ふくらはぎが痛くて治療してるけど少しも良くならない…
何だかふくらはぎが痺れているような気がする…
最近は足まで動かしづらくなってきた…
あなたはこんな症状を抱えていらっしゃいませんか?
もし同じような症状を抱えていらっしゃるならそれは…
ヘルニアのせいかもしれません。
今回はふくらはぎの痛み・痺れが腰椎椎間板ヘルニアから来ているかもしれない可能性について解説し、その鑑別方法をお伝えし、治療法についてもご紹介していきたいと思います。
腰椎椎間板ヘルニアとは
画像引用(一部改変):Anatomography
この図は体の骨を横から見たものですが椎間板は背骨と背骨の間に存在し、その椎間板の中に水分を多く含んだ髄核という組織が存在します。
これらは体の衝撃を吸収するクッションの役割があり、また体を柔軟に動かせるための繋ぎの役割をしています。
腰椎椎間板ヘルニアは髄核の外側を覆っている椎間板から髄核が脱出してしまい、脊髄を圧迫することを言います。
ヘルニアの症状
代表的なものを列挙します。
・腰痛
・殿部痛
・下肢痛
・下肢痺れ※
・運動障害※
・感覚障害※
・膀胱直腸障害
※ヘルニアが起こる部位によって異なるため後述します。
なぜヘルニアでふくらはぎに症状が起こるのか?
基本的には椎間板から髄核が脱出し、脊髄を圧迫したところで炎症が生じて、同部位に痛みが発生します。
しかし脊髄はその場にあるだけではなく、全身へと神経を張り巡らせています。
そしてなぜ腰椎椎間板ヘルニアでふくらはぎに症状が出るかというとヘルニアが好発する場所の脊髄がふくらはぎに神経を送っている場所だからです!
画像引用(一部改変):Anatomography
要するに圧迫している場所は腰の脊髄でもそこから出ている神経がふくらはぎの感覚を支配しているためふくらはぎに痛み・痺れを感じるわけです。
ヘルニア由来の鑑別方法
腰椎椎間板ヘルニアにはいくつかの鑑別方法があるためご紹介します。
1、前屈テスト
①股関節が90°ほどに曲がった状態を保てる椅子に腰掛ける
②痛みのある方の足伸ばし、つま先を上げる
③そのままゆっくりと猫背になる
この時、伸ばした方の足全体の後面や腰に症状が出たらヘルニアの可能性あり。
2、足上げテスト(SLRテスト)
①床に仰向けで寝ます
②膝を伸ばし、足首を上げた状態から
③痛みのある方の足をゆっくりとあげていく
これで70°ほど上げるまでに足全体の後面や腰に症状が出たらヘルニアの可能性あり。
3、足の指反り、足首あげ
①立った状態もしくは安定した座面があり、足裏が床につく椅子に座る
②足裏を床につけたまま足の指だけ反る
③足の指を元の位置に戻し、踵を床に接地したままつま先を上げる(かかと立ち)
②、③両方とも上がらない場合はヘルニアの可能性あり。
4、足の指曲げ、つま先立ち
①立った状態もしくは安定した座面があり、足裏が床につく椅子に座る
②足裏を床につけたまま足の指を曲げる
③足の指を元の位置に戻し、つま先を床に接地したまま踵をあげる(つま先立ち)
以上の4つのテストを行い、症状が出現した場合は腰椎椎間板ヘルニアの可能性が高いです。
しかし反対にこれらのテストが遂行できるようなら腰椎椎間板ヘルニアの可能性は低くなります。
まずはこれらを実施して自分の症状はどうか確認してみましょう!
ヘルニア治療の実際
実際に腰椎椎間板ヘルニアになった場合に考えられる治療をご紹介します。
1、保存治療
保存治療とは手術を使わずに治す方法のこと。
安静
基本的に急性期は炎症期にあたるので安静にすることで痛みが緩和することがあります。
日常生活指導
腰椎椎間板ヘルニアを悪化させないような日常生活動作を指導し、様子観察します。
例えば重い物を持たない、前かがみにならない…など
リハビリテーション
急性期を過ぎたのちに症状が残る、もしくは体の状態が悪い(柔軟性が低い、筋力が少ない)場合によく処方されます。
現場でよく実施されるのはストレッチや筋力トレーニングになります。
薬物療法
内服や湿布などの外用薬で痛みを和らげるように処方されます。
コルセット
腰まわりの筋力が低かったり、過度な運動を抑制する意味合いで処方され、通常の腰痛でもよく使用されます。
ブロック注射
痛みがひどいときに行われる方法で、痛み引き起こしている神経に直接行う麻酔注射のようなものです。
これにより一時的に症状を緩和させます。
2、手術療法
手術療法は一通り上記の保存療法を実施しても症状が改善しない場合に実施されます。
今では多くの手術方法があるようです。
後方から椎間板を切除する方法
脊椎を固定し、安定性をもたらす方法
髄核のみを摘出する方法
これだけでなく、他にも様々な手術法があるとされています。
自分でできるヘルニア治療法!
基本的には手術適応でない、保存治療で治るレベルのヘルニアであることが条件にはなりますが、先ほど説明したヘルニアの鑑別方法によりヘルニアであると判断され、自身でも少し動けるレベルにあるときに行ってください。
全く動くことができない場合や痛みを増幅してしまう場合にはすぐに中止してください。
これからご紹介する3つの方法は腰椎椎間板ヘルニアに対して患部にストレスを与えず、隣接する関節、筋肉を柔軟にする方法であるためヘルニアに対して直接行う治療でないことをご理解ください。
1、ハムストリングスストレッチ
ハムストリングスという太もも裏の筋肉はヘルニア発生と密接な関係があるとされています。
この筋肉が硬いことによりヘルニアの発生・増悪させる可能性があるためしっかりと柔軟性を保っておく必要があります。
①床に仰向けで寝た状態から膝を曲げて体に近づけます。
注意!この時に膝を伸ばさないように気を付けてください。神経を伸張し、痛みを誘発してしまいます。
②ふくらはぎを持ち、ゆっくりと膝を伸ばします。
この時に痛みがなく、もも裏に軽い伸張感を感じる程度のところまで伸ばしてください。
およそ時間は30秒ほど反動をつけないように伸張感を保持します。
③ゆっくりと膝を曲げて、元の位置に戻します。
これを5回ほど繰り返します。
体の中でアンバランスが生じるといけないので症状のない足もできれば実施してください。
2、股関節ストレッチ
①床に仰向けに寝た状態から股関節と膝関節を曲げて体に近づけます。
②股関節につまり感を感じない程度まで曲げておよそ30秒キープします。
③股関節を曲げた状態を維持しながら内側・外側にも少し倒して30秒キープします。
この時、つまり感が出ない程度の曲げ方で結構です。
これを両側とも3回ずつ行ってください。
3、背骨の柔軟運動
①床に仰向けに寝た状態から両手を広げて、両膝を立てます。
②その状態から左右どちらかに膝を倒します。
この時、腰に痛みや足に痺れなどがないことを確認して30秒ほどキープします。
痛みがある場合は即座に中止してください。
③左右5回ずつ行ったら最初の姿勢に戻り、終了します。
全く症状が改善しない場合
このような場合は早期に医療機関を受診することをお勧めします。
手術適応であるかどうかの判断は医師にしかできません。
自己判断せずに専門の医師に相談することが最も早く、安心してヘルニアを治すことにも繋がります。
どうしようもない状態になる前に早めに医療機関を受診しましょう。
いかがだったでしょうか。
何となく、ふくらはぎの痛み・痺れがヘルニアからくるものだと理解できましたでしょうか?
鑑別方法と治療法に関してもこれが全てではありません。
医療機関を受診すればより詳細な診断と治療が可能です。
是非問題を先送りにせず、ふくらはぎの痛み・痺れから解放されることを願っています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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