これまで…
などでふくらはぎの痛みの原因について考えてきましたが、臨床を経験していて多く感じるのは筋肉系のトラブル!
その中でも特に多く感じるのが今回の… ヒラメ筋です!
このヒラメ筋は魚の舌平目に似ていることが語源になっているそうです。
そんなヒラメ筋を今回は特集してふくらはぎの痛みにどのように関与しているか解説していきたいと思います。
読み終えたころにはヒラメ筋への理解が深まり、ちょっと自分で治療してみようかな?と思われると思います。
見出し
ヒラメ筋はどこにある?
画像引用:Anatomography
画像引用:Anatomography
これです! ヒラメ筋は多くの筋肉に表面を覆われていてふくらはぎの深層に存在しています。
ヒラメ筋の基礎情報
少し専門用語を使い解説していきます。
【筋肉の始まり】腓骨頭ほか…
【筋肉の終わり】アキレス腱となり踵の骨に付着 腓骨というのはスネの骨の外側にある細い骨になります。
その頭、要するに膝の外側にポコッと触れることができる骨になります。
そこから腓腹筋というふくらはぎの筋肉と合流してアキレス腱となり、踵の骨まで続きます。
【筋肉の働き】足関節の底屈 ヒラメ筋はアキレス腱となり足首の裏を通るため筋肉が収縮すると足先を下に倒すような形になります。
足が地面についていればつま先立ちをしているような状態と言えばわかりやすいでしょうか。
ヒラメ筋に隠された3つの特徴
ここからはヒラメ筋が他の筋肉とは違う特徴的なところを紹介しながらそれがふくらはぎの痛みとどのように関係してくるのかを紹介していきます。
特徴1、ヒラメ筋は赤筋?白筋?
筋線維は大きく分けて赤筋と白筋に分けられます。(厳密に言うと3つに分かれます)
それぞれを簡単に説明すると…
赤筋 ⇒ 遅筋線維
白筋 ⇒ 速筋線維
と言われています。
赤筋(遅筋線維)
赤筋(遅筋線維)は文字通り、赤い筋肉です。
これは毛細血管が多く分布していることで赤く、そして遅筋線維というだけあって筋肉が収縮する速度は遅いです。
赤筋のメリット
疲労しにくい、基礎代謝能力が高い、脂肪燃焼に働く、姿勢を支える筋肉だからキレイな姿勢を保てる、持久力がある
赤筋のデメリット
力が弱い、収縮するスピードが遅い、瞬発力がない
白筋(速筋線維)
白筋(速筋線維)これも文字通り、白い筋肉です。 赤筋と比べて毛細血管があまりないため、筋肉そのものの色をしていると考えられます。
白筋のメリット
力が強い、収縮するスピードが速い、瞬発力がある、鍛えることで見せる体(筋肉隆々)を作れる
白筋のデメリット
疲労しやすい、基礎代謝能力は低い、持久力がない
総じて言えば…
赤筋 ⇒ マラソン選手(細くて脂肪が少ない)
白筋 ⇒ 短距離選手(筋肉隆々)
このように表現すればわかりやすいかと思います。
ここまで来てから本題ですが…
ヒラメ筋 ⇒ 赤筋(遅筋線維) に分類されます。
そしてヒラメ筋を覆うふくらはぎで一番大きな筋肉である腓腹筋は白筋に分類されます。
特徴2 ヒラメ筋はふくらはぎで特別な存在?
先ほども少し説明しましたが、ヒラメ筋は赤筋(遅筋線維)に分類されます。
そしてこれら赤筋は姿勢保持に重要な役割を担っています。
それがふくらはぎ全体を含めて関与するのが唯一ヒラメ筋だけなんです!
他のふくらはぎの筋肉は大体、白筋に分類されているため、ヒラメ筋の担っている役割は重要なわけです。
日常生活や軽い運動程度なら負荷量が軽いためほとんど赤筋が動員されます。
そのため、いくら赤筋が代謝がよく、疲労が溜まりにくいと言っても基本的には姿勢を保つ以上、絶えず働いているため、立ち仕事だったりそれに少し負荷量が増えたりすると疲労も蓄積されていきます。
それが筋肉の痛みへと繋がり、ふくらはぎが痛くなる一つの原因になると思われます。
だから激しい運動をしたわけでもなく、少しいつもより動いただけなのに痛みに悩まされてしまうという人にはこのような原因も考えられる可能性もわけです。
特徴3 ヒラメ筋の中に血管が?
画像引用(一部改変):Anatomography
この図をまず見てください。
これはヒラメ筋の中に血管が入り込んでいく図になります。
すでに書いてありますが、ここを”ヒラメ筋腱弓”といいます。
ここはふくらはぎの筋肉で唯一、筋肉内に直接血管を取り込んでいる場所になります!
簡単に言えば…
ヒラメ筋腱弓で血管が締め付けられる
⇒ そこから下への血流が乏しくなる
⇒ 循環も悪くなる上に、酸素をエネルギー源とするヒラメ筋は働きにくくなる
⇒ 疲労物質が滞留し、働きも悪くなる
⇒ ふくらはぎに痛みが生じ、他の場所にも悪影響が及ぶ
このような流れが考えられます。
そのためにもこのヒラメ筋腱弓のところで血管を締め付けないようにヒラメ筋を柔軟に保つ必要があります。
ヒラメ筋に対する治療法!
やり方としては2種類です。
1、ヒラメ筋をストレッチする
2、ヒラメ筋のトリガーポイントを押す
3、ヒラメ筋腱弓を押し広げる
これだけです。
しかしこれでヒラメ筋由来のふくらはぎに痛みに対応するのには十分な治療になります。
治療法1 ヒラメ筋ストレッチ
② そして上の図のように伸ばしたい側の膝を落とします。
注意!この時、踵が浮かないようにしてください!
③ 伸張感を感じてからその場でおよそ30秒ほど止めます。
④ 30秒経ったらゆっくりと元の状態に戻ります。 これを5セットほど行ってください。
治療法2 ヒラメ筋トリガーポイント押圧
ヒラメ筋の始まり(起始部)付近にはふくらはぎ全体に痛みを放散するポイントがあります。
画像引用(一部改変):Anatomography
ここに対する治療を行うことでふくらはぎの痛みに対応します。 ① 座った状態からヒラメ筋を押すことができる位置を作る。
② 筋肉を押すことでふくらはぎに放散する痛みが起こる場所を丁寧に探る。
③ 場所を見つけたらその場所を痛気持ちいいくらいの強さで押す。
④ 時間はおよそ1分ほど これ3回ほど行ってください。
治療法3 ヒラメ筋腱弓ストレッチ
膝の裏を丁寧に触っていくと血管の拍動を感じる場所があります。
そこを下へとたどっていくと血管がヒラメ筋に入っているヒラメ筋腱弓があるため拍動を感じなくなる直前の部分に対して治療していきます。
画像引用(一部改変):Anatomography
さきほどのヒラメ筋腱弓の場所を示す図です。 ① 拍動を感じる境目の場所を確認します。 ② 両方の親指を当てて押し広げるようにおよそ30秒ほどストレッチします。
③ 30秒経ったらゆっくりと伸張をとき、元へ戻します。 これを5セットほど行ってください。
まとめ
特徴1 ヒラメ筋は赤筋に属し、そのメリット・デメリットがある
特徴2 ヒラメ筋は常時働いているが度を超えると痛みの原因になる
特徴3 ヒラメ筋腱弓はふくらはぎの循環に大きな影響を及ぼす
いかがだったでしょうか。
ふくらはぎの痛みがヒラメ筋である可能性を感じるには十分な内容であることはご理解いただけましたでしょうか。
もちろんヒラメ筋だけがということはあり得ませんが、ふくらはぎの痛みを知る上では大変重要なポイントにはなるかと思います。
ぜひあなたのふくらはぎの痛みがヒラメ筋由来であり、それをこの記事を読むことで理解した上で治療され、痛みから解放されることを願っています。
今回も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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