あなたは何事においても自分の意見を持っていますか?

また何があってもその自分の意見を押し通せる気持ちの強さと根拠はありますか?

今回ご紹介する心理テクニックは、【アッシュの同調効果】です。

ほとんどの方は聞いたことがない心理テクニックだと思いますが、例え話を聞けば、『確かに…』 『自分もそうかも…』と思われるかもしれません。

それくらい日常に即しているテクニックだということ。

しかし使い方によってはちょっと困難な使い方もあります。

ですが、これを知っておくと相手をあなたと同調させるようにコントロールすることも可能かも知れません。

是非、『そんな方法があるなら知りたい!』とか『自分に同調してくれる人を探してた!』という方は読んでいただきたいと思います。

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アッシュの同調効果とは…

自分の中に答えを持っていながら、周りの人の大多数が自分とは異なる答えを出したときにその答えに同調してしまうことを言います。

これはアメリカの心理学者アッシュが行った実験で証明されています。

既に多くの人が紹介していますが、簡単に解説します。

7人の学生を対象にある質問をしました。

それは『同じ線の長さを持ったカードを選べ』という簡単なものです。

1枚基準の線が書いてあるカードを見せてから、あとに3枚異なった長さの線が書いてあるカードを見せます。

もちろん3枚のうち1枚は基準の線と同じ長さのカードがあります。

そしてカードを選んでもらうんです。

その結果は…

1人しかいない環境で選んだ時の正解率は…ほぼ100%

当たり前ですよね。

ただ同じ長さの線が書いているカードを選ぶだけですから。

しかし、問題はここからなんです。

7人が同時に答えるとき、自分以外の6人がカードに書かれている線の長さが【基準とは異なる】カードを選んだ時、どうなるか。その正解率は…

70%を下回ったそうです。

30%以上は『これは違うだろう』と思いながらも周りの人に同調する結果になったんです。

これが【アッシュの同調効果】です。

よくよく考えると怖い…

もちろん7人中の6人はサクラです。

しかし実際はこの6人につられて答えを変える人が30%いるということ。

これがもし悪徳商法とかなら、怖くないですか…

大勢の人がいる会場で、バカ高い商品を周りのみんなが欲しがると…

『これってそんなにいい商品なのかな…』

『こんなに多くの人が買おうとしているし、私も買っとかなくちゃ損かも…』

これでお買い上げしてしまうと、まんまと騙された格好になってしまいます。

 

これも人間の習性を利用しています…

バイアスって聞いたことありますか?

簡単に言うと、【偏り】です。

人は集団になると考えが偏ってしまうんです。

偏るというと、先ほど言ったように『自分の意見があっても主張できなくなる』ということなんです。

要するに、その集団の中で孤立するのが怖いんです。

クラスの中で一人ぼっちって嫌じゃないですか?

職場で一人ぼっちで誰とも話ができないなんて苦痛じゃないですか?

もちろん、「俺は一人でも平気だね!」という人もいます。

全ての人が当てはまるわけじゃありません。

しかし多くの人が、大きな集団の中では自己を抑えながら参加していることがあります。

これは人間の習性なんです。

多くの人は空気を読むことがうまいです。

しかしその空気を読むうまさに長けていることが仇になっていることがあります。

本当は自分がしたいと思っていることと別のことをしないといけないときもありますから。

必ずしもこの【バイアス】から抜け出すことが重要だといいませんが、この【バイアス】にコントロールされないようにもしてほしいです。

 

リハビリ室ではいい活用方法をしよう!

ではちょっと話を戻して…

理学療法士ならこの【アッシュの同調効果】をうまく使いましょう!

さて、あなたは就職前の事前見学をいくつ回ったことがありますか?

私は4つほど病院を回って就職してからも複数の病院の仕事中の様子を見てきました。

たくさんの病院を見ているととても面白いものです。とても勉強になります。

いくつかその特徴をあげます。

・【患者さんと理学療法士が楽し気に話してリハビリしている】

・【患者さんが率先してトレーニングしている】

・【患者さんと理学療法士間の話はあまりなく、とにかく時間を気にしている理学療法士】

少しだけ補足します。

 

・【患者さんと理学療法士が楽し気に話してリハビリしている】

 ⇒ ほとんどのリハビリは床上で、患者さんが受け身のリハビリをしている

 

・【患者さんが率先してトレーニングしている】

 ⇒ 床上のリハビリは必要最低限でそれ以外は患者さん自身で理学療法の指示に従い、トレーニングにいそしんでいる

 

・【患者さんと理学療法士間の話はあまりなく、とにかく時間を気にしている理学療法士】

 ⇒ 1単位20分で切り上げ、次の患者さんに遅れない。それだけを意識して患者さんをこなしている

 

どれが良くて、どれが悪いとかは関係ありません。

しかしその場の雰囲気が全体に広がっているのは感じました

これは一種の【アッシュの同調効果】が反映されていると思います。

一人だけベラベラ喋る人がいる職場はないし、一人だけ患者さんに自主トレばっかりさせる人はいないし、一人だけ時間を無視してリハビリをし続ける人もいません。

どこかにその雰囲気に任せて自分を同調している光景が見えます。

あなたはどんな職場で働きたいですか?

今の職場をそんな風に変えることができそうですか?

是非、雰囲気作りから変えるとみんなの意識も変わってくると思いますよ。

 

まとめ

周りの皆に流されてしまう…アッシュの同調効果
人は集団の中で偏った考えをするのが怖い
やりたいリハビリはまずリハ室の雰囲気作りから!

 

いかがだったでしょうか。

アッシュの同調効果…『確かに自分も周りに流されたことあったかも…』そう思った方もいらっしゃると思います。

それはあなたが悪いんじゃありません。

そういう原理が働いただけです。

逆に言えばその原理を使って人をコントロールすることも可能ですよ。

では今回も最後までご覧いただき本当にありがとうございました。