小殿筋と言えば…
大殿筋や中殿筋に隠れてる筋肉でしょ?とか
小殿筋っていうくらいだから小さくて必要ない筋肉なんじゃない?とか
…
いやいや待ってください!
確かに小殿筋は小さい筋肉かもしれませんが、とても重要な特徴を持った筋肉ですよ!
・小殿筋にあまり興味ない。
・小殿筋の重要性なんて感じない。
こんな感じで小殿筋を捉えている方は是非読んでほしいと思います。
これを読めば、少しは小殿筋を理解でき、重要性を知ることができると思います。
基礎的な解剖学からストレッチ方法、そして臨床で役立つ3つの特徴として小殿筋の解説をしていきたいと思います。
見出し
小殿筋の解剖
画像引用(一部改変):Anatomography
小殿筋(glutes minimus) | |
---|---|
起始 | 腸骨翼外側で前殿筋線と下殿筋線の間、下殿筋線下方 |
停止 | 大腿骨大転子 |
作用 | 股関節外転 |
神経支配 | 上殿神経(L4~S2) |
トリガーポイント | ① 上前腸骨稜の高さで中殿筋トリガーポイントより下方 ② 小殿筋起始部上縁付近 |
関連痛 | ① 殿部、大腿外側から膝、下腿外側へと足関節まで ② 殿部全体から大腿後面、膝窩、下腿近位1/3まで |
小殿筋のストレッチ
※後日、掲載いたします。
小殿筋の特徴
特徴1 トリガーポイントによる関連痛
画像引用(一部改変):Anatomography
小殿筋と言えばまず着目したいのがトリガーポイントによる関連痛です。
簡単に言えば…
ヘルニアや坐骨神経痛と似た下肢への症状が出現するからです。
まぁ、下肢への症状と言っても小殿筋の場合は関連痛ですが…
とは言ってもなかなか侮れません。
上記の解剖学でも記してありますが、小殿筋のトリガーポイントの特徴は…
足関節まで届く!ということです。
厳密に言えば…【殿部、大腿外側から膝、下腿外側へと足関節まで】
小殿筋にトリガーポイントが形成されるだけで痛みの部位だけでいったらこれだけ広範囲に及ぶ関連痛が起こる可能性があるわけです。
ここでのポイントは2つ。
① 足関節より遠位(足部)には影響がない
② 関連痛のみのため神経症状や痛み部位への圧痛はない
ヘルニアや坐骨神経による症状の場合、下肢全体(足部)まで含む痛み・痺れを感じることがありますが、小殿筋の関連痛では足関節までのため影響ありません。
またトリガーポイントによる関連痛のため、感覚の低下や反射異常、また痛みへの圧痛などは認められません。
ただ小殿筋のトリガーポイントを押すことで再現痛を認められます。
患者さんが訴える脚全体の痛みには特に注意して問診してみてください。
【脚全体の痛みは足関節までかそれとも足部まで痛みが走っているか】
特徴2 股関節外転以外の作用
画像引用(一部改変):Anatomography
小殿筋の股関節外転以外の作用をご存知ですか?
それは…股関節内旋作用です。
これは小殿筋を覆う中殿筋の前部線維と同じ作用になります。
小殿筋を矢状面で観察すると股関節よりやや前方に位置します。
もちろん、細かいことまで言えば小殿筋も後部線維は外旋作用があるようですが、役割としてはとても弱いです。
それに比べて内旋の方がより筋ボリュームも強さにしても優位に立っています。
そのため中殿筋でも述べたように股関節可動域改善や動作改善にも役立つ情報だと思うので、是非覚えておいてほしいと思います。
特徴3 腸骨大腿靭帯との関係
画像引用(一部改変):Anatomography
小殿筋は多くの筋肉と繋がりがあることが知られています。
(大内転筋、大腿方形筋、梨状筋、内閉鎖筋、双子筋これらの筋肉と繋がっています)
これだけでもたくさんの筋肉と繋がりがあるだけでとても影響力が大きいように感じます。
しかし小殿筋には腸骨大腿靭帯との繋がりがあることが分かっています。
皆さんもご存知かもしれませんが…
腸骨大腿靭帯は、人体中で最大の靭帯であると言われています。
そんな腸骨大腿靭帯を小殿筋は補強していると言われているため、十分考慮しなければいけません。
腸骨大腿靭帯は股関節の上前方に位置し、股関節の伸展や外旋を制限しているため小殿筋の治療を行う際は腸骨大腿靭帯への治療も合わせて行うとより効果が出やすいのではないかと思っています。
(過去記事参照:小殿筋の2つの特徴とアプローチ方法 図もなくほぼ似た、拙い文章ですが…)
まとめ
特徴1 ヘルニアや坐骨神経痛と似た下肢症状に注意
特徴2 中殿筋前部線維同様股関節内旋に作用
特徴3 腸骨大腿靭帯を補強している
いかがだったでしょうか。
小殿筋は大殿筋や中殿筋の奥に隠れ、なかなか着目することが少ない筋肉だと思います。
でもこれだけの重要な特徴を持ち、痛みや関節可動域にも影響を与えています。
是非、これを読んで小殿筋への見方が増える方が一人でも多くなってくれればと思います。
今回も最後までご覧になってくださり、本当にありがとうございました。
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