夜間痛と言えば、夜中に関節がズキズキうずいてとか

寝返り打つと痛くて寝れないなんてよく聞きますよね。

その中でも肩関節の夜間痛は臨床でもよく聞かれ、

他の関節よりも重要度が高いのではないかと感じています。

そこで注目したいのが関節内圧になります。

今回は関節内圧に関する解説と夜間痛との関係性について書いていきたいと思います。

これを知れば夜間痛に対する考え方にも幅が出てくるかもしれませんので

是非ご興味ある方は読み進めていただきたいと思います。

 

SPONSORD LINK

 

 

関節内圧

関節内圧は通常立位での上肢下垂位では陰圧の状態です。

陰圧とは空気中の大気圧に対して低い状態であり、

それが骨頭を臼蓋にとどめておける要因になっています。

そのため関節内圧を除去する(関節包に穴が開き、空気が入ってしまう)と

骨頭は下方へ落ちて脱臼してしまいます。

つまり関節内圧の陰圧自体が肩甲上腕関節の安定性を高めているともいえます。

 

関節内圧の変化

肩関節の内圧の変化は痛みとの関係性も深いです。

簡単に言えば、内圧上昇により疼痛増悪します。

それは関節の圧力が高くなることにより、

関節の動きに余裕がなくなり、

他組織にもその緊張度合いが影響して疼痛が強くなるのだと思います。

ちなみに…

外旋位では内圧が上昇し、内旋位では内圧が低下します。

少しの圧力変化で疼痛を引き起こすような方だとその疼痛が引き金となり、

肩関節周囲筋に筋スパズムを起こし、さらに関節内圧を上げてしまい、

疼痛増悪の負のスパイラルが形成されてしまうこともあります。

そのため関節内圧を適切に保ち、他の関節包との交通を妨げないようにしなければいけません。

 

 

Weitbrecht孔とは?

先ほども言いましたが関節内圧を適切に保つには他の関節包との交通を妨げないこと。

その中の関節包にこのWeitbrecht孔があります。

このWeitbrecht孔は肩甲下筋腱下滑液包の別名です。

また股関節にもあるといわれています。

肩甲上腕関節の関節包は

この肩甲下筋腱下滑液包(Weitbrecht孔)と烏口突起下滑液包との交通があります。

特にこのWeitbrecht孔との交通が大切であるといわれています。

ここでの交通の妨げは肩甲下筋にも影響を及ぼし、

筋スパズムや筋拘縮を生む原因にもなるといわれています。

 

 

夜間痛

さて話を夜間痛に戻しますが、

夜間痛はよく夜間に寝返りをうち、患側を下にした状態になると疼痛を誘発します。

これは…

肩甲骨と上腕骨の関係が内転0°を超えてしまい、

関節内圧を上昇させることで発生してしまいます。

この過剰な内転位での関節内圧上昇を防ぐために、

健側を下にして枕を抱かせる、いわゆる関節包の張力がかからない

一番楽な姿勢を取らせることで夜間痛を未然に防いでいます。

 

だからまずは徒手的に…

内転0°を超えると疼痛が発生するのか評価する必要があります。

その上で夜間痛との関連性があるかを考えてみてください。

一つのやり方の例としては…

背臥位で体側においてある上肢を把持し、

そのまま上方へつきあげるような動き、

肩をすくめるような動きをこちらが他動的に誘導します。

それにより疼痛が発生するかを確認すればいいと思います。

 

また夜間痛は骨内圧との関係性も報告されていますが、

これは臨床上簡便な評価方法がないため紹介程度にさせていただきます。

 

 

いかがだったでしょうか。

夜間痛に対する考え方は少し広まったでしょうか。

まずは肩関節の内圧に着目して夜間痛をみてみるのもよいのかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。