「たった3分で腰痛を取る方法」
「椎間板ヘルニアの痛みをあっという間に改善させる方法」
「手関節を操作するだけで腰痛を治す」
理学療法士のあなたはこんな謳い文句を見たらどんな感想を持ちますか?
『絶対、嘘や…』
『めっちゃ怪しい…』
『そんなことできたら苦労せんわ…』
私も同じようなことを思います。
だけどこの手の誘い文句に乗ってしまう人はいるんです。
いやもちろんこの手の誘い文句が全て噓だとはいいません。
ちゃんとしたエビデンスをもって、それを教えている人もいるかもしれませんし、受講する側からとっても有益な情報が得られたらそれはそれでWIN-WINの関係性が確立されている可能性があるからです。
でもこの類の『えっ?これホント?』と思うようなことでも信じてしまう人はどんなテクニックにはまっているのでしょう。
それが今回ご紹介する【認知的不協和】という心理テクニックです。
少し分かりやすい事例も含めて紹介していきたいと思いますので、
・認知的不協和についてもっと知りたい!
・認知的不協和の事例についてもっともっと知りたい!
という方は是非このまま続きを読んでいただければと思います。
見出し
認知的不協和とは…
自分がこれまで経験してきた中で培われた常識や信念などとは全く別の見解を示されたときに生じる矛盾を解決しようとする行動のことを認知的不協和といいます。
冒頭に話した理学療法士によくありそうな話のほかにも私たちが住む日常にはたくさんの認知的不協和が存在しています。例えば…
「たった2週間で-8.5㎏のダイエットが可能!」
「一日30分の作業で月30万稼ぐ方法!」
「たった8万円で外車を手に入れる方法!」
あるかないかは別としてこんな感じの広告を見たことありませんか?
これも私たちの常識からいけば…
『1㎏痩せるだけでも必死なのにたった2週間で8.5㎏は無理やろ!』
『毎日8時間以上働いても30万ももらえないのにたった30分で30万なんて無理無理!』
『外車って普通高いよね…8万円の外車って怪しい…』
こんなことを想像すると思います。というかこの思考が至って普通、正常です。
実際私たちは今の生活(自分の居心地がいい場所)から離れたくはありません。
だから新しいことを始めるには勇気もいりますし、リスクも伴います。
そのため今の自分の生活が最良であることの意味付けをするんです。
『もし仮に8.5㎏痩せても体がダメになるようなハードなことをしたり、リバウンドするようなことがあっちゃいけないからやめておこう』
『30分で30万なんてきっと違法性の高いことに違いない…そんなこと病院にバレてクビにでもなれば本末転倒だ…こんなリスクの高そうなことはやめておこう…』
『普通8万なら軽の中古すら買えない!絶対粗悪な商品で故障することが目に見えてる!絶対買ってはダメだ!』
こんな感じに意味づけして結局は自分に心理的負担、ストレスがかからないように自分自身を説得しているんです。
しかしもしこれが…
「あのミランダ・カーが実践!ある食材を朝食に食べるだけでデトックス効果が倍増し、2週間で-8.5㎏のダイエットを達成する方法!」
「あなたはJV(ジョイントベンチャー)をご存知ですか?理学療法士であるあなたの専門知識を生かしてビジネスを行うことができます。業務時間外に一日30分の作業で月収30万円を達成したコンサル生を多数輩出!」
「理学療法士の価値は自動車産業でも応用可能!あなたの知識を応用すれば…実際に新車の外車がたった8万円で手に入れることができます!」
ちょっと大袈裟に書きましたが、これだとちょっと信じそうになりませんか?(実際の話ではないので、悪しからず…)
相手の常識を突き破り、説得できればビジネスになる
こんなことはよくある話だそうです。
要するに相手が持つ情報よりも多くの情報、真新しい情報を与えることで相手を揺さぶり、そして相手がその認知的不協和を乗り越えて、行動に移すことになればそれは立派なビジネスになります。
だから書き手の人や物を売る人なんかはこの手の誘い文句が非常に上手いです。
『怪しいな…』と最初は思っていても、やけに具体的であったり、信憑性があると…
『本当かな?でも本当ならすごいな…』『ちょっとやってみたいな…』となるわけです。
もう少し理学療法士寄りの具体例を出してみましょう。
独立開業!
野心のある理学療法士なら一度は考えたことがあるでしょう。
独立開業
最近では結構多くなってきましたし、理学療法士協会も理学療法士の開業に関して記事を投稿して見解を述べたりしてしています。
まぁ実際には多くの壁があるとは思います。(私自身が実際に開業していないということは先に伝えておきます)
しかしなぜ皆さん開業しないと思いますか?
それはおそらくこんなことが頭の中で駆け巡っていると思います。
『開業するには資金が足りない』
『治療のほかに内科的な知識が足りない』
『人を集客するようなホームページを持っていない』
このように挙げればキリがないです。分かりますか?
理想『開業したい』
現実『開業するには様々な知識が必要』
↓
認知的不協和が起こる
↓
『まだ自分は知識不足。失敗してはいけないからもう少し勉強してからにしよう』
このように自分自身の考えに意味付けして
『開業したいけど出来ない理由』を挙げ続けることで今の自分の生活を正当化し、身を守っているんです。
まぁ悪い考え方だとは言いませんが、これでは全く前に進まない人もいるので、少し考えものですね。
まとめ
これまでの考え方との相違が生じた場合に起こす行動を認知的不協和という
よくビジネスの世界では使用されている
理学療法士も例外なく当てはまる
いかがだったでしょうか。
ビジネスの世界ではこの認知的不協和を使って、わざと対象者の脳を混乱させ、説得するような手法を取ることが行われています。
私たちがよくみる広告にも色々な意味が隠されていることを考えながらみると身の回りにあるものも勉強になると思いますよ。
それでは今回も最後までご覧いただきまして本当にありがとうございました。
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