烏口腕筋…

肩関節疾患をみる機会のある方なら多少なりとも

興味をもってみているかもしれません…

 

しかし多くの方は見逃しがちな筋肉である

ということもまた事実…

 

何を隠そう、私自身がそうだから…

 

烏口腕筋には悪いけどハッキリ言って

ちょっとマイナー過ぎる筋肉…

 

だけど肩関節疾患の方をよくよくみていくと

『あれ?結構大事なんじゃね?』

 

更に調べていくと、

『結構大事なんじゃなくて、本当に大事だな…』

 

という事でこの記事を読んでくださっている

あなたにもこの内容を共有したい!

 

もちろんこれを知っているから、

肩関節疾患はもう完璧だ!

なんてことはまずない…

 

だけど知っていることで思考の幅や治療の幅を

広げる事は出来る。

 

是非、あなたも肩関節疾患の患者さんに

悩んでいたら今回の記事は参考にしてほしい。

 

解剖を知る事は治療の入口に立つこと。

肩関節疾患だけでなく、肘・手関節と繋がる

重要なポイントになるので是非読み進めてほしい

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烏口腕筋の動画

基本的に烏口突起の解剖から入ります。

 

起始・停止に烏口突起を介しての

烏口鎖骨靭帯メカニズムとの関係性…

 

そして注目は1:08付近~

烏口腕筋の中を筋皮神経が通過する場面!

 

これご存知でしたか?

学生時代に習ったことあるかもしれませんが、

臨床に出ると忘れてしまったのではないかと

思います。

(何を隠そう…私が忘れてました…2度目)

 

これ結構重要!…みたいです。。。

元々筋皮神経は腕神経叢の一部(外側神経束)の

運動・感覚両神経を持つ混合神経。

C5,6神経が起源となっている。

 

基本的に筋皮神経がよく知られているのは

上腕を下方に走行中に、

上腕二頭筋と上腕筋間を通るという事。

 

しかしその前に烏口腕筋の筋腹自体を

通過してきているんです。

 

烏口腕筋を通過する筋皮神経!

その場所が詳しく分かるのが2:18~

これをみて瞬時にわかるようにこの

筋皮神経が烏口腕筋内を通過する場所は

烏口突起から約3~8cm

 

何だか幅が広いように感じますが、

全ての方の身体が同じではないと思えば

それほど気にはならないか…

 

しかしこれは是非知っておくべきです。

何故ならそれが即治療へと繋がっていくから。

 

肩関節系のセミナーへ行くと、

従来通りの肩関節周囲炎の痛みの中に

この烏口腕筋の関連した筋皮神経由来の

肩関節痛の存在があることをよく指南されます

 

これはこの動画が表しているように

もちろん神経由来の痛みであるなら、

頚部も関わってきますが、このような

解剖を知っていることで筋皮神経の出口自体に

神経モビライゼーション?

神経マニュピレーション?

どちらが呼び名が正しいのか、

アプローチすることが可能になります。

 

筋皮神経の周りは密集地帯!

注目すべきは腋窩!

筋皮神経が烏口腕筋の中に入っていく前には

神経・脈管系の密集地帯があります。

 

その中でも筋皮神経はほぼ真ん中に位置する。

基本的に筋皮神経は腋窩動脈の外側を並走。

そしてその前には正中神経、

さらに後ろには橈骨神経と、

完全なる渋滞状態!

 

これを見るだけでも腋窩でのトラブルの多さ

想像しやすいですよね…

 

まぁもちろん肩関節疾患のトラブルが

全てそこではない事は分かっています。

 

しかしこの事実を知っているからこそ

より慎重にこの部分を注視することができます。

 

筋皮神経の真の機能は…

しかしよく思い返してほしいのですが…

筋皮神経は主に前腕の屈曲・回外運動に作用する

ということ。

 

今まで肩関節にフォーカスしてきましたが、

筋皮神経が麻痺を起こすと、まず前腕に

機能障害が起きます。

 

それはもちろん上腕二頭筋と上腕筋の

神経支配をしているから。

(烏口腕筋も忘れずに…)

 

だから筋皮神経の機能障害を疑うのであれば

肩・肘の両方をみないといけない!

 

これは覚えておいた方がいいです。

どちらか一方だけの知識しかなければ

しっかりとした鑑別診断は出来ません。

 

必ず両方が症状として出るわけではありませんが

少なからず、肩・肘両方に関係のある神経である

という理解は必要です。

 

 

まとめ

・筋皮神経は烏口腕筋の中を貫通している

(烏口突起から約3~8cm下)

 

・筋皮神経の横には腋窩動脈、前には正中神経

後ろには橈骨神経と密集している

 

・筋皮神経の本来の機能は、前腕の屈曲・回外

 

いかがでしょうか。

烏口腕筋を貫通する筋皮神経!

しかしこのトピックスだけにとらわれていたら、

本来の筋皮神経・烏口腕筋の

役割を見誤ってしまいます。

 

だからこの情報は一つの参考にしてください。

あなたの知っている肩関節の知識にプラスして

あげるだけであなた自身がグレードアップ

する事ができます。

 

すぐ治療効果が爆発的に上がる!

と言うわけではありませんが、知っておくことで

あなた自身の幅を広げてくれますよ。

 

ということは今回はここまでです。

 

今回も最後までお付き合いいただき、

本当にありがとうございました。