示指伸筋と言えば…

示指を伸展させる筋肉でしょ!!とか

それ以外は…(思い浮かばない…)

示指伸筋と言っても示指の伸展以外に特徴を言える人はかなりの少数派だと思います。

でも臨床で生かすことが出来たら大きな武器になると思います!

そこで今回は示指伸筋の基礎的な解剖学の復習からストレッチ方法、そして臨床で役立つ3つの特徴について解説していきます。

是非これを読んで手関節もしくは示指伸筋の治療に生かしてほしいと思います。

SPONSORD LINK

示指伸筋の解剖

page1541

画像引用(一部改変):Anatomography

示指伸筋(extensor digitorum)
起始 前腕骨間膜、尺骨後面、尺側手根伸筋筋膜
停止 示指中節骨・末節骨底
作用 示指伸展、手関節背屈
神経支配 橈骨神経(C6~8)
トリガーポイント 前腕背側中央の遠位部
関連痛 手関節から手甲橈側付近

 

示指伸筋のストレッチ

※後日、掲載いたします。

 

示指伸筋の特徴

特徴1 第2指伸筋としての機能

ダウンロード (37)

画像引用(一部改変):Anatomography

示指伸筋と言えば、第2指(示指)を伸展させる筋肉として有名です。

むしろ名称からしてこの機能がメインになることは容易に想像できます。

(ちなみに前腕に起始を持つのでもちろん手関節背屈にも作用しますよ)

しかし示指伸筋だけが第2指を伸展させるわけではありません

それは、総指伸筋も手指・示指の伸展に関わるからです。

この【総指伸筋】は上腕骨外側上顆に繋がり、外側上顆炎を起こすことでも解説しましたが、基本的には指の伸展筋であると言われています。

だから筋出力でいえば…

1、総指伸筋

2、示指伸筋

となるのではないかと思います。

総指伸筋の方が筋ボリュームも筋のレバーアームも長く、働きやすいからだと認識しています。

そんな第2指を伸展させる示指伸筋と総指伸筋ですが、実は密接な繋がりがあります。

それは…

伸筋支帯下で同じ区画で通過するということです。

今までも伸筋支帯の直下を通過する6つの区画(腱鞘部位)について解説してきましたが、今回も必要なため解説していきます。

まずはこの6つの区画をすべてご紹介します。

・第1区画 ⇒ 短母指伸筋、長母指外転筋

・第2区画 ⇒ 短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋

・第3区画 ⇒ 長母指伸筋

・第4区画 ⇒ 示指伸筋、総指伸筋

・第5区画 ⇒ 小指伸筋

・第6区画 ⇒ 尺側手根伸筋

第1区画(母指側)~第6区画(小指側)とこのような配置になっています。

当然今回注目すべきは…第4区画になるのですが、他の区画との大きな違いがあります。それは…

区画内を走る腱の数が最多(5本)であるということ

理由はすぐにわかると思います。

それは、総指伸筋腱が4本独立して存在しているからです。

この第4区画で伸筋支帯の下を通過する際は既に4指それぞれに伸びる腱に独立しており、それぞれ単独の腱として存在しています。

そのため区画内最多の腱数を誇り、もちろん区画(腱鞘)の大きさも最大です。

ということは…

それだけで腱鞘内内圧の高まりや摩擦、外力を受ける可能性など様々な要素で疼痛を誘発するような原因が多くなるとも言えます。

是非、第4区画は区画内最大の腱数であり、大きさも最大であることを理解しておいてください。

特徴2 前腕骨間膜との関係

ダウンロード (38)

画像引用(一部改変):Anatomography

これは骨間膜に起始を持つ筋肉なら全ての筋肉に対して言えることでもあります。

前腕部、そして下腿部の特徴的な構造として知られている骨間膜構造

これは2本の骨を繋ぎ、張力を保ちながら筋肉の起始を務めたり、可動域や可動する際の張力を保つ重要な役割を担っています。

そんな骨間膜は骨折などで連続性が保たれていなかったり、張力が落ちてしまうと骨間膜を起始とする筋肉の出力に影響を及ぼします。

簡単に言えば、筋出力が低下します。

すると本来筋肉が持っているパフォーマンスを最大限に発揮することが難しくなります。

それを筋力低下と混同される場合があるので注意しましょう!

 

また骨間膜は前腕部と下腿部で大きく異なる点もあります。

それは関節運動する際の自由度の差です。

簡単に言えば…

・前腕骨間膜 ⇒ 回内・回外運動に関与

・下腿骨間膜 ⇒ ほぼ運動なし

もちろん下腿部は腓骨や拳上・下制、若干の回旋運動を伴うこともありますが、前腕の回内・回外の比ではありません。

そのため逆に言えば、前腕部の骨間膜はそれだけ大きく動く分、短縮などを起こすと組織の解剖的性質上、前腕回外を制限することになります。

だから是非、前腕部の回外制限がある場合は、筋肉や関節、靭帯だけにとらわれることなく、”骨間膜”という制限因子があることも理解してほしいと思います。

特徴3 手背の痛みとの関係

ダウンロード (37) - コピー

画像引用(一部改変):Anatomography

手関節背側の痛みと言えば、真っ先に挙げられるのが”腱鞘炎”

他にも様々な疾患がありますが、手関節背屈筋・手指伸筋を酷使することによる炎症疾患で当然疼痛を伴います。

そんな”腱鞘炎”による手背の痛み、実は…

示指伸筋の関連痛も同様に手背の痛みを引き起こします!

そのため問診で手背の痛みを訴える場合は必ず、圧痛も確認してください!

・腱鞘炎の場合 ⇒ 疼痛部位に圧痛あり

・関連痛の場合 ⇒ 疼痛部位に圧痛なし

関連痛の場合にも手関節背側の感度が向上している可能性があるため、全く圧痛が無いわけではありませんが…

・圧痛部位に再現性がない

・微妙な圧痛所見(痛いような、痛くないよう)

こんな訴えの時は、示指伸筋のトリガーポイントを刺激して関連痛が起こるか検証してみる必要があります。

是非、”手背の痛み”をみる際の一つの参考にしていただきたいと思います。

 

まとめ

特徴1 示指伸筋が通る区画は腱数、大きさ共に最大
特徴2 骨間膜の張力があってこその示指伸筋
特徴3 示指伸筋の関連痛は手背まで及ぶ

 

いかがだったでしょうか。

示指伸筋と言えば、第2指を伸ばすという役割以外思い浮かばなかった人にとってはとても有益な情報であったのではないかと思います。

是非、少しでも”これ、使えそう!”と思ったら臨床で生かしてほしいと思います。

今回も最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。