内閉鎖筋と言えば…

外旋六筋の中の一つの筋肉でしょ?とか

前回の【大腿方形筋】の時もそうでしたが、梨状筋以外の外旋六筋の特徴なんて答えられる人の方が少数派です。

もしかしたら基礎的な学習をしている養成校の一年生の方がこのマイナーな筋肉に関しては知っているかもしれません…

そんな内閉鎖筋ですが、調べてみれば色々な特徴を持っていることが分かり、これも重要な筋肉の一つであることが分かってきました。

是非、皆さんもこの内容を読んで内閉鎖筋に対する理解を深めてほしいと思います。

そこで今回も基礎的な解剖学の復習からストレッチ方法、そして臨床で役立つ3つの特徴について解説していきたいと思います。

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内閉鎖筋の解剖

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画像引用(一部改変):Anatomography

内閉鎖筋(obturator internus)
起始 寛骨内面(弓状線下)で閉鎖膜周囲
停止 大腿骨転子窩
作用 大腿骨外旋
神経支配 坐骨神経叢(L5~S3)

 

内閉鎖筋のストレッチ

※後日、掲載致します。

 

内閉鎖筋の特徴

特徴1 上・下双子筋との連携

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画像引用(一部改変):Anatomography

内閉鎖筋と上・下双子筋は似たような筋走行をしており、作用も大腿骨を外旋(股関節外旋)させるといった機能まで類似しています。

そんな内閉鎖筋と上・下双子筋は合わせて…

骨盤三頭筋と呼ばれています。

上腕三頭筋や下腿三頭筋はよく聞きますが、骨盤三頭筋はあまり耳にしないですよね。

でもこれらの三頭筋群は似たような作用を持つ筋肉同士の集まりで出来ています。

特別、骨盤三頭筋だから!〇〇だ!という特徴もないのですが、雑学程度に覚えておくといいかもしれません。

もちろん内閉鎖筋・上双子筋・下双子筋で構成される骨盤三頭筋が骨関節系以外にも関与することは後述していきたいと思います。

是非、骨盤三頭筋(内閉鎖筋・上双子筋・下双子筋)を覚えてください。

特徴2 起始部付近の特徴

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画像引用(一部改変):Anatomography

上記の【内閉鎖筋の解剖】では作用を【寛骨内面(弓状線下)で閉鎖膜周囲】となかなかややこしい表現で記載しました。

言い換えるなら”恥骨上下枝と坐骨枝周囲”でもいいかもしれません。

でもとにかく覚えにくい感じです…

ま、でも知ってほしいのはここからです。

ポイントは2つあります。

1つ目は…内閉鎖筋が閉鎖孔を取り巻いているということ。

これにより閉鎖孔を通過する閉鎖神経が内閉鎖筋の状態によっては圧迫を受けたりして閉鎖神経が支配する領域に機能異常を起こす可能性があります。

2つ目に…内閉鎖筋は小坐骨孔を通過し、その場所を埋めているということ。

まず小坐骨孔とは…仙結節靭帯と仙棘靭帯で構成される間隙でその中を内閉鎖筋と陰部神経、陰部動脈が通過します。

そのため内閉鎖筋の緊張(筋スパズムなど)によって陰部神経や陰部動脈を圧迫してしまう可能性があるということです。

これは次の特徴3に繋がっていきます。

特徴3 骨関節系よりも特徴的な…

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画像引用(一部改変):Anatomography

ここまで話せばわざわざ特徴3として挙げなくてもよさそうですが、一応解説していきたいと思います。

先ほども説明したように内閉鎖筋は仙結節靭帯と仙棘靭帯で構成される小坐骨孔を通過するため同じく小坐骨孔を通過する陰部神経と陰部動脈に影響する可能性があります。

この際に内閉鎖筋が何らかの機能異常や機能不全(筋スパズムや線維化)を起こすことで陰部神経・陰部動脈を圧迫してしまい、泌尿器系の問題へと発展します。

確かに内閉鎖筋は骨関節系の問題もありますが、どちらかというとこの泌尿器系の問題の方が重要なようで覚えておくべき一つの知識でもあります。

治療できる云々は抜きにして内閉鎖筋は泌尿器系の問題と密接な関係があることを知っておいてほしいと思います。

 

まとめ

特徴1 上・下双子筋と合わせて骨盤三頭筋と呼ばれる
特徴2 小坐骨孔を埋めている
特徴3 泌尿器系の治療には欠かせないようです。

 

いかがだったでしょうか。

後半はちょっと話が骨関節系より飛んでしまい、理解に苦しむ内容もあったかと思います。

普段、理学療法士として骨関節系を診ている人にとってはなかなか触れることがないところだとも思います。

一つの考え方だと思い、聞き流していただいてもいいかもしれません。

でも少なからず、勉強になる人もいると思うので今後ともこのような情報発信に努めていきたいと思います。

今回も最後までご覧くださいまして本当にありがとうございました。