前回の
に引き続き、今回は続編をお伝えしていきたいと思います。
まずその前に前回のおさらいをしておいていただきたいと思います。
前回はスカルパ三角のお話から入りましたが、
臨床では本当に股関節疾患が増えてきているように感じます。
以前は生活習慣の違いなどから…
日本人は膝関節痛が多く、欧米人は股関節痛が多いとされてきました。
しかし最近では食事や生活習慣の欧米化もあってか
日本人にも股関節痛を訴える方が多いように感じます。
そんな股関節痛、今回は前回からの続きをご説明していきます。
内側大腿回旋動脈
先に結論からお伝えすると
股関節痛を起こす一つの要因として考えられるのが…
内側大腿回旋動脈です。
前回も簡単に説明しました
内側大腿回旋動脈は大腿骨頭後方と内転筋群の栄養血管になっています。
(ちなみに外側大腿回旋動脈は大腿骨頭前方の他に大腿骨頚部、大転子に関与します)
問題は解剖学にあった!
全てはこれで集約されます。
一番初めの腹大動脈から外腸骨動脈に分岐後、
血管は腸腰筋前面を走り、大腿動脈として鼠径靭帯の下を通ります。
厳密に言うと鼠径靭帯を通る際、
腸腰筋と大腿動脈は腸恥筋膜弓で隔てられて、違う区画に属しています。
その後、大腿動脈→大腿深動脈→内側大腿回旋動脈になったあと
股関節後方までのルートにこの股関節痛の由来が隠されていました。
それが恥骨筋と大腰筋間への流入です。
内側大腿回旋動脈はこの恥骨筋と大腰筋間で挟まれることにより、
血管循環が阻害され股関節痛になるといわれています。
内側大腿回旋動脈へのアプローチ
ここまでくれば残すはアプローチだけです。
実際にこの内側大腿回旋動脈の評価方法は問診でしかありません。
特別可動域制限や筋力低下が起こるわけではないからです。
例えば股関節周囲に負担をかけたら何か痛いとか体を反ったら痛い
(股関節伸展位で伸張されるため)とか
色々問診を通して鑑別してほしいと思います。
そうすればアプローチの考え方は…
恥骨筋と大腰筋の柔軟性を上げて、絞扼部位を広げ、血液循環を促す!
ということになります。
具体的には大腰筋にカウンターストレインを行ったり、
両筋肉に手を当て、引き離しを行ったりすれば効果が得られるかもしれません。
(カウンターストレインに関してはまた後日紹介したいと思います。)
いかがだったでしょうか。
今までの股関節痛の見方とはまた違った見方ができそうに感じましたか。
やみくもに治療するよりまずは…
解剖を知ることで股関節痛を起こす要因を知ること
これに尽きると思います。
そうすれば治療はあまり難しいことする必要ないと私は思っています。
だからこのリハ局を通して少しでも今まで知らなかった
新しい痛みの原因や知識を仕入れて臨床に生かしてほしいと思います。
2回にわたり最後まで読んでくださってありがとうございました。
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