのはこれも以前お話しした中にありました「収束投射説」の中で紹介しました“上外側上腕皮神経”になります。
上外側上腕皮神経はQLS部を腋窩神経として通過後に分枝として上行し、三角筋上の皮膚に分布します。
重要なのはここからです!!
以前…
でお話しした内容から自分で読み返しても納得できない部分がありました。
もう気づいていた方もいらっしゃるかもしれませんが、上外側上腕皮神経はQLS通過後に上行して三角筋上の皮膚に分布する…
ということはQLS部位より上に痛みを起こすわけで腕、上腕もしくは上腕外側の痛みと考えたら少しリンクしないような感じが納得できていませんでした。
そこで再考したので以下にお伝えします。
QLS直下の間隙
腕、上腕もしくは上腕外側の痛みと言ったらQLSSという流れが定着しつつある中でそのQLSの直下に存在する間隙、名称は特にあるか不明ですがこの間隙はとても重要になってくると考えています。
その間隙は大円筋の下で上腕三頭筋の長頭と外側頭の2頭が離れ、分離したおよそ三角形のような間隙になります。
画像引用(一部改変):Anatomography
そしてその間隙内には上腕深動脈と橈骨神経が通過しており、この橈骨神経からの分枝である下外側上腕皮神経が間隙通過後、上腕外側から肘関節周囲までの皮膚に分布しています。
これが腕、上腕もしくは上腕外側に至る痛みの原因の一つとなるのではないかと考えています。
もちろん前述したQLSでの絞扼による症状出現も間隙の狭さなどを考えれば十分に考えられます。
しかし臨床を経験しながら治療にうまく反映されない…自分の治療が的外れなのではないかと考えた時に原点に立ち返って解剖学を見直した時に新たな発見がありました。
皆さんもこれから臨床での経験が増えていく中で壁にぶち当たるときが毎日のように出てきます。
そんな時に少しでも力になれたら幸いですので是非臨床で生かしていってほしいなと願っています。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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