これはあんまり紹介したくないんですが…
せっかくここまで心理学シリーズみたいなのが続いてきてるし、紹介するならここしかないなぁと思って紹介します。
もちろんこれも例を出しながら共感していただけるような内容にするんですが、人によっては以前のことを思い出し、苛立ちを覚える可能性もあります。
心して読んでいただければと思います。
是非、これを『あぁ俺もこんな騙され方したな…』『あの時の違和感はこのせいだったのか』と思っていただき、できれば…
活用せずに、逆に騙されないように注意していただければいいかなと思っています。
”活用せず”ですよ…全く使うな!とは言いませんが、相手を不快にさせてしまう可能性が非常に高いので十分、気を付けて使うか、使わない方が無難だと思いますので、そこを注意しながら勉強してもらえればと思います。
見出し
ある意味、強力な心理テクニックとは…
さぁではこの心理テクニックの名称ですが、それは…
【ローボールテクニック】といいます。
何となく意味は分かりますよね?
低い球?そう要するにハードルが低いお願いをするということです。
『あれ?それってどこかで聞いたような…』
そうです!比較的、応じてもらいやすい要求から始めてどんどん高い要求をしていくテクニックありましたよね?
【フット・イン・ザ・ドア】テクニックです。
しかし…
この二つは最初は似ているようですが、最終的には違う心理テクニックとなるんです。
フット・イン・ザ・ドアテクニック
【フット・イン・ザ・ドアテクニック】は最初は簡単なお願いからして、それを了承してくれたらその次に先ほどより高い要求(高度なお願い)をすることで、人間の一貫性の原理を応用して受け入れてもらうようにするテクニックのことです。
しかしローボールテクニックはちょっと違います。
ローボールテクニックとは…
【ローボールテクニック】はフット・イン・ザ・ドアテクニックと同様、最初に簡単なお願いをして了承を得ます。
それから先はもうすでに決定事項としてそれに付随する他の内容を後付けで報告するやり方です。
一貫性の原理をついているといえば、うまくついています。
要するに相手は一度要求をのんでいる時点で断りづらい環境にいるわけです。
そこで後から色々と報告されてもなかなか反論したり、断ったりすることができないのが、人間の本質を突いているんです。
では少しわかりづらいので例を挙げましょう。
家電量販店での例
販売員 「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」
あなた 「パソコンを探してるんですけどいいのありますか?予算150,000円でスペックが割といい最新型のやつとか…」
販売員 「そうですか。それでしたらこのモデルなんかいかがでしょう。(149,800円でスペックまぁまぁの最新型)」
あなた 「いいですねぇ。これにしようかな。」
販売員 「お客様、少しお待ちください。今ちょうどパソコンがキャンペーン中ですのでここからさらに20,000円引きさせていただきます。」
あなた 「じゃ129,800円!?いいですね、もう買いますよ!」
販売員 「お買い上げ、ありがとうございます。特典としてマウスパッドもお付けいたしますね。」
あなた 「えっ!?ありがとうございます!(うわぁ今日来てよかった。得したわぁ♪)」
お会計…
販売員 「ではお客様、パソコンの方が129,800円になりますが、こちら保証がついておりませんので+10,000円でお付けいたしますね。あとマウスも別売りになっておりまして3,000円。最後にウイルスセキュリティも10,000円になりますので…合計152,800円になります」
あなた 「えっ?それつけないとダメですか?」
販売員 「パソコンは故障が多い商品ですので、入っておく方が無難ですし、マウスもできればあった方がいいかと…またウイルスセキュリティももしパソコンが感染してしまった場合、また有償になるため入れておく方がよろしいかと…」
あなた 「わかりました…(結局、予算オーバーしてるし…)」
これがローボールテクニックです。
最初は値引きされて喜んでいましたが、結局最後は色々な付属品などがついてきて予算をオーバーしました。
確かに買うためのハードルは低くなっていいのですが、何となく後味悪いですよね?
これなんです。あまり紹介したくない理由は…
じゃ実際に私が働いている整形外科クリニックでよくある例を出してみますね。
整形外科クリニックでよくある例
〇〇さんは腰痛で診察を受け、今回が3回目の来院。
前回の2回目の来院ではブロック注射を受けたが、痛みはあまり変わらないため、その報告に来院した。
医師 「〇〇さん、腰の痛みはどうですか?」
〇〇さん 「あんまり変わらないですねぇ、もう他に方法はないんですかねぇ」
医師 「じゃリハビリしてみましょうか」
〇〇さん 「リハビリですか…わかりました。」
医師 「じゃ早速、今日からリハビリしていってください。」
〇〇さん 「先生、リハビリって一回いくらくらいかかるんですか?」
医師 「あぁ1,000円もしませんよ?700円くらいだったかな?」
〇〇さん 「わかりました。」
リハビリ室…
担当PT 「〇〇さん、本日担当させていただく××といいます。よろしくお願いします。」
〇〇さん 「よろしくお願いします。」
担当PT 「では早速、リハビリを始めていきたいと思うんですが、その前に今の〇〇さんの状態を知るために色々お聞かせください。その内容をこの総合実施計画書にまとめて最後に説明してお渡しいたしますね。」
〇〇さん 「はい。」
…と、色々あってリハビリ終了。
お会計…
会計担当 「〇〇さん!お会計〇,〇〇〇円になります」
〇〇さん 「えっ!?先生は700円程度って言ってたんですが…」
会計担当 「それはリハビリを受けたときの料金になりますね。こちらは再診料と先ほどリハビリの時に頂いたと思います総合実施計画書を含んだ料金になっております。」
〇〇さん 「あぁそうなんですか…(渋々)」
会計担当 「お大事に」
これよくないですか?
医師や看護師・理学療法士にリハビリの値段聞いたら数百円だと言われたのに会計ではそれ以上に取られたという話。
もちろん病院にいたら総合実施計画書の算定や単位の変更で料金が変更されることは誰もが知っています。
しかし患者さんからしたら寝耳に水のような状態です。
これでは次以降、リハビリに来るのに少しためらいをもってもおかしくはありませんよね。
こんなケースも実際にはよくあるんです。
もちろん騙すつもりはありませんが、ローボールテクニックのような使い方になっていることは知っておいてください。
まとめ
ある意味強力なローボールテクニック
フット・イン・ザ・ドアテクニックと似ている
ローボールテクニックを使われた方はあまりいい気がしない
多用し過ぎは注意が必要
いかがだったでしょうか。
私があまり紹介したくないという気持ちが何となくわかりましたか?
まぁ気持ちよくないテクニックではありますが、非常に強力であることは確かです。
そのため、使用するときには十分リスクも考慮したうえで使ってくださいね。
それでは今回も最後までご覧いただきまして本当にありがとうございました。
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